ボルボXC60がマイナーチェンジをし、試乗する機会があった。今回のマイナーチェンジはパワートレーンやシャシーに変更はなく、エクステリア、インテリアを小変更しているにとどまっている。が、もっとも大きな変更は、ボルボがGoogle社と提携し、アンドロイドOSを搭載したインフォテイメントシステムになったことだ。
ボルボのインフォテイメントにはグーグルアシスタント、グーグルマップ、グーグルプレイ ストアが組み込まれ、ボルボとグーグルが過去数年に渡り共同開発していたものが市場にデビューしたというわけだ。
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アンドロイドOSを搭載したことで、世界中で開発されている自動車用アプリなどがダウンロードでき、グーグルのサービスをリアルタイムで更新できるようになっている。
この日の試乗では音声対応が日本語に未対応の部分もあったが、まもなく対応され2022年第1四半期には問題なく使えるようになるということだ。
またスマホでAndroid AutoやApple car Playをクルマで使って経験している人も多いと思うが、例えばグーグルマップで道案内をしているとき、長いトンネルだと自車位置が測位できずに地図が動かないことを体験していると思う。このボルボに搭載されているアンドロイドは、グーグルマップの地図データがローカルHDに記憶されているので、電波のない場所やGPS信号の取り難いエリアなどでも車輪速データなどを利用してストレスなく道案内をしてくれるという違いがある。
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また、スマホやタブレットで検索した結果を車載ナビに読み込ませる二度手間も経験あると思うが、それも直接車両のモニターで目的地検索をすれば、そのまま道案内を始まるので、いちいちスマホからナビへという煩わしさがなくなる。
さらにあいまい検索もできるので、より利便性が高くなる。スマホで「近くのコンビニ」というのは普段使っていると思うが、その機能がクルマのナビでも同様にグーグルが検索し、同時に道案内もするのでその便利さから従来型のナビには戻れなくなっていくだろう。そしてGoogleアカウントを持っていればログインでき、使える機能は限定的だが、いつも使っている自分のGoogleが表示される。
実際の使い勝手としてはモニターサイズもタブレットなみの大きさがあるので、まさにタブレットがそのまま搭載されていると考えていいわけだ。だから使い慣れたものがそのままクルマでも使える便利さがある。
こうしたOSを車両に搭載する流れはこれから本格化してくるが、先陣を切ってボルボが日本で初めてGoogleを搭載したわけだ。さながらタブレットにタイヤがついて自走できる乗り物ということだ。
そしてテレマティクスサービスとボルボ専用アプリも使えるようになった。緊急通報や故障通報サービス、アプリでリモートドアロック&アンロックや充電状態表示などが使えるようになった。また自宅などのIoT家電であれば外部からのコントロールで例えば、エアコンを付けておくことなどが利用可能になる。
ちなみに通信料は新車から4年間は無料で提供されるということで、5年目以降の価格は未定となっている。
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さて、マイナーチェンジをしたエクステリアは、グリル、バンパーのデザインが、そしてリヤのバンパー下のデザインが小変更されている。他にアルミホイールのデザイン変更があるなど、細かな変更にとどまっている。またADASもセンサー系が変更されているが、作動限界等については、従来のシステムと同等ということだ。<レポート:髙橋明/Akira Takahashi>
価格
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