フォルクスワーゲン本社は2025年9月3日、今後投入する新たなEVのモデル名称は、内燃機関モデルで親しまれてきた名称を、EVの「ID.」ファミリーにも引き継ぐことにすると発表した。

カモフラージュが施されたBセグメントの「ID. ポロ」と「ID. ポロ GTI」は、ミュンヘンで開催されるIAAモビリティ(9月8日~14日)で世界初公開された。
その前日の9月7日、フォルクスワーゲンは、電動コンパクトSUVのコンセプトカー、新型「ID. クロス コンセプト)」も世界初公開した。このコンセプトカーの量産バージョンとなる「ID. クロス」は、「T-クロス」のEVバージョンとして2026年末に発売される予定だ。
新車名戦略の最初に登場するモデルは、2026年から発売予定の「ID. ポロ」だ。このコンセプトカーは、これまでは「ID. 2all」という名称で呼ばれていた。
「ID. 2all」は、MEBエントリーと呼ばれるホイールベースを短縮し、よりシンプルなシャシーを備えたMEBプラットフォームを採用し、目標航続距離は最長450kmとしている。
そして「ID.ポロ」として発売されるに当たり、従来のID.シリーズに比べ大幅に低価格とし、EVの普及を加速させ、フォルクスワーゲンがグローバルでEVのリーダーを確保することを目指している。

フォルクスワーゲン・ブランド最高経営責任者でグループ取締役会メンバーでもあるトーマス シェーファーCEOは、「フォルクスワーゲンのモデル名は、人々の心にしっかりと刻まれています。これらの名称は、力強いブランドを象徴し、優れた品質、時代を超越したデザイン、すべての人々のためのテクノロジーといった、フォルクスワーゲンの特徴を体現しています。そのため、私たちは、これらのよく知られたモデル名を未来のクルマにも引き継いでいくことにしました。ID.ポロは、その始まりにすぎません」と語っている。
フォルクスワーゲンは、今後登場する電気自動車のニューモデルに、長きにわたって確立されてきたモデル名を引き継ぐことになる。同時に、従来の内燃機関を搭載したすべての車両は、引き続きこれまで通りの名称で販売される。


「ID. ポロ」の場合は、「ID.」という名称は、先進テクノロジーと電動モビリティを象徴しており、その一方で「ポロ」という名称は、常に高品質、優れた安全性、そして革新技術の民主化を象徴するモデルとして親しまれてきた。
新しい「ID. ポロ」は、これらの特徴を兼ね備え、この戦略の最初のモデルとして、「ポロ」誕生50周年の節目の年に、新しい名前で登場する。

フォルクスワーゲン ・ブランドの販売、マーケティングおよびアフターセールス担当取締役のマーティン・サンダーは、「私たちのクルマは、長年にわたって人々に寄り添い、思い出や人生の節目を形作ってきました。“ポロ”のようなモデルは、名称がいかに重要であるかを示しています。モデル名は、信頼性、個性、そして歴史を表しています。だからこそ私たちは、人々の日常生活に根ざし、感動を呼び起こす名称を“ID.”モデルにも採用することにしました。電動モビリティは革新的であるばかりなく、身近な存在で、個人的な存在でなければなりません」と語っている。

そして今後登場するコンパクトセグメントで2番目の「ID.」モデルは、力強いブランドのひとつで ある“GTI”をEVとして送り出す。2026年に発表予定の「ID. GTIコンセト」は、量産モデルでは「ID. ポロ GTI」が登場する予定だ。