【ボルボ・】世界初の「自転車検知機能付フルオートブレーキ・システム」を発表

自転車に乗った人を検知し、衝突の危険が迫ると警報し、衝突を回避するための自動ブレーキが作動する

2013年3月5日、ボルボはジュネーブ・モーターショーで世界初の「自転車検知機能付フルオートブレーキ・システム」を発表した。プレス発表では、ボルボのマーケティング・セールス&カスタマーサービス担当、上級副社長のダグ・スペック氏が自転車に乗ってステージに登場。前を走っている自転車が突然クルマの前に飛び出してくる状況を検知して自動的にブレーキをかける画期的な安全システムを紹介した。

新機能の「自転車検知機能付フルオートブレーキ・システム」は、現在の歩行者検知オートブレーキ技術の改良版であり、今後は歩行者・自転車検知機能付追突回避・軽減フルオートブレーキ・システムと呼ばれる。そしてこれまでの歩行者検知機能を備えたすべてのモデルに、自転車検知機能が組み込まれる予定だという。ちなみに通常のレーダー式や低解像度カメラでは人間や自転車を判別することはできない。また高解像カメラでも人間や自転車を識別するためには高度で高速な画像解析技術が必要になる。

高解像度カメラとミリ波レーダーにより走行する自転車を検出する

ダグ・スペック氏は、「当社は自動車の安全分野におけるリーディングカンパニーとして、2006年の第1世代ブレーキ支援システムから始まり、2010 年の歩行者検知機能付追突回避・軽減フルオートブレーキ・システムを業界でいち早く導入し、先頭を走ってきました」と述べている。事故のデータによると、ヨーロッパにおいて交通事故で亡くなったサイクリストの約半数はクルマとの衝突によるものであり、この数値は、ボルボの新しい歩行者・自転車検知技術で減らすことができるとしている。

この技術は高速画像処理機能を含む新しい高度なソフトウェアにより、現在の歩行者検知オートブレーキ技術を拡張して、サイクリストの一定の状況にも対応可能となった。

「歩行者との衝突を避けるための当社のソリューションは、業界において独特のものです。当社は、対応可能な物体や状況を増やすことにより、自動車の安全分野におけるリーディングカンパニーとしての立場を確固たるものにしています。さらに、当社は、衝突しないクルマを設計するという長期的なビジョンに向けての取り組みを続けています」とダグ・スペック氏は語っている。

自社の前方を走行する自転車をモニターし、危険が迫ると警報と自動ブレーキが作動

歩行者・自転車検知機能付追突回避・軽減フルオートブレーキ・システムで対応可能な事故は、同じレーンで前を走っている自転車が突然、クルマの前に飛び出してくるケースだ。

このシステムでは高度なセンサーシステムが前方をスキャンし、クルマと同じ方向に走っている自転車が突然、背後から迫るクルマの前に飛び出し、衝突が避けられない場合は警告と同時にフルブレーキがかかる。対人事故はクルマの速度が非常に大きく影響し、衝突の速度が遅ければ重傷になるリスクも大幅に減少することはいうまでもない。

カメラとレーダーの組み合わせた歩行者・自転車検知機能付追突回避・軽減フルオートブレーキ・システムは、クルマのフロントグリルに組み込まれたミリ波レーダー、バックミラーの前側に装着された高解像度カメラ、コントロールユニットの3つで構成される。デュアルモード・レーダーの役割は、クルマの前方の物体を検知してその距離を測定し、カメラは物体の種類を判別する。

デュアルモード・レーダーの広いスキャンエリアにより、歩行者と自転車を早期に検知することができ、高解像度カメラは、歩行者と自転車の動作パターンを見極めることができる。コントロールユニットは、交通の状況を常に監視・判断する役割を持つ。オートブレーキ・システムが作動するには、レーダーとカメラの両方が物体を確認する必要があり、高度なセンサー技術により、必要に応じて即時にフルブレーキを掛けることができるようになっている。また、この技術は、同じレーンを走っている車両にも対応することが可能だ。

ボルボは2014年モデルのボルボV40、S60、V60、XC60、V70、XC70、S80からこのシステムを搭載予定としている。

ボルボ・ジャパン公式サイト

COTY
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