VWティグアンがマイナーチェンジ 7速DSGを搭載

 

フォルクスワーゲン グループ ジャパン発表:2008年9月に発売されたVWの小型クロスオーバーSUV、VWティグアンがマイナーチェンジを行い、9月7日に発売された。

ティグアン

ティグアンはゴルフ用のA5すなわちPQ35プラットフォームをベースにした小型クロスオーバーカーで、横置4気筒(直噴+ターボ装備の専用チューンTSIエンジン)に6速ATを組み合わせていた。また駆動システムは第4世代の*ハルデックスカップリングを採用した4WD(4MOTION)とし、クロスカントリー性能もきわめて強力な点が特徴だ。*ハルデックス社はスエーデンの駆動系部品を作るメーカー

なおグレードは、クロスオーバーカー性能を重視したトラック&フィールド(170ps)、都市型重視のスポーツ&スタイル(200ps)、スポーツ仕様のR-Line(200ps)を展開していた。

トランスミッションは大容量の湿式7速DSG

今回のマイナーチェンジではグレードの見直しと同時に、トランスミッションが新開発の7速DSGに変更されている。まず、グレードは、従来のグレードに加えライストンが追加された。ライストンは従来のスポーツ&スタイルのデザイに170psエンジンを組み合わせた新設定のグレード。また、R-Lineは170psエンジンに変更されている。したがって200psエンジンを搭載するのはスポーツ&スタイルのみになった。

VWのDSGは2003年にゴルフ4・R32、アウディTT3.2に初採用されたが、これ以来、油圧制御多板クラッチ式6速DSGと、より低トルクエンジン向けの乾式クラッチ式7速DSGをラインアップしている。6速DSGは最大350Nmのトルク容量を持ち、オイル容量は6.5L、重量93kgであるのに対し、レバーで操作される乾式クラッチを持つ7速DSGは250Nmのトルク容量で、オイル容量は1.7L、重量77kgときわめてコンパクトである。その一方で、ティグアンは6速AT採用であったが、ついにDSGに変更されたのだ。

DSGシフト p08-1

新開発された油圧制御多板クラッチ式7速DSGは搭載拡張性を高め、より大型の車両にも搭載可能とするために、最大許容トルクは600Nmにアップし大トルクに耐える設計になっている。また、最高出力は275Kw(373ps)、車両重量は3.2トンまで搭載対象となるなど、DSG全体でもラインアップが広がったことになる。

7速化するにあたり変更された点として、従来の6速ではリバースギヤ用のシャフトを廃止し、インプット/アウトプットの2本とメインシャフトという完全な3軸構成としている。このため、7速化にもかかわらず重量増はほとんどなく、サイズも同等である。

6DSG 7DSG

↑左が6速DSG、右が新開発の7速DSG

ドイツ本国ではこの新開発7速DSGをまず商用車のT5に採用し、2番目がティグアンとなっている。7速DSGを採用した新型ティグアンの10・15モード燃費は11.6km/Lと従来より約20%改善されている。

高い悪路走破性能も魅力

 

ティグアンは都会派のクロスオーバーSUVと見られがちで、案外見逃されていたのがそのクロスカントリー性能だ。第4世代のハルデックスカップリングを装備しメカニズム的には*オンデマンド4WDなのだが、その応答性のよさやプレビュー制御により駆動トルクはフルタイム4WDと遜色ない。*オンデマンド4WD:必要なときに必要なトルクが配分される方式。

また車両的には、最低地乗降170mm、アプローチアングル=28度、デパーチャーアングル=25度、ランプブレークオーバーアングル=20度、最大登坂角=43度と、ヘビーデューティ4WDに匹敵する性能を持つ。また「オフロード・スイッチ」を備え、オフロードでこのスイッチを押すと、ヒルディセントアシスト(降坂時自動ブレーキ制御)、ギヤモードプリセレクション(低速重視ギヤ選定)、EDSアダプテーション(LSD効果の強化)、ABSアダプテーション(遅効きABS)、アクセル開度特性(低開度時の制御性向上)が起動し、走行をアシストする。このようにオフロード走破性能もきわめて高いのが特徴だ。

走破スペック 登坂性能

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フォルクスワーゲン グループ ジャパン公式Web

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