ポルシェ・ジャパンは209年2月12日、新型「911カレラSカブリオレ」、「911カレラ4Sカブリオレ」の予約受注を開始したと発表した。なおデリバリーの時期は未定。新型「911カレラSカブリオレ」、「911カレラ4Sカブリオレ」はロサンゼルスモーターショーでデビューした新型911(タイプ992)のカブリオレモデルだ。
新型911クーペをベースにした新型カブリオレは、かつてないほど速いスピードでトップを開閉する新しい油圧装置を備えている。そしてこの完全自動開閉式のソフトトップにはガラス製リヤウインドウが採用されている。ソフトトップの構造部分には、ルーフボウとして知られているマグネシウム製の骨格が採用されており、高速走行時におけるルーフのバルーニング現象を防止することができる。
ソフトトップは50km/h以下の速度であれば走行中でも開閉が可能で、新しい油圧装置を採用したことでルーフを開く際の所要時間が約12秒に短縮されたほか、電動式のウインドディフレクターが乗員を風から保護する。
新型911カブリオレは、最初に後輪駆動の911カレラSカブリオレと4WDの911カレラ4Sカブリオレからリリースされる。両モデルともに、2981ccの水平対向6気筒ターボエンジンにより最高出力450ps/6500rpm、最大トルク530Nm/2300-5000rpmを発生する。
燃料噴射システムの改良、ターボチャージャーとインタークーラーシステムのレイアウトの改良により燃焼効率が向上しただけでなく、エミッションの低減も実現している。トランスミッションは新開発の8速デュアルクラッチトランスミッション(ポルシェ・ドッペルクップルング:PDK)を搭載。
911カレラSカブリオレは、0-100km/h加速のタイムが3.9秒(オプションのスポーツクロノパッケージ仕様車:3.7秒)で、最高速度は306km/hに達する。911カレラ4Sカブリオレの最高速度は304km/h、0-100km/h加速のタイムは3.8秒(オプションのスポーツクロノパッケージ仕様車:3.6秒)となっている。
新型911カブリオレは、ボディのねじり剛性を高めている他、エンジンマウントの位置も変更されている。さらに911のカブリオレ・モデルとして初めてポルシェアクティブサスペンションマネジメントシステム(PASM)付きスポーツシャシーが装着可能になっている。このスポーツ・シャシーはサスペンションのスプリング・レートがアップされ、前後のスタビライザーも強化され、車高も10mmダウンされる。
また世界初のウェットモードを装備している。この機能は路上の水を検知した場合、それに応じてESCやABSなどのコントロールシステムを事前に最適化し、ドライバーに警告を表示する。ドライバーはスイッチを押すか、またはステアリングホイールのモードスイッチ(スポーツクロノパッケージ)を使用することで車両を安全重視の設定にすることができるのだ。
さらに標準装備されるカメラを使用した警告システムとブレーキアシストシステムは、車両、歩行者、サイクリストとの衝突の危険性を検出すると、必要に応じて警告または緊急ブレーキを作動させる。このほか、サラウンドビューを含むパークアシストシステムも装備するなど、充実した運転支援システムを備えている。911のオプションとしては、赤外線カメラ付ナイトアシスト、自動車間距離キープ、スタート/ストップ機能、アダプティブクルーズコントロールもオプションで設定されている。