ポルシェ 直4エンジンもラインアップしたラグジュアリーミッドサイズSUV マカンを発売

ポルシェ マカン
新登場のマカンのテーマカラー、サファイアブルーメタリック

2014年11月13日、ポルシェはラグジュアリー・ミッドサイズ(ポルシェではコンパクトサイズと称する)のSUV、マカンを日本で正式発表し、11月15日からデビューフェアを行なうことになった。デリバリーも同日から順次開始されるという。

マカンは2013年11月の同時期に開催されたロサンゼルスオートショー、東京モーターショーでワールドプレミアを行ない、2014年1月から日本での正式受注が開始され、4月には新たに北京モーターショーで追加公開された2.0Lエンジン搭載モデルの受注も開始された。実際の展示車両が存在しないにもかかわらず10月末の時点で受注台数は1500台に達しており、ポルシェ・ファンが待望していたことを表している。

ポルシェ初のミッドサイズのクロスオーバーSUVの開発企画は2010年11月に発表され、その時点でのコードネームは「ケイジャン」と呼ばれていた。ケイジャンとはカイエン・ジュニアの意味だとされている。しかし、2012年2月には正式車名の「マカン」(インドネシア語で虎)を公表した。ヨーロッパでの販売は2014年春から開始されている。

ポルシェ マカン
2.0L・4気筒直噴ターボを搭載する、エントリーモデルのマカン

マカンは、パナメーラ、カイエンと同じライプチヒ工場で生産されるが、量産が期待されるマカンのために5億ユーロ(720億円)を投じて17ヘクタールに及ぶ新工場を建設し、従業員は2500人へと倍増され、年間5万台の生産を見込んでいる。

ポルシェ マカンポルシェ マカン

マカンは、フォルクスワーゲン・グループならではのメリットを生かし、プラットフォームの30%はアウディQ5用を共用しており、つまりMLBプラットフォームを使用する一族となっている。また搭載されるV6エンジン、直4エンジンもアウディと共通化されているがチューニング、製造はポルシェのツッフェンハウゼン工場で行なわれている。

ラグジュアリークラスのカイエンはポルシェに大きな収益をもたらしており、新たに投入するミッドサイズのマカンは、ポルシェにとってはより幅広い、若いユーザー層をターゲットとし、販売台数を加速させるグローバル戦略モデルと位置付けられる。その意味でポルシェのエントリー・ファミリー層向け5ドア・ハッチバックとしての存在でもあるのだ。

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ただし、このプレミアム・ミッドサイズSUVには多くの強力な競合車がひしめいているため、マカンはラグジュアリーなSUVスポーツカーという独自性を打ち出し、動力性能や運動性能を高めるとともに、ポルシェとしては戦略的な価格設定としている。

デザインは例によって、ポルシェ917や918スパイダー、911の様々な部分を盛り込み、ルーフラインはクーペのように後方に向かって下がり、これは「ポルシェ・フライライン」と名付けられている。ボディフォルムはワイド&ローで、ミッドサイズにもかかわらずフルサイズカー並みの全幅とトレッド幅が与えられている。ホイールは18インチ~21インチサイズを設定。

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インテリアではメーターパネルは伝統の3連丸型で、右端は丸型フレームの中に4.8インチのカラー液晶がはめ込まれている。インテリア・トリムは、レザー/カーボン、アルミ仕上げ、レザー/木目から好みの仕様を選択可能。シートもゴージャスで、アダプティブ・スポーツシート(マカン・ターボに標準、他グレードはオプション)も装備。ナビは標準装備される。オーディオはBOSEシステムがマカン・ターボに標準装備、他のグレードはオプション。

マカン(95B型)はアウディQ5と同様に縦置きエンジン/縦置きトランスミッションを採用したフルタイム4WDとし、トランスミッションは7速PDK(DCT)を採用。グレードはマカン・ターボ、マカンS、マカンの3種類で、エンジンはそれぞれ3.6L・V6直噴ツインターボ、3.0L・V6直噴ツインターボ、2.0L・直4直噴ターボを搭載する。4WDシステムは前後可変トルク配分の電子制御・油圧多板クラッチ式(PTM)。4WDのためオフロードモード・ボタンを押すとシャシー、エンジン、トランスミッション、ESCなどはすべてラフロード用のセッティングとなる。

ポルシェ マカン
3.6・V6型エンジン。3.0L・V6型も含めポルシェ既存のユニットだが、出力をアップ
ポルシェ マカン
マカン・ターボの400psの3.6L・V6直噴ツインターボ
ポルシェ マカン
ベースモデルのに搭載される2.0L・4気筒直噴ターボ

エンジン出力は3.6L・V6型直噴ツインターボは400ps/550Nm、3.0L・V6型は340ps/460Nm、2.0L・直4は237ps/350Nm。動力性能は、マカン・ターボが0-100km/h加速4.8秒、最高速266km/h、マカンSが0-100km/h加速5.4秒、最高速254km/h、マカンが0-100km/h加速6.9秒、最高速223km/hとなっている。4気筒エンジンを搭載するマカンが1830kg、V6エンジンは1900kg台の車両重量だが、動力性能はまさにスポーツカーといえる。

2種類のV6型エンジンは吸排気可変バルブタイミング+吸気側に可変リフト機構を採用。また浅いオイルパンを採用しインテグレーテッドドライサンプ潤滑システムとしている点はポルシェらしい。またオートスタート/ストップ(アイドルストップ)機能、コースティング機能、スポーツモード・スイッチも備えている。

ポルシェ マカン
マカンのボディ材料

ボディサイズは、全長4680mm(マカン・ターボは4700mm)、全幅1925mm、全高1625mm、ホイールベース2805mm。SUVとはいえ、ワイド&ローのボディフォルムを持っており、トレッドはフロント1655mm、リヤ1651mm。ボディのフォロア周りには高強度のボロン鋼を使用し、その他の骨格にも高張力鋼を多用。ボンネット、リヤゲートはアルミ製としている。空力性能はCd値が0.36。

ポルシェ マカン

ポルシェ マカンポルシェ マカン

パッケージングは5人乗りで、トランク容量は500L/1500L。リヤシートは40:20:40の分割可倒式。フロントシートの間にトランスミッションが占有し、またルーフも低めのクーペルーフとしているため、タイト感のあるキャビンスペースだが、リヤシートの足元スペースは十分に確保されている。

サスペンションは、アウディと同じフロントは上下ともダブルジョイント式の5リンク・ダブルウィッシュボーン、リヤがトラベゾイダル式マルチリンク。仕様としてはマカン、マカンSは金属スプリングで、マカン・ターボ(他グレードはオプション)にはアクティブ可変ダンパーが採用されている。オプション設定で180mm~230mmの可変車高式のエアサスペンションも装着できる。ステアリングは電動式で、オプションで車速感応式も選択できる。ブレーキは搭載エンジンに合わせ、V6用は6ピストン・モノブロック・キャリパー+360mmディスクが、4気筒車は4ピストンキャリパー+小径ディスクの組み合わせ。396mm径のセラミック・カーボンブレーキもオプション設定されている。

ポルシェ マカン
フロント・エアサスペンション。サブフレームはアルミ製。上下アームはダブルジョイントを採用した5リンク・サスペンション。No5リンクはタイロッドだ。
ポルシェ マカン
トラベゾイダル式マルチリンク・リヤサスペンション。ダンパー、スプリングは分離配置。

SUVとしては基本の地上高が198mmで、ランプ角17.1度、アプローチ角24.8度、デパーチャー角23.6度と、本格的なスペックを備えている。また、ブレーキ・トルクベクタリング、ブレーキLSDを備え、オンロード、オフロードでも高い駆動性能を発揮できる。

マカンは他のモデルと同様に多彩なオプションが設定され、さらにポルシェ・エグゼクティブシステムにより、内外装のカラー、素材、装備の組み合わせをオーナーが自由に選択して組み合わせて注文できるようになっている。レーダー、カメラを組み合わせたアダプティブクルーズコントロール、衝突回避自動ブレーキ、レーンチェンジアシストシステム、自動操舵を伴うレーンデパーチャーウォーニングシステム、アダプティブ・ヘッドライトなどドライバー支援システムも、すべてオプション設定されている。

ポルシェ マカン 諸元表

ポルシェ マカン 価格

 

ポルシェ・ジャパン公式サイト

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