フォルクスワーゲン ゴルフV ダウンサイジングの本命【試乗記】(1.2L/7速DSG・トレンドライン)

マニアック評価vol3
ゴルフVのラインアップにエントリーモデルとして、1.2Lのトレンドラインが加わった。加速するダウンサイジングの本命ともいえるモデルだ。

ダウンサイジング・コンセプトは、排気量を小さいくし、失ったパワーやトルクを過給器などの補器類でカバーするというのが主流。ゴルフのもっともハイパフォーマンスモデルであった、ゴルフRは6の時はV型6気筒3.2Lエンジンを搭載していた。しかし、現行モデルの4では4気筒2.0Lにサイズを小さくしている。

中心グレードになるハイライン、コンフォートラインは4気筒1.4Lで、前車はターボ+スーパーチャージャー。後者はターボのみの組み合わせだ。そして、今回試乗したトレンドラインは1.2Lでターボと、さらに排気量が小さくなっている。しかも、他のグレードはDOHCだが、トレンドラインはSOHCなのである。

排気量を下げ、コンパクトになったエンジン重量は減り、クルマ全体でも軽量になる。当然、小排気量化したことで、パワー&トルクは少なくなる。105ps&17.8kg-mは数字でみると、かなり頼りない。がしかし、7速DSGと軽量化によって、頼りなさは感じない。ちなみにトレンドラインはコンフォートラインより20Kg軽く、ハイラインより70kgも軽い。そしてGTIとは130kg差があるのだ。めったに遭遇しないゴルフRにいたっては260kgも違う。

実際に試乗してみると、パワー不足を感じることなどなく、実にスムーズに走る。その走りを支える縁の下の力持ち的な存在なのが、DSGであり、7速が組まれている。市街地で中心的になる速度の60km/hでは7速時にわずか1200rpmと低回転。80km/hで1600rpm、100km/hでは実に2000pmという低回転で走行しているのだ。

省燃費であることが実感できる回転数だ。もちろんこの速度から踏み込んでの加速に、たるさを感じることもないし、アクセル開度によってはダウンシフトされ、強い加速を得ることもできる。

なんともドイツらしいというか、技術・いのち的なイメージもあるが、エントリーモデルとはいえTSIエンジンとDSGツインクラッチという最先端の技術を惜しげもなく投入している。そして9つのエアバッグやESP、ABSなどの安全装置は標準装備。エントリーモデルだとオプション扱いにしてしまわないあたりにもメーカーの姿勢がうかがえる。

さらにクルマ文化の浸透度の違いを感じるのは、運転席のポジション合わせだ。ドラポジに関しての認識はスポーツ走行やレースを経験していれば、その大切は身にしみていることだろうが、一般人にとってはせいぜいスライドを合わせるだけだろう。しかしこのトレンドラインにはステアリングにテレスコピックがあり、シート座面のチルトもついている。リクライニングは伝統的にダイヤル式で、背もたれは細かく位置合わせをすることができるのだ。

エントリーモデルでありながら、VWはドライビングポジションのフィッティング装置を省略せず、運転姿勢の大切さを守っているのである。平均車速の違いはこんなところにも、あらわれているのかもしれない。

インテリアの仕上げはシンプルだ。「あれば便利」的なものは省かれている。例えば、オートエアコンやハンドルにつくオーディオ類のスイッチなどだ。もともとナビ、オーディオはオプションになっているから、その商品ポジションは明確に「エントリー」と位置づけられている。エアコンもマニュアルのダイヤル式だ。シート表皮もファブリックで、内張りやコンソール周りの色使いなども豪華で華美な仕立ては省いた、という仕上げになっている。

最後に、ペダル類のオフセットについて話すと、FFにありがちな左右どちらかにペダル全体がオフセットしているクルマがある。このゴルフも若干その傾向があるようで、試乗時にはまったく気にならなかったが、マイカー(FR車)に戻り、何気なくアクセルペダルに足を乗せたつもりが、右足はブレーキペダルを踏んだのである。だから若干左側へオフセットしているのかもしれない。

文:高橋明

トレンドライン 257万円エコカー減税&補助金対象

コンフォートライン 278万円エコカー減税&補助金対象

ハイライン 312万円

GTI 366万円

ゴルフR 505万円


The Mortor Weekly

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