フォルクスワーゲン・グループは2023年2月6日、グローバル規模で急速充電ポイントを1万5000か所以上を設置したと発表した。
フォルクスワーゲン・グループは、1月27日現在で世界各国に設置した急速充電ポイントのグローバル・ネットワークに関する中間報告をまとめ、2022年末時点でグループが2025年までに設置を計画している4万5000か所の急速充電(HPC)ポイントの3分の1以上、最大350kWの出力を備えた合計約1万5000基の急速充電器がネットワークに接続されていることが確認された。
グループは「Power Day 2021」で、国際的な自動車メーカーとして初めて、すべての電気自動車が利用できる世界的な急速充電ネットワークをパートナー企業との提携の一環として構築する計画を発表している。この計画では、2023年末までにヨーロッパで約1万か所、世界中で最大2万5000か所の急速充電ポイントが稼働する予定だ。
フォルクスワーゲン・グループのテクノロジー担当取締役兼フォルクスワーゲン・グループ・コンポーネント最高経営責任者(CEO)のトーマス シュマルはHPCの設置に関して下記のように述べている。
「フォルクスワーゲンは、数年前に世界的な急速充電ネットワークの構築を開始しました。私たちは現在、北米、中国、ヨーロッパに1万5000か所の急速充電ポイントを設置し、e-モビリティを推進する先駆的企業となっています。これは、業界およびエネルギー部門のパートナー企業と共同で達成した成果です。充電は、e-モビリティの前提条件であるだけでなく、将来的に大きな可能性を秘めた戦略的ビジネス分野でもあると考えています。今後は、このネットワークをさらに拡大する予定です」
ヨーロッパの急速充電ポイントは、グループ・ブランドのアウディとフォルクスワーゲン乗用車部門、スポーツカーメーカーのポルシェが参加する合弁事業、「IONITY(アイオニティ)」の支援を受けて設置されている。2022年、グループはEnel(エネル)のグループ企業「Enel X Way」とイタリアでの合弁事業、Ewivaの設立も発表した。
さらにフォルクスワーゲンは、BPとIberdrola(イベルドローラ)と提携して急速充電ポイントも設置している。BPと協力して、ヨーロッパ全域に約8000か所の急速充電ポイントを整備する予定だ。このネットワークには他のシステムに加え、フォルクスワーゲン・コンポーネントが製造するFlexpole(フレックスポール)急速充電ステーションが設置されている。またIberdrolaと協力して、スペインの主要な幹線道路を網羅している。
アメリカでは、グループの充電インフラの拡大は、北米最大の公共急速充電ネットワーク「Electrify America(エレクトリファイ アメリカ)」が統括しており、中国では合弁会社のCAMSがこの作業を行なっている。
「Power Day」で発表したように、フォルクスワーゲンとそのパートナー企業は、2025年までにネットワークの急速充電ステーションの数を4万5000か所に拡張する計画を立てており、その内訳はヨーロッパが1万8000か所、北米が1万か所、中国が1万7000か所となっている。
充電およびエネルギー担当シニア バイス プレジデント(SVP)のエルケ・テンメ氏は下記のように語っている。
「私たちの目標は、e-モビリティを誰もが利用できるようにすることです。私たちが力強いパートナー企業と共にこれまでに達成した成果は、今の戦略で進んでいる道の適性を証明してます。私たちは協力し合えば、持続可能で誰もが利用できる未来のモビリティを形成することができます」
フォルクスワーゲン・グループは、2021年初頭に策定した「NEW AUTO」戦略の一環として、取締役会レベルでフォルクスワーゲン・グループ・テクノロジーが統括する充電およびエネルギー分野のすべての活動をまとめている。フォルクスワーゲン・グループ・テクノロジーは現在、グループのe-モビリティ戦略において重要な役割を果たし、この計画の中でインテリジェントな充電、エネルギー・エコシステムの主要なプロバイダーになることを目指している。
オリバー・ブルーCEOは、その「10-point plan」(10ポイントプラン)の中でも充電およびエネルギー分野を将来における基本的事業であると強調している。公共急速充電ステーションの世界的なネットワークの構築に加えて、フォルクスワーゲン・グループ・テクノロジーのラインナップとして独自のウォールボックスから柔軟に設置可能な急速充電ステーション、充電サービス、革新的でスマートなグリーン電力料金などまで、個人のユーザーや企業向けのあらゆる充電ソリューションを網羅しているのだ。
フォルクスワーゲンはまた、電気自動車の車載バッテリーをモバイルパワーバンク(移動可能な蓄電装置)として電力網に結合することにより、新たな付加価値を生み出すことにも取り組んでいる。