マニアック評価vol569
vol.1、vol.2ではS60、V60ポールスターの詳細と試乗レポートをお伝えしたが、この日、同時にV40のD4R-Design チューンドbyポールスターの試乗もできたので、レポートをお届けしよう。<レポート:松本晴比古/Haruhiko Matsumoto>
■V40限定車「D4 R-DESIGN チューンドby ポールスター」試乗
S60/V60ポールスターと同時期の2017年10月に発売された50台限定の「V40 D4 R-DESIGN tuned by Polestar」にも試乗することができた。
この限定車「V40 D4 R-DESIGN チューンドby ポールスター」は、V40シリーズのクリーンディーゼル搭載車「V40 D4 モメンタム」をベースに、スポーティグレードの「R-DESIGN」の内外装に変更し、エンジンを高出力化するECUのポールスター・パフォーマンス・ソフトウェアを採用している。
V40のカタログ展開では、ディーゼルのD4モデルにはスポーツ仕様の「R-DESIGN」は存在しないが、この限定モデルではD4 R-DESIGN仕様にして、さらにポールスターのスポーツパーツを追加したスペシャルモデルなのだ。ちなみにこの限定車は日本でのみ設定されているが、パーツのセットと仕様はボルボ&ポールスターで認定された組み合わせになっている。
装備されるポールスター・スポーツパーツはポールスター・パフォーマンス・エキゾーストセット、ポールスター・パフォーマンス・シャシーセット、ポールスター・パフォーマンス・タイヤ&ホイールセット(ピレリP ZERO:235/35R19)で、もちろんパーツとして購入するよりはお買得の価格設定(499万円)だ。
D4エンジンはECUのプログラム・チューニングにより、通常のD4(190ps/400Nm)が220ps/440Nmへと出力アップされ、エンジン・レスポンスもディーゼルとは思えないほど滑らかに吹け上がる。またエンジン・サウンドもスポーツエキゾーストにより、重低音を強調した音質でスポーティさを演出している。
スポーツシャシーを装備しているので、走りもスポーティさがより強められ、ワインディングもドライバーの意思通りに反応し、気持ち良いドライビングを楽しむことができる。
タイヤ・サイズを見るとV40にとってはオーバーサイズとも思えるが、実際に走ってみると十分に履きこなしており、スポーツモデルとしてのまとまり、バランスはハイレベルだ。欲をいえば、スポーツ・ドライビングを満喫するためにはエンジンのパワー、トルクの大きさに見合った、より強力なブレーキパッドが欲しい気がする。
D4エンジンを搭載したスポーツモデルというコンセプトはユニークで、2.0Lのディーゼルとしてトップレベルの出力を楽しめるスポーツ・ハッチバックはある意味で貴重な存在だ。