【ボルボ】ボルボ60シリーズR-Designポールスター試乗記 エボリューションモデルとも言えそうな本物のスポーツモデル レポート:髙橋 明

マニアック評価vol226

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ボルボ60のハイパフォーマンスモデルR-Designポールスター仕様

ボルボ60シリーズ2014年モデルに、ボルボのスポーツモデルであるR-Designがラインアップされた。今回試乗できたのは、そのR-Designをさらにエンジンパフォーマンスをアップしたポールスター仕様のモデルで、FFのV60 T4(ステーションワゴン)、AWDのS60T6(セダン)のそれぞれに乗ってみた。

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ステーションワゴンのV60 T4。駆動方式はFF
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セダンモデル、AWDのS60T6にも試乗した

R-Designの特長はスポーツサスペンションの装備と専用のエクステリア、インテリアデザインを持つモデルで、そのエクステリアデザインでは、専用のフロントバンパー、デュアルスポーツテールパイプ&リヤバンパー、ドアミラーカバー、サイドウインドウ・クロームトリム、特別デザインの18インチから20インチのアルミホイール装着などの装備がある。

インテリアはR-Designのロゴ入り本革シート、本革巻きステアリング、デジタル液晶メーター、アルミパネル、ロゴ入りスカッフプレート、スポーツペダル、フロアマット、ルーフライナーなどを専用装備し、高級感を高めつつスポーツモデルに相応しい装備になっている。

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60シリーズはフォードECU Dプラットフォームを用いているが、ボルボのシャシーチューニングは当初からヨーロッパ向けのダイナミック仕様と、その他の地域向けのツーリング仕様の2種類があり、その違いは前後のダンパーとサブフレームブッシュだ。ヨーロッパ仕様は当然ながら、よりクイック・レスポンスで上級ユーザーを満足させるチューニングになっている。これ以外に連続可変ダンパーを装備する「Four-C」も設定されている。このことからもわかるように、60シリーズはハンドリングに関してマニアックともいえるほどの拘りがあり、その運動性能のレベルは相当に尖っているといえる。

今回その60シリーズのスポーツマインド溢れるR-Designにエンジン出力もアップさせるキット「ポールスター・パフォーマンス・パッケージ」が組み込まれているモデルに試乗したのだ。T4エンジンはV40シリーズにも搭載される1.6L+ターボで180ps/240Nmの出力を持っているが、このポールスター・パフォーマンス・パッケージにより200ps/285Nmまでパワーアップされている。一方3.0L・6気筒エンジンのT6は304ps/440Nmという高出力をさらにアップさせ、329ps/480Nmまで引き上げられている。

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このポールスター・パフォーマンス・パッケージはエンジンECUのソフトウエアチューニングであり、メーカー保障付きのコンピューター・チューニングなのだ。このシステムを開発した「ポールスター・レーシング」はボルボのモータースポーツ公式パートナーであり、ボルボの市販車を使ったツーリングカーレースでの実績を多く積んでいる。

さて、FFのV60T4のステアリングを握り、ワインディングを走ってみる。この2014年モデルからはパドルシフトが装備されたので、6速DCTの性能を遺憾なく発揮できるだろう。もともと軽快なハンドリングとエンジンの軽さが魅力なT4ユニットは、60シリーズという落ち着いた大人な印象のモデルでありながら、走りを意識できるモデルだ。それがさらにR-designモデルとなり、ポールスターのエンジンチューンにより、ハイパフォーマンス化されているので、言うまでもなくその走りには磨きがかかり、攻める走りを楽しむことができた。

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パドルシフト装備で走りがより楽しくなる
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あふれるパワーとトルクに驚いたT6

 

60シリーズが持つボディ剛性の高さによる包まれる安心感や、ダイレクトに伝わるステアリングインフォメーション、静かな室内と心地よい程度に聞こえるエンジンサウンドなど、どれをとってもスポーティでプレミアムな印象があり、ボルボブランドの新たな一面を体験できた。

一方のT6は、さらに驚かされたのだ。それは329ps/480Nmのパフォーマンスであり、一般道のワインディングではとても使いきれないパワーとトルクで、エボリューションモデルとでも言いたくなるほどの走りが体験できた。このT6の標準モデルでの印象はT4の軽快さとは逆にしっとりとしたラグジュアリーさであり、高級感をたっぷりと感じながら走るモデルという印象だった。

それが、このR-Design+ポールスター・パフォーマンス・パッケージにより、エンジン自体にも軽快さが加わる不思議があった。単に出力アップだけでなく、軽快感があり、エンジンサウンドも心地よいという、これまでのT6とは違った印象なのだ。2014年イヤーモデル試乗レポートはコチラ

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アクセルを踏み込めば、背中を蹴飛ばされたとでも形容したくなるほどの強烈な加速をし、アイシン製6速ATもDCTと遜色ない変速速度でシフトアップをする。エンジンは6気筒独特のサウンドを奏で、滑らかに力強く回る。縦置き、横置きというレイアウトの違いはあれどBMWのシルキーシックスを彷彿とさせる。

メーターパネルは単眼。V40から採用されているデザインで、3種類のデザイン設定を好みで選択できる。赤色のパフォーマンス表示を選ぶとセンターに配された大きめの単眼メーターは速度が中央にデジタル表示され、回転計は6500rpmからレッドゾーンを示す。針が踊るように、とは大げさがトルクフルなパワーと赤く表示される液晶のメーターがその気にさせる。

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単眼のメーターパネル
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19インチを履くT6。乗り心地に固さはない

 

235/40-19サイズを履くT6には固い入力は感じられず、しなやかにサスペンションが動く。とても19インチだとは思えない乗り心地で、R-Designマジックとでも言いたくなる。もっとも試乗エリアはアンジュレーションはあるものの、市街地ではないので、細かな振動を引き起こす路面や大きな凸凹もない場所だった。

試乗車はS60 T6はAWDモデルなので、コーナーでは4輪個別にトラクションを掛ける4輪トラックスや全車に装備されるトルクベクタリング(ブレーキ・トルクベクタリング)、さらにスポーツモードを備えるDSTC(ESC)などのアクティブセーフティにより、安心かつ活発に走破することが楽しめるのだ。

試乗を終えての印象は、ボルボS60/V60がこれほど軽快に、活発にワインディングを攻めて走れるのか!という感想と、その根拠となるキメの細かいチューニングによってレベルの高い走りが実現していることを実感した試乗だった。

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■ボルボS60/V60/XC60 R-DESIGN価格表

ボルボ60シリーズ 価格表

■ボルボV60主要諸元

ボルボ公式サイト

COTY
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