2015年2月20日、ボルボから、同社に加えスウェーデン運輸管理局、ノルウェー道路庁が共同で、凍結路面など道路状況の情報を、車車間(V2V)で共有するプロジェクトに取り組んでいることが発表された。
クラウドネットワークを活用した車車間の情報共有は、交通安全の向上を図る革新的なITS手法で、ボルボはテスト車の台数を50台から1000台に増やすことで、このテクノロジーを活用したプロジェクトの数年以内の早急な実用化を目指すという。プロジェクトはボルボ、スウェーデン運輸管理局、ノルウェー道路庁以外に、ルレア工科大学、スウェーデン国立道路交通研究所、イエテボリ・タクシー協会、イエテボリ大学などが協力している。
ボルボのITS担当プロジェクトリーダーのエリク・イスラエルソン氏は、「運転中に共有できる情報が多ければドライバーは安心して運転できます。運転中のドライバーが一番避けたいケースはひやっとする瞬間です。この点を重視して開発したのが滑りやすい路面の警告システムです。これにより凍結した路面をドライバーに知らせることができ、また効率的な冬季の道路の管理・維持にも効力を発揮します。システムとしてはハザードランプを点灯した車両が接近する場所にいることをドライバーに知らせるハザードランプ警告システムも追加する予定です。このふたつのシステムが、新たに開発される安全システムのための開発プラットフォームの中心となりますが、これはまだ序章に過ぎません」と語っている。
この車両同士の通信システムは基礎開発を終了し、実用化に向けて試験、実証に入る段階だという。ボルボは、テスト車両を1000台にまで拡大し、イエテボリ、オスロなどスカンジナビアの2大都市を含む地域で実証試験を行なう予定だ。実験の規模を拡大することで、実際の冬の交通状況の中で正常にシステムが機能するかなど、より確実な検証が可能となる。
滑りやすい路面の場所を警告するシステムは、同時に道路管理者にも通報され、この通信データにより道路管理者や委託業者は素早く対応できるようになる。この凍結路面警告、ハザードランプ警告システムはボルボのクラウドを使用し、モバイルネットワークを活用することでドライバーに安心、安全をもたらすのだ。