【VWグループ・パリショー】新型ゴルフ7、GTIコンセプトがワールドプレミア

ゴルフ ブルーモーション・コンセプトをプレゼンテーションするヴィンターコルン会長

VWグループはパリショーで、新型ゴルフ7を大々的に披露するとともに、ゴルフ7のコンセプトカーとして、世界で最も燃料効率に優れたクルマの1台である「ゴルフ ブルーモーション・コンセプトカー」、「ゴルフGTI」のワールド・プレミアを行った。

・新型ゴルフ7
新型ゴルフ7は、実は9月4日にベルリンのニューナショナル・ギャラリーで発表会が行われたのだが、世界に向けてのデビューはこのパリショーが舞台として選ばれたのだ。このゴルフ7は11月からヨーロッパでの発売が開始され、その後順次他の地域での発売が行われる計画だという。

新型ゴルフ7について、VWのマルティン・ヴィンターコルン会長は次のように述べている。「ゴルフは初代から第6世代まで輝かしい成功の歴史を刻んできました。7世代目のゴルフにおいても、もちろん我々はこのサクセスストーリーを継続させることを目標にしています。ゴルフ7の素晴らしいポテンシャルは、このクルマにおいて我々が、クルマの重量増の負のスパイラルを逆転させることができたという事実に、何より表れているでしょう。新しいゴルフは、従来型のモデルと比べて、より安全で、快適で、有効スペースも広いクルマになっていますが、その一方で重量は最大100kgも軽くなっており、シリンダー休止機構を備えた140psのガソリンエンジンを積んだモデルの燃費は4.8L/100km を実現するなど、従来型より23%も燃料効率が改善しています」

ゴルフ7は最新のMQB(モジュラー)コンセプトに従った新たなプラットフォームを採用し、さらにエンジンの刷新も行っている。そして車両全体の軽量化を大きな開発テーマとし、ゴルフ6と同等のサイズでありながら100kgもの軽量化を果たし、他の自動車メーカーに大きな衝撃を与えた。

もちろんゴルフ7は新型プラットフォームだけではなく、新世代化されたエンジン、新たなインテリア、クラスの常識を破る装備などすべて刷新している。

居住スペースは従来型よりも拡大され、特に後席レッグルームの拡大とラゲッジ容量が30L増大されている。また安全性とドライバー支援システムの充実が図られ、マルチコリジョン・ブレーキ(全車に標準装備:事故に遭遇した時に二次衝突を防止する)、プロアクティブ(プリクラッシュ)乗員保護システム、さらにフロントアシストとシティエマージェンシー・ブレーキの機能を統合したレーダー式アダプティブクルーズコントロール(ACC)など、プレミアムクラスの装備を完備している。

この他にも新型ゴルフは、プログレッシブ・ステアリングシステム、ドライビングプロファイル・セレクター(ダンパー、ステアリング、エンジン出力などの特性を任意に選択できる)、XDS(電子制御デフロック)、全モデルに標準装備されたタッチスクリーン、ディスプレイと情報&エンターテイメントシステムなどを採用している。

ボディサイズは、全長4255mm×全幅1799mm×全高1452mmと従来モデルとの差は大きくない。また、デザインはゴルフ6を踏襲し、部分的にリファインする程度に抑えている。

ゴルフならではの、成功の鍵でもある継続性を重視し、不朽の価値を確立させたいとワルター・デ・シルヴァ(デザイナー)は語っている。デザイン的にはフロントホイールが43mm前進し、その分だけフロント・オーバーハングが短縮し、新たなプロポーションとなり、言い換えれば視覚的には、キャビンが後方に移動したいわゆる「キャビンバックワード」である。これにより、よりプレミアムカーのプロポーションに近付いたと言えるだろう。

なお100kgの車両軽量化の内訳は、電装関係で-6.0kg、エンジンで-40.0kg、足回りは-26.0kg、ボディ・艤装で-37.0kgとなっている。なおホワイトボディでの軽量化は-23kgで、それ以外はクロスメンバー、エアコン、シートなどの軽量化が大きく貢献している。

新型ゴルフ7のインテリア。大幅なスペースの拡大と軽量化、質感向上が行われている

採用されたエンジンは、ガソリンが3種類、ディーゼルが2種類(105ps、150ps)、合計5種類が発表された。いずれもスタート・ストップと減速エネルギー回生システムが採用されている。ガソリン・エンジンは、改良された1.2 TSI(85ps)、新開発の1.4 TSIと、これに気筒休止システムを装備した3種類だ。

1.4 TSIは、標準エンジン(122ps)とポンピング損失を大幅に低減するために気筒休止システムを採用。出力は140psを発生する。この新1.4 TSIは、EA211型と呼ばれるオール・アルミエンジン(従来の1.4Lエンジンは軽量ネズミ鋳鉄製)と組み合わされている。この気筒休止付き1.4 TSIは最初にポロ1.4TSIブルーモーションに搭載され(日本には未導入)たものだ。

このエンジンは直噴システムも200barに噴射圧を高めたまさに最新版である。燃費は4.8L/100km で、従来より23%も改善しているという。なお、新型ゴルフ7は装備面などを充実させているにもかかわらず、価格は据え置きとなっている点も注目を浴びている。

・ゴルフ ブルーモーション・コンセプト
ゴルフ ブルーモーション・コンセプトは、世界で最も燃料効率に優れたクルマの1 台としてベールを脱いだ。

実は第1世代のゴルフ ブルーモーションがデビューしたのは、5年前のジュネーブ・モーターショーで、そのモデルは2007年の暮れに市場導入され、4.5L/100km(CO2 排出量:119g/km)という燃費を達成していた。そして2009年に再度ジュネーブにおいて、第2世代のゴルフ ブルーモーションを発表したが、このモデルの燃費は3.8L/100km(CO2 排出量:99g/km)と、さらに改善されている。

1.6 TDI(110ps)エンジンを搭載し、燃費は3.2L/100kmのブルーモーション・コンセプト

今回のゴルフ ブルーモーション・コンセプトは3世代目になり、コンセプトカーとされているが2013年夏には発売されると発表されている。

搭載されるエンジンは新開発の1.6 TDI(110ps)で、燃費は3.2L/100km。燃料タンク容量は50Lで、航続距離は1560kmに達する。その一方で最高速は202km/hだという。

・ゴルフGTIコンセプト
新型ゴルフ7をベースにしたGTIコンセプトが早くもパリショーに登場した。これもコンセプトカーとされているが、2013年の早い時期に発売・発表され、おそらく2013年春ごろには発売されると予想される。

新型ゴルフGTIは、従来モデルと同じ2.0LのEA888型 TSIエンジン(220ps) を発揮する。ゴルフGTI の歴史において初めて、メーカーオプションとして「パフォーマンスパック」が設定されることになった。

この仕様では、エンジンの最高出力は230psにアップする。また新型ゴルフGTI はスタートストップ・システムを標準装備。また2014年から施行予定のユーロ6排ガス基準をクリアしている。標準仕様の6速MTモデルで燃費は6.0L/100km(CO2 排出量:140g/km)。なおギヤボックスは6速DSGがオプション設定されている。

新型ゴルフGTIの標準バージョンの出力は220psで、従来型よりも10psアップ。その一方で、最大トルクは70Nmも増加し350Nm とっている。この最大トルクは、現行のゴルフRと同じだが、エンジンそのものはまったくの新世代TSIとして大幅に改良されている。0-100km/h加速は6.6 秒、最高速は246km/hに達する。

またGTI パフォーマンスパックモデルは、エンジンの最大トルクが標準モデルと同一ながら、パワーが10psアップした230psとなる。 最高速は250km/hに達し、0-100km/h加速は6.5秒。

新型GTIは、エンジンパフォーマンスの向上だけではなく、シャシーも強化された。ブレーキサイズは16インチから17インチにグレードアップされ、キャリパーにはGTIのロゴが刻まれる。またFFモデルとしては異例のフロント・デファレンシャルロック(VAQ)が採用されている。

また新型ゴルフGTI は、新開発のプログレッシブ・ステアリングシステムを採用。このステアリングシステムは、可変ギヤレシオで、低速ではギヤ比がクイックになり、取り回しやパーキング時のステアリング操作が楽になり、カーブが連続する道やUターンでも、より少ないステアリング操作で走ることができる。

・VWグループ

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アウディ傘下となったためVWグループの一員となったドゥカッティも登場した。今後のドゥカッティの動向も目を離せない。

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↑シュコダ・ラピッド・アンビション
↑セアト・レオンFR
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VW公式サイト

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