【ボルボ】動画 ボルボV40 CROSS COUNTRY T4 Nordic試乗記 オールマイティさが魅力の限定車 レポート:髙橋 明

マニアック評価vol268

v40
V40の限定車、V40CROSS COUNTRY T4 Nordicに試乗した

販売好調のボルボに、新たに魅力的なモデルが限定で販売される。「V40CROSS COUNTRY T4 Nordic」というモデルで、早速試乗してきたので、レポートをしよう。

ボルボV40は2013年に発売が開始されてからちょうど1年たち、販売台数も好調だ。ボルボは前年比129.7%という好調ぶりで、その原動力となるモデルがV40シリーズだ。

v40v40リアスタイル

今回のクロスカントリーT4ノルディックは、先行して発売しているクロスカントリーとはエンジンタイプが異なり、そしてFFモデルというのが大きな違いになる。クロスカントリーT4ノルディックの価格は380万円(税込)で200台の台数限定モデルとなっている。

搭載しているエンジンは1.6Lターボに6速DCT(ゲトラグ)の組み合わせで、サブネームとしてノルディックのネーミングが付いている。それは自然との共生というメッセージを込めての名前ということだ。

搭載エンジン
1.6L+ターボエンジン+ツインクラッチを搭載する

◆ポジショニング
ボルボV40シリーズはボルボブランドのエントリーモデルとしての役割を担い、前述のようにその役目を十分果たしている。ラインアップとしては、V40ベースにスポーティな方向にしたモデルがR-Designで、反面、スマートなたくましさを持ち、オールローダーな性格を持つのがクロスカントリーというポジションになる。

2013年5月に追加となったクロスカントリーはT5というネーミングでAWDであり、2.0L/5気筒横置き+6速AT(アイシン)という組み合わせだ。今回のクロスカントリーT4ノルディックは、FFでもありより都会派のクロスオーバーとして乗るのに最適なラインアップと言えるだろう。

欧州のCセグメントに位置するV40シリーズは、ライバルも多く群雄割拠ともいえる状態で、その中でどこまで魅力的にアピールできるかということになる。したがって、モデルラインアップとして選択肢も豊富にあり、しかも誰が乗っても楽しく、運転しやすいという性能を求められるモデルでもある。また、狙っているポジションとしては大衆量販クラスではなくプレミアムクラスとの勝負である。

◆インプレション
エクステリアは専用のデザインでフロントセクションではグラファイトカラーのコントラストの効いたバンパー、専用ハニカムメッシュグリルやルーフレール、ブラック仕上げのドアミラーカバー、そしてリヤではバンパー下部に「CROSS COUTRY」のロゴの入ったディフューザーを装備している。

インテリアもボルボが開発した専用T-Tecという素材のシートが装備されている。素材感としてウエットスーツやスポーツギヤからインスパイヤされた滑りにくい素材ということだ。またセンタースタックもクロスカントリーT5と同様に専用カッパーアルミ・パネルが使用されている。そして、ナビゲーション・パッケージ、リヤビューカメラ(オプション)、PCC/キーレスドライブなど機能装備も充実している。

v40インテリア

ドライバーズシートに座ってみると、V40よりも視点を少し高く感じ、前方の視野も広く感じる。これはV40と比較して着座位置が+30mmがアップしているからだ。しかし全高は1470mmなので立体駐車場でもクリアする高さになっている。+30mmとはいえ、操舵感などで腰高な感じはまったくない。

これはフロントのホイールスピンドルで+20mm、サブフレームのラバーマウンティング+20㎜のタイプに変更、リヤサスペンションではリンクアーム&トラックロッドの取り付け位置変更でキャビン高を上げているものの、サブフレームの取り付け位置を20mm低い位置に変更している。そのため、サスペンションストロークは十分確保され、ロールセンターの変化は最小化されている。したがって、腰高感がなくV40が持つスポーティさを維持しているということになる。

v40トランク
v40ラゲッジスペース。大きく開くリヤゲートでアクセス性は良好

 

つまり車体ボディだけ持ち上げ、サブフレーム・サスペンションは車体アップ分だけ下げてオリジナル位置にすることでサスペンションのジオメトリーの変化が生じるのを抑えてあるわけで、結果的に見た目は車高が高くなっているが、シャシーはベース車とほとんど変わらないということになる。これらのことから、ラフロード性能を重視した、いわゆるクロスカントリーモデルではなく、スポーツ走行ではベース車に負けないクロスオーバーSUVという性格のモデルだとわかる。

したがって、乗り心地もV40よりはマイルドで個人的には好みのタイプだ。またステアリングの正確さ、俊敏さも高くスポーティ度は高い部類になるだろう。

今回の試乗はワインディングと高速道路というシチュエーションだった。エンジンのパワーは180ps/240Nmで、十分なパワーで足りないと感じるときはなかった。またDCTのトランスミッションもATなみに滑らかで、駐車場での細かなゆっくりした動きでもギクシャクするようなこともない。

燃費はJC08モードで16.2km/LとT5 AWDの12.4km/Lを大きく上回る。そのため自動車取得税80%減税、自動車重量税75%減税、自動車税50%減税となっている。またT5 AWDと比較して車重で140kgも軽量で、そのため約30%の燃費向上、CO2排出量約24%削減という結果にもなっている。

AWDを必要としない、T5のビッグパワーを必要としなというニーズに応えるモデルでありながら、走りはV40のもつスポーティなハンドリングも楽しめるモデルだ。一般的にはクロスカントリーのカテゴライズとしてAWDをベースにオフロード性能を重視したモデルを指し、乗用車からの派生モデルをクロスオーバーやSUVといった分け方をする。このV40クロスカントリーはネーミングこそオフロード嗜好に聞こえるが後者にカテゴライズされるモデルだ。

◆もう一台の特別限定車

もう1台の特別限定車
もう1台の特別限定車、V40 T4 Sports(手前)

この日は、試乗はできなかったがT4の特別仕様車の展示もあった。「V40 T4 Sports」というモデルで、V40をよりスポーティなルックスにしたモデルだ。こちらも限定200台で車両価格は379万円(税込)。

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内外装を特別にアレンジし、スポーツアクティビティをエンジョイするライフスタイルにマッチするエクステリアスタイリングキットが特徴で、リヤタイヤの前後に同色のリフレクターを装備し、赤いストライプが入る。またオーバルデザインのテールパイプとディフューザーを装備している。インテリアでもセンタークラスターのカラーを赤のストライプ入りのホワイトカラーで塗装し、スポーティ度を上げている。装着するホイールも18インのアルミ鍛造で「ユミール」とネーミングされた専用ホイールを履いている。ボディカラーは白と黒の2色。

さらに、ビッグニュースがもう一つある。それはこのV40 T4スポーツおよびT4クロスカントリーノルディックを成約すると、なんと!ポールスター・パフォーマンスパッケージがもれなくプレゼントされるというニュースだ。

ポールスター・パフォーマンスパッケージはボルボ社のモータースポーツを担当する「ポールスターレーシング」が開発したエンジンチューニングキットで、T4エンジンのパフォーマンスをアップさせている。

ノーマルT4エンジンに対し、20ps/45Nmアップし200ps/285Nmというスペックに変身する。通常であれば20万円以上するパッケージオプションだが、これを成約者全員にプレゼントしてもらえる。これはかなりお得なキャンペーンとなるので、興味のある人はディーラーへ急げ。

撮影協力:ブリストルヒル ゴルフクラブ
TEL:0439-80-6180
http://www.bristol-hill.com/

■主要諸元

ボルボ公式サイト

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