2016年6月1日、ポルシェ・ジャパンは、2月から受注を開始していた718ボクスター(Type 982)を日本初公開した。新型718ボクスターはまもなく各販売店の店頭に登場し、デリバリーは6月下旬から始まる。
新登場の718シリーズは、1958年~1962年まで生産されたオープン・レーシングカー「718」の車名に由来する。往年の車名を復活させたことは、これまでのケイマン、ボクスターのポジショニングが変更されていることを物語っている。つまり、これまでのような6気筒エンジンではなく4気筒エンジン専用モデルとし、ダウンサイジングをアピールしているのだ。
また今回のType 982(2017年モデル)から、ケイマンとボクスターのポジショニングも変更され、オープン・ボディのボクスターがクーペのケイマンの上位機種になり、価格設定も変更された。したがって、これまでのType 981から982へはビッグマイナーチェンジという位置付けになるが、新しいエンジンの搭載、ポジショニングニングの変更など、大変革を受けたことになる。
■エンジンは4気筒ターボ
搭載される新エンジンは、水平対向4気筒の2.0Lターボと2.5Lターボの2種類で後者はSモデル用。つまりポルシェとしてはダウンサイジングを提案しているわけだ。2.0L仕様は300ps、2.5Lエンジンは可変ジオメトリーターボを採用し350psを発生する。
いずれも吸排気可変バルブタイミング機構+可変リフトを組合わせたバリオカム・プラスを採用。バルブタイミングの可変角は吸気側が50度、排気側が55度としている。またインタークーラーはコンパクトな水冷式をエンジン上部に配置。
ターボ制御は、低負荷域ではウエストゲートバルブを閉じ、スロットルをわずかに開いて点火タイミングを遅角させ、タービン回転を維持する「プレコンディショニング」と、加速中のアクセルOFFでは燃料噴射を停止しながらスロットルは開き続け、過給圧の低下を防ぐことで再加速時のレスポンスを高める「ダイナミックブースト」機能を持っている。当然ながら新エンジンは軽量化も行なわれ、前後荷重配分は45:55を実現しているという。
最高速は標準モデルが275km/h 、Sモデルは285km/h、7速PDKでの0-100km/h加速は、標準モデルが5.1秒(ローンチコントロール:4.7秒)、Sモデルは4.4秒(4.2秒)。
今回から電動パワーステアリングも可変ギヤ比式に変更され、小舵角時には12.0、大舵角時には15.0となる。
718ボクスターの発表会では、サプライズゲストとしてオーストリア・ブンデスリーガのサルツブルグFCの南野拓実選手が登場した。ポルシェ・ジャパンが若手アスリートをサポートする「ドライビング・アスリート」として契約したのだ。