ボルボXC40試乗記 モメンタム専用色のアマゾンブルーが魅力的

マニアック評価vol636
ボルボXC40がフルラインアップ揃い、モメンタムとR-Design(Rデザイン)に試乗してきた。プレミアムブランドの多くがコンパクトSUV(Cセグメントクラス)を市場に投入しているが、イコール、マーケットニーズが大きいということがわかる。ボルボが投入したXC40 は、初めてコンパクトSUVを北米市場でも販売するわけで、気合の入ったモデルであることは間違いない。

ボルボXC40モメンタムグレードに試乗
ボルボXC40モメンタムグレードに試乗

ガチのライバルとなるのは、BMW X1(417~627万円)、アウディQ3(369~469万円)、メルセデス・ベンツGLA(406~523万円)で、XC40 は389~549万円という価格帯。まさにガチンコ勝負になるが、あとは価格に見合った装備と、ブランドイメージで決めていくのかもしれない。

ボルボXC40はボルボ初のコンパクト用プラットフォーム「CMA」で造られたモデルで、これまで限定車を発表した時点で試乗できたものの、その限定車300台は即完売してしまった。今回はほかのグレードも含めたフルラインアップということで、エントリーに位置付けられているT4搭載の「モメンタム」に試乗してきた。また、T5搭載のスポーティモデルR-Designの試乗レポートはこちらを参考にしてほしい。
※関連記事:ボルボXC40試乗記 プレミアムコンパクトSUVのトップに躍り出た実力

モメンタムはエントリーグレードに位置付けられているが、ドアを開けた瞬間から不満のないモデルであることのファーストインプレッションだ。これまでの常識からすれば、トップグレードと比較して装備を簡素化し、見た目、触感なども簡略したものがエントリーグレードに設定しているケースが多い。

だが、XC40のエントリーグレード「モメンタム」は、そうした簡素化、簡略化ではなく、表現方法、手法を変更するといった違いでグレードの棲み分けをしているようだ。例えばインテリアのオーナメントパネルでは、インスクリプションにはボルボ自慢の新素材「ドリフトウッド」を採用しているが、モメンタムではアルミパネルを加工したものを採用している。素材こそ全く異なるが、XC40が持つデザインの先進性は全く損なわれていないわけだ。

オフホワイトのコンビシートはハイセンス
オフホワイトのコンビシートはハイセンス

シートではインスクリプションがレザーシートになっているが、モメンタムではファブリックとレザーのコンビでオフホワイトのカラーも手伝ってか、非常にハイセンスに感じるシートになっている。オーディオもしっかりとハーマン/カードンを装備し、電動パワーシートや、メモリー機能もある。

そして、なんといってもかつての「ボルボアマゾン」へのオマージュということで設定されたアマゾンブルーのボディカラーはモメンタム専用色なのだ。ホワイトルーフとのコンビで設定されている。

こうした表現方法の違いによるグレード設定なので、エントリーグレードという言葉から受けるネガな印象は払しょくされると思う。実車を見れば、必ず満足できるレベルだとお伝えしよう。

安全装備に至っては、全グレード、すべての機能を標準装備しており、アクティブセーフティもパッシブセーフティも差別されることなく装備している。ある意味、ボルボの安全に対するアイデンティティの部分でもあるからだろう。

 

試乗

タイヤは18インチサイズを装着しており、R-Designの19インチとは見た目が異なるが、当然、乗り心地などでは18インチのほうが有利で、滑らかに走りながら快適な乗り心地になっているわけだ。

モメンタムには18インチサイズのタイヤ&ホイールを装着
モメンタムには18インチサイズのタイヤ&ホイールを装着

ハンドルの操舵力はとても軽く、扱いやすい。かといってふらつくような不安定さは全くなく、高速での直進の座りはかなりしっかりとしている。また、パイロットアシストを起動して高速を走行すると、ステアリングのセンタリングはよりしっかりと感じる。

運転席からの視界は非常によく、ウインドウの存在を感じさせないほど良く見える。シートポジションはややアップライト気味なので、なおさらだ。

メーターパネルは最新式のデジタルタイプで、地図ナビ機能もメーターパネルに表示できるなどエントリーグレードという言い方が相応しくないと感じる充実した装備となっている。

エンジンはDrive-EのT4で2.0Lガソリンターボで、190ps/300Nmは十分なパワーだ。高速道路での追い越し加速などでも全く不満なく加速し、パワー不足を感じる場面は見当たらない。

乗り心地もよく、滑らかに滑るように走るXC40モメンタムは価格設定も競争力があり、インポートカーのプレミアムCセグメントSUVではかなり強い存在感であることは間違いない。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

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