ポルシェ「911 GT3 RS」ベースのレーシングカーを開発

ポルシェは2018年5月17日、2019年に世界中で開催されるGT3シリーズに向けて、公道仕様のスポーツカー「911 GT3 RS」をベースとしたカスタマーレーシングカー、911 GT3 Rのニューモデルを開発したと発表した。

ポルシェ 911GT3R

2月にワールドプレミアされ、3月から日本国内でも予約受注が開始された911 GT3 RSは、自然吸気ながら最高出力383kW(520PS)を発生する4Lのフラット6エンジンを搭載。公道仕様とはいえ、駆動系もシャシーもモータースポーツ向けに設計された、911シリーズきってのハイパフォーマンス版だ。

「911 GT3 R」は、そのGT3 RSをベースに作られたもの。
したがってエンジンは、200barのダイレクトフューエルインジェクションや、吸排気可変バルブタイミング機構などの採用も含め、基本的には同じものを搭載する。しかし公道での使用という枷を取り払ったことにより、FIAのBoP(性能調整)無しの状態では、じつに404kW(550PS)以上という高出力を発生する。

ポルシェ 911GT3R リヤスタイル

リアに搭載されるエンジンのパワーは、911 GT3 RSの7速PDKではなく、電子制御シフトアクチュエーターを備えたポルシェ6速コンスタントメッシュ・シーケンシャルトランスミッションを介してリアホイールに伝えられる。ただしロードゴーイングのGTモデルと同様に、ステアリングホイールの使いやすい位置に配置されたパドルシフトによってシフトチェンジが可能で、電子油圧制御されるEクラッチは、クラッチペダルの必要無しに迅速なレーシングスタートをアシストする。

ポルシェ 911GT3R フロントスタイル

エアロダイナミクスについても、基本的には911 GT3 RSのフォルムを引き継いではいるが、サイズアップしたタイヤをカバーするワイドなフェンダーや、ダウンフォース重視の大型のフロントスポイラー、リアウィングは、モータースポーツ仕様らしいスタイリングを作り上げている。リアウィングのサイズは幅幅1,900mm、奥行き400mmとなっている。

911 GT3 Rでは、安全装備にも開発の焦点が当てられた。ピットストップでの作業性を向上させるために、120リッターのFT3安全燃料タンクはサーキットレイアウトに応じて左右から給油することが可能。ドアとサイドウインドウは取り外し可能で、6ヵ所でボルト留めされた新しいレーシングバケットシートは、衝突時のドライバー保護性能をいっそう改善している。

ポルシェ 911GT3R センターロックホイール

アジャスタブルペダルボックスとの組み合わせも、ドライバーの重心の最適化と、衝突時の安全性を高めるのに貢献している。さらに、ドライバーは、エネルギー吸収プラスチックフォームと、カーボンファイバー・ケブラー・アルミニウム構造の運転席側ドアの側面衝突エレメントによって保護されるようになっている。

ポルシェ 911GT3R コックピット

再設計されたコックピットは、全てのスイッチ類がドライバーの要求に完全にマッチしているだけでなく、GT3 Rとして初めてエアコンディショナーを備えることになった。理想的な室内冷房を行うとともに、シートとドライバーのヘルメットに直接接続することで、ドライバーへの効率的な冷房を可能にし、レース中の集中力と安定したパフォーマンスが維持されるようになっている。

911 GT3 Rは、459,000ユーロと各国の付加価値税を加算した価格で現在注文を受け付けていて、2018年12月以降に納車予定となっている。全ての技術詳細およびデータは、FIAを通じて最終認定が得られるまでは暫定となる。

ポルシェ 911GT3R 諸元表 装備表

ポルシェジャパン 公式サイト
911 GT3 RS(ポルシェジャパン 公式サイト)

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COTY
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