【WEC2015】ポルシェ WEC用2015年型919ハイブリッド

ポールリカールでベールを脱いだ2015ル・マン仕様の919ハイブリッド
ポールリカールでベールを脱いだ2015ル・マン仕様の919ハイブリッド

2015年3月26日、ポールリカールで行なわれた2015年世界耐久選手権の公式プロローグ・イベントで2015年型ポルシェ919ハイブリッドが正式デビューした。そして合同テストでは、トップタイムを連発する実力を見せつけた。

ベールを脱いだ2015年型のLMP1マシン、919ハイブリッドは第2世代に進化しており、2015年仕様を3種類のカラーリングで初公開した。今年のル・マン24時間レースには「Porsche Intelligent Performance」のロゴが描かれたボディにこの赤、黒、白のカラーリングによる3台体制で臨み、その他のレースは昨年通り白のカラーリングとなる。なおル・マン前の第2戦、スパ・フランコルシャンにも3台体制で出場するが、このときは3台とも白のカラーだ。

ポールリカールでベールを脱いだ2015ル・マン仕様の919ハイブリッド

ポールリカールでベールを脱いだ2015ル・マン仕様の919ハイブリッドポールリカールでベールを脱いだ2015ル・マン仕様の919ハイブリッド

#17のカーナンバーと赤のカラーリングは、ル・マン24時間レースで1970年に初優勝を飾った車両(ザルツブルク・ポルシェ917 KH)へのトリビュートだ。今年のドライバーは、ティモ・ベルンハルト(34歳:ドイツ)、ブレンドン・ハートレー(25歳:ニュージーランド)、マーク・ウェバー(38歳:オーストラリア)。

ポールリカールでベールを脱いだ2015ル・マン仕様の919ハイブリッド

#18の黒のポルシェ919ハイブリッドは、ハイブリッドを搭載し2013年9月4日にニュルブルクリンクの北コースで公道仕様車として6分57秒の新記録を樹立したスーパースポーツカー、ポルシェ918スパイダーをイメージしたカラーリングだ。今年はマルク・リーブ(34歳:ドイツ)、ロマン・デュマ(37歳:フランス)とニール・ジャニ(31歳:スイス)がステアリングを握る。

#19の白のボディカラーは、16年のブランクを経て最高峰のレースへの復帰に向けてポルシェが選んだカラーであり、ドイツのレーシングカーの伝統的なカラーでもある。ドライバーはアール・バンバー(24歳:ニュージーランド)、ニコ・ヒュルケンベルグ(27歳:ドイツ)、ニック・タンディ(30歳:イギリス)。

2015年型ポルシェはLMP1クラスにおける4つのエネルギーカテゴリーのトップカテゴリー、つまり昨年の6メガジュールから8メガジュール・クラスへの移行した。エネルギー回生システムの性能を2014年モデル比で約33%向上させることに成功したことになる。

Porsche Team, Porsche 919 Hybrid in den  Le Mans 2015

ポルシェAGの研究開発担当役員であるヴォルフガング・ハッツは、ポールリカールで、「ポルシェのLMP1プログラムは、私達の革新的なドライブコンセプトに取り組むエンジニア達が広範に張り巡らせたネットワークと集中的な協力体制で運営されてきました。これにより、私達はライバルたちとの差別化を実現しており、このカテゴリーでさらに力を付けていきます。この目的を達成するためには、社内に相当なノウハウが必要です。WECのトップカテゴリーであるLMP1への参戦は非常に大きなプレッシャーとなり、市販車の開発陣は短時間できわめて多くを学ぶことができます。また、若いエンジニア達にとっては非常に速いペースで最高のトレーニングを受けることになり、のちにその知識は非常に効率的に市販車に適用することができます。公道での日常走行のためにサーキットから学ぶことは、ポルシェの伝統です」と語っている。

2015年型919ハイブリッドはより効率的、より頑丈で、よりコントロールしやすいハンドリング、より軽量、そしてより高い信頼性を実現しているという。

外見上は2015年型の919ハイブリッドは昨年型によく似ているが、事実上すべてのコンポーネントが改良されている。リヤアクスルを駆動する500ps以上を発生する2.0L・V4型ターボガソリンエンジンと、フロントホイールを駆動する400ps以上を発生するモーターが搭載されている。モーターには、2種類エネルギー回生システムから電力が供給される。

液冷リチウムイオンバッテリーが、フロントアクスルの制動エネルギーから変換された電力と、排気ガスから変換された電力を一時的に貯蔵。見直された駆動システムはよりパワフルでより効率的なものとなっている。なお8メガジュール・クラスのホモロゲーションを受けのはポルシェが初となる。また8メガジュール化にともない、エンジンの燃費はさらに大幅に向上させていることは言うまでもない。

マシンの軽量化と総合的な剛性アップ、さらにサスペンションとエアロダイナミクスの最適化により、ハンドリングが向上している。

2015年型919ハイブリッドは、2014年12月15日にヴァイザッハのテストコースでシェイクダウンテストを行ない、その後は4つのサーキットで合計2万6675 kmにもおよぶ単独テスト走行を実施している。

ポールリカールにおける2日間にわたる合同テストでは、919ハイブリッドはすべてのセッションでトップタイムを叩き出し、全チームの最速タイム1分37秒220をニール・ジャニが記録した。なおポルシェの次に付けたのはアウディ、そしてトヨタの順となった。

ポルシェ関連情報

ポルシェ・ジャパン公式サイト
FIA WEC公式サイト

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