【ボルボ 60 / 90シリーズ 試乗記】過渡期の中でジワりと確実に進化している23年モデル

ボルボの60、90シリーズのMY23モデルが発表され、試乗してきた。

MY23モデルでの変更は、ボルボの電動化戦略のロードマップに従い、パワートレインの変更やサスティナブルな製品へと転換していく過渡期でもあり、素材変更なども含んだものだった。

【XC60 Recharge Ultimate T6 AWD Plug-in Hybrid】

まず、グレード名称が先に発表しているC40、XC40と同じように、これまでのR-Design、inscription(インスクリプション)、momentum(モメンタム)がなくなり、インスクリプションがUltimate(アルティメイト)に、モメンタムがPlus(プラス)に変更。そしてエクステリア・デザインでもダーク・エクステリアがR-デザインに相当し、ブライト・エクステリアがインスクリプション、ベースがモメンタム相当に変更されている。

60シリーズでは、まずV60のベーシックモデルとなるFFのパワートレインがMY22モデルの途中で、B5からB4となり、それにあわせて8速ATから7速のDCTへと変更されていたが、エンジンは出力変更だけにとどまらず、ミラーサイクル化されている。またXC60に搭載されていたT8もMY22モデルの途中でモーターとバッテリーが強化されたT6のPHEVへとパワートレインが変更されている。そしてS60/V60に搭載していたB5のFFモデルは廃止するもののXC60にはB5のFFモデルが新規導入されている。

【V60 Ultimate B4】

90シリーズではS90のB6 AWDモデルがT8プラグインハイブリッドのAWDのみになり、エクステリアはダークの一択となった。V90のB6 AWDは廃止し、代わりにB5のFFモデルが追加された。V90クロスカントリーは最終モデルイヤーとなってB5 AWDのみがラインアップに残っている。XC90は大きな変更は無いが、S90やV90と同様に、最上級のT8プラグインハイブリッドはダーク・エクステリアとなっている。

【S90 Recharge Ultimate T8 AWD Plug-in Hybrid】

このほかアルミホイールのデザイン変更やエクステリアでバンパー、グリルデザインの変更などもあり、MY23モデルは、見た目や装備類などが大きく変貌しつつ、かつパワートレインの変更をし、ミッド、ラージサイズも次世代車への移行が始まっている印象だ。

試乗したのはXC60のRecharge Ultimate T6 AWD Plug-in Hybridで、つまり電動化されたインスクリプションレベルの装備を持ち、2.0Lターボの4気筒エンジンとプラグインのハイブリッドをもつAWDモデルになる。

ボディサイズは全長4710mm、全幅1915mm、全高1660mm、ホイールベース2865mmで装着するタイヤサイズは255/40R21インチを履いている。

XC60はプレミアムミッドサイズSUVでBMW X3やアウディQ5、メルセデス・ベンツGLCなどがライバルになるモデルだ。出力は、253ps/350Nmのエンジンに加えてフロントに450VのCISG(クランクマウンテッド・インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)があり、今回この小型モーター(T52型)が高電圧化され出力を52kW/165Nmまでアップしている。そしてリヤ駆動モーター(TZ220型)も65kW/25Nmから470Vで107kW/309Nmへ大幅にアップさせてAWDを駆動している。

そしてPHEVはMY23で搭載バッテリーサイズを大幅にアップさせ、11.6kWhから18.8kWhに引き上げることでEV走行距離を81kmとすることができている。トランスミッションは8速ATを搭載し、WLTCモードで14.3km/Lとなっている。

ドライブモードもピュア(EV走行)、ハイブリッド(オートモード)、パワー、そしてXCにはオフロードモードがあり、横浜の市街地、高速を走行したが、ほとんどの場面でモーター走行し高い静粛性を体感する。また、コーナリングも得意で、AWDの制御や巧みなESC制御によって、高い回頭性を示し、速度域が高ければ高いほど、その安定したコーナリングトレース性が安心感をもたらすのだ。

次の試乗車はV60 Ultimate B4でインスクリプションの装備グレードで2.0Lターボエンジン+マイルドハイブリッドのFFというモデルだ。こちらはエンジンをアトキンソンサイクル化しているが、走りのレスポンスがマイルドだと感じることはなく、力強い。

ボディサイズは4780mm、全幅1850mm、全高1435mmでホイールベースは2870mm。タイヤサイズは235/45R18。

出力は145kW(197ps)/300NmでCISG(3330型)は48Vのマイルドハイブリッドで10kW/40Nmの出力。アイドルストップからのなめらかな再始動をサポートしている。このパワートレインに8ATから7速DCTへと変更したトランスミッションに変更搭載した。

この7速DCTをボルボ自社製としているが、横置きの7速DCTを考えるとゲトラグからの協力はあると想像する。燃費はWLTCモードで15.4km/Lで、環境を意識しながらもダイレクトなシフトフィールとレスポンスの良いエンジンが走りを楽しく演出する。

次いで試乗したモデルはS90 Recharge Ultimate T8 AWD Plug-in Hybrid。ボルボのフラッグシップセダンだ。T8のエンジンは従来スーパーチャージャーとターボチャージャーのツイン過給器を持っていたが、フロントに搭載するCISG(T52型)が高出力化されたため、SCは廃止されターボのみのエンジンになっている。

ボディサイズは4970mm、全幅1880mm、全高1445mm、ホイールベースは2940mmで、245/40R20インチサイズのタイヤを装着している。

そしてXC60と同様にバッテリー容量が大幅にアップしたため、EV走行距離が81km(EV等価レンジ)、WLTCモード燃費は14.5km/Lというスペックになっている。エンジンの出力は233kW(317ps)/400NmでフロントのICSG(T52型)は450Vの高電圧で52kW/165Nm、リヤの駆動モーター(TZ220型)は107kW/309Nmというスペックに8速ATを組み合わせている。

これらの60、90シリーズはSPAスケーラブル・プラットフォーム・アーキテクチャーで、バッテリーを床下中央に配置し、低重心化によるドライバリビティの向上がある。またバッテリー容量の増大はバッテリー本体の大きさを変更することなく、総電力量を増やすことに成功している。したがって、荷室やキャビンに影響を与えることなく、既存サイズから変更なしのユーティリティと快適性をキープしている。

MY23のトピックとしてGoogleの搭載があげられる。以前からGoogleの搭載はお伝えしているが、全車搭載へと移行し、操作性の向上やボルボのCar APPと統合されたことで、より使い勝手の向上があった。

実際の使用ではログインしなくても問題なく使用できるものの、Googleのマイアカウントでログインすれば、より利便性が高くなることは間違いない。とくにGoogle Playが車内エンターテイメントに利用できるなど、動くスマホとしてのレベルアップが楽しくなっている。

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