2011年5月5日、イタリア サルディニア島でフォルクスワーゲンが2013年シーズンから世界ラリー選手権（WRC）に参戦することを発表した。
↑研究開発担当のDr.ウルリッヒ ハッケンベルク氏から発表された
フォルクスワーゲンは近年ダカール・ラリーに参戦しており、3年連続で制し、あらたなステージへと向かっている。それは、WRCはもっとも広範かつ多様な技術的挑戦の場であって、マシンに要求される性能もさまざま。グラベル（未舗装）、ガレ場、ターマック（舗装路）、氷雪路、泥濘路などの路面を想定し、気候条件も多岐にわたるステージとなる。
また、2011年からはレギュレーションに総排気量が1.6Lを上限とするエンジンに、直噴+ターボという新しいレギュレーションが適用されたことにより、フォルクスワーゲンの量産車開発ポリシーでもあるダウンサイジング、高効率、信頼性などの最優先事項もありWRCデビューは、まさに理想的であるとしている。
このような状況から、ポロをベースとした300ps近い最高出力を持つ1.6LTSIエンジンと4WDを組み合わせたラリーマシン造りがスタートする。
なお、ポロRの開発は、最近発足したVolkswagen R GmbHが担当し、ラリーの参戦・運営はVWモータースポーツが行う。Volkswagen R GmbHはモータースポーツ用のモデル、Rモデル、スポーツ性の高い専用デザインのRラインの開発を行うために2011年に設立された。BMWのM社、アウディのクワトロ社と同様の性格を持つ子会社で、スポーツチューニング、最上級の艤装&デザインを行う専門のプロフェッショナル部門で、これまでに発売されたゴルフR、シロッコRもここで開発されてきたわけだ。また、ここではフェートンのスペシャル艤装、チューニングなども行っている。
かつてゴルフGTI 16VでWRCグループAのワールドチャンピオンシップを獲得したこともあるフォルクスワーゲンの今後の動きに注目だ。
