【フォルクスワーゲン ゴルフR 試乗記】洗練された「R」はインテリジェントでレーシーな世界へ

2022年初頭にゴルフ8のGTI、TDIがデビューし、10月にゴルフR、ゴルフR ヴァリアント、ゴルフ ヴァリアントTDIの導入となり、これでゴルフのラインアップ全てのモデルが国内導入されたことになる。その中でゴルフRにまず試乗してきたのでお伝えしよう。

R 専用デザインのバンパーが存在感を放っている

ゴルフ8のゴルフRは、ゴルフ史上もっともパワフルなハイパフォーマンスモデルとして登場した。その特徴はエンジンの出力、ドライビングダイナミクスの向上、R専用装備の採用で魅力も磨かれたわけだ。

まず、エンジンは先代のゴルフRと同様EA888型の4気筒インタークーラーターボだが、バージョンがevo3からevo4へとアップデートされている。狙いは排出ガスをよりクリーンにし、燃費性能を向上させることで、燃料噴射圧を200barから350barへと異例なほどの高圧燃料噴射へ変更している。もちろん、フリクションの低減など細部に渡り見直しも行われている。

その結果出力は先代の310psから320psへと向上し、トルクも400Nmから420Nmへと向上。燃費ではWLTCで12.3km/Lとなっている。

先代からアップデートされたEA888型evo4エンジン

またシャシーにも大幅な改良が加えられ、新しい4Motionシステムを搭載した。先代のゴルフRの4WDは前後のトルク配分を行うタイプであったが、新型のゴルフRは前後はもちろん、左右のアクティブ・トルクベクタリングを行なうタイプへと進化している。

リヤアクスルに2つの多板クラッチを装備し左右へのトルク配分をコントールする仕組み。例えば左旋回するときは右後輪により大きなトルクを分配し、旋回性を高めるという制御だ。他にもサスペンションのスプリングレートやスタビライザーのばねレートを先代よりも10%高め、フロントアクスルはアルミのサブフレームとし全体の剛性を高めている。

サスペンションのレイアウトはフロントがストラットでリヤがマルチリンク。そしてビークルダイナミクスマネージャーもより緻密な制御に変更。電子制御のデファレンシャルロックである「XDC」とアダプティブシャシーコントロールの「DCC」を統合するだけでなく、前述の4Motion制御と高度に統合し、ドライビングダイナミクスの最大化と快適性の向上を果たしているのだ。

サイドシルはR専用のボディカラー同色となっている

エクステリア、インテリアにもR専用の装備が多数ある。外観ではGTIが2本出しのマフラーなのに対して4本出しにし、リヤのディフューザーはグロスブラックで引き締めている。またドアミラーもマットクロームにし、装着するタイヤは18インチサイズを標準とし19インチがオプションで選択できる。試乗モデルは19インチ装着車で235/35-19のサイズを履いている。

インテリアではヘッドレスト一体型のスポーツシートを装備し、カーボン調のデコラティブパネルも使い、そしてメータークラスター内にR専用の表示画面があるなど、気分を高揚させる装備も充実している。

ボディサイズは全長4295mm、全幅1790mm、全高1460mm、ホイールベース2620mmで、新型のEA888型evo4エンジンに7速DCTを組み合わせている。ちなみに試乗車のボディはハッチバックタイプで、ヴァリアントのゴルフRのほうがロングホイールベースになる分、高級感が増すという声も聞けた。

さて、そのハッチバックのドライブモードはコンフォート、スポーツ、レース、インディビデュアルとあり、レースモードが楽しい。ステアリングにはレースモード専用の「R」ボタンがあり、ワンプッシュでレースモードに切り替わる。

するとエンジン音が大きくなり、まさにレーシーなサウンドへと豹変する。連続可変ダンパーも引き締まり、ステアリングの手応えもしっかり感が増す。メーターパネル表示も変更され、気分は高揚する。

ワインディングでの旋回性は新型の左右トルクベクタリングが素晴らしく、どこまででもノーズが入っていく。ややアンダーステア気味にしてコーナーに飛び込んでもアクセルを開けさえすれば回頭し、なんなくクリアする走りは、これまで以上にスポーティに感じ、公道のスポーツ走行レベルでは、限界は遥か彼方に感じる凄さがあった。

またスポーツシートや可変ダンパーの装備なども手伝い、コンフォートモードにするとフツーのクルマに変身するあたりも、只者ではない感触が身体中に印象付けられるのだ。GTIとRとの違いをどう捉えるかは人によって異なると思う。これまではGTIがインテリジェントでRが獰猛な印象を持っていたが、ドライブモードによって豹変する「R」にもインテリジェンスを感じるようになったのだ。それでもシートに座るだけではハイ・パフォーマンスカーであることを、どこからともなく感じさせるオーラがあるのだ。

価格

ゴルフ R:639万8000円(税込)
ゴルフ R ヴァリアント:652万5000円(税込)

諸元表


The Mortor Weekly

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