2010年ジュネーブショー ポルシェ

フェラーリのみならず、もう一方の旗手、ポルシェもハイブリッド一色だ。
モデルチェンジするカイエンには新たにハイブリッド仕様が追加されている。

カイエン ハイブリッド
カイエン ハイブリッド

カイエンはベースモデルだがアイドルストップ、8速ティプトロS、可変気筒休止、ブレーキ回生を採用し、従来モデルより20%近く燃費を改善しているが、注目すべきはカイエンSハイブリッドだ。
ポルシェ初のハイブリッドとして、パラレル式フルハイブリッドシステムを搭載。エンジンとモーターを切断できるクラッチを装備する。電池はリチウムイオン電池。

3.0L・V6スーパーチャージャー付きエンジンと34 kW(47 PS)を発生するモーターを組み合わせている。走行モードは、エンジンのみ、モーターのみ、両用の3モード。延引は333ps、モーターは、低回転域きエンジンをアシストして、わずか1000 回転で580 Nmの最大トルクを生み出すという。システム総合出力は380ps。またモーターのみでの走行では60km/hで、モーターでの最高速は156km/hまで可能だという。さらに、ニュートラル状態での走行(セーリングモード)も使用できるのだ。

セーリング走行モードは、ドイツ式燃費走法の象徴で、VW/アウディ/ポルシェ・グループで順次採用されるはずだ。

なおカイエンSハイブリッドの発売時期ま未定とされている。
ポルシェは、カイエン以外に、911GT3 Rハイブリッド(フロントアクスル駆動用の電気モーターと発電モーターを搭載したレーシングモデル)、コンセプトカーの918スパイダー・ハイブリッドを出展している。

918フラット ハイブリッド
918フラット ハイブリッド

918スパイダー・ハイブリッドは、同社の方向性を示したものだ。
プロトタイプ 918スパイダーは、レーシングカーの技術と電気モーターとを組み合わせ、走行性能をあらゆる点で高めることを意図しているという。この結果、CO2排出量は70g/km 、走行距離100kmあたりの燃料消費量も3Lといった、超コンパクト車両並みの燃費性能を実現。その一方で、0→100km/hはわずか3.2秒。最高速度も320km/h以上をマークし、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェでは7分30秒を切るラップタイムを記録するという。

ミッドシップされるエンジンは高回転型の3.4L・V型8気筒で、最高回転数は9200回転、500ps以上。前後のアクスルに装備されるモーターは合計218PS(160kW)の出力。

エンジンとモーターのパワーは7速PDKを介して後輪を駆動し、フロントホイール用モーターは固定変速比によってフロントホイールを駆動する。リヤに液冷リチウムイオン電池を配置。しかもこの電池はプラグイン対応する。ステアリングスイッチで、4モードが選択でき、モーターのみで25kmを走行でき、ハイブリッドモードでは走行条件と必要条件に応じてモーターとエンジンの両方を使い分ける。さらに出力重視のスポーツハイブリッドモード、サーキットモードのレースハイブリッドモードを持つ。このモードではモーターは加速ブースターとして機能する。なおハイブリッドのため、カーボン・モノコック、アルミ、マグネシウムの採用による軽量構造とし、車両重量は1490kgていどだという。

つまり918スパイダーはポルシェらしく、ハイブリッドを燃費だけに使用するのではなく極限的なハイパフォーマンスにも使用するというメッセージを伝えているのだ。

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