【ポルシェ】後輪操舵システムを装備した新型ポルシェ「911ターボ」、「911ターボS」の予約受注を開始

2013年5月7日、ポルシェ・ジャパンは991型をベースに開発された新型911ターボ、911ターボSを発表し、予約受注を5月14日から開始すると発表した。

ポルシェ911は50年前のフランクフルト国際自動車ショーでデビューを飾ったが、それからちょうど10年後の同ショーで、911ターボのプロトタイプが初めて登場した。それから40周年に当たる2013年5月、テクノロジーとダイナミックパフォーマンスにおいて911シリーズの頂点となる新世代の911ターボ、ターボSがデビューした。

新型911ターボ・シリーズは新しい4WDシステム、後輪操舵システム、アダプティブ・エアロダイナミクス、フルLEDヘッドライト、そして最高出力560ps(911ターボは520ps)の水平対向6気筒ツインターボエンジンを採用している。これら最新のテクノロジーを備えた新世代の911ターボは、サーキットを走るレーシングカーとしても、日常的に使用する場合でも、さらにテクノロジー・プラットフォームとしても突出した存在となっている。

ニュー911ターボは、100mm延長されたホイールベースと20インチの大径ホイールを特徴とする新設計の軽量シャシーを採用していることが特筆される。アクティブ制御のロール抑制システム、ポルシェ・ダイナミックシャシー・コントロールシステム(PDCC)が911ターボモデルに初めて設定され、ダイナミックパフォーマンスをより高めている。911ターボSには、このシステムに加えて、スポーツクロノパッケージとダイナミックエンジンマウント、ポルシェ・セラミックコンポジット・ブレーキ(PCCB)が標準装備される。これらは911ターボにもオプションとして装着することができる。そして、ニュー911ターボSのニュルブルクリンク北コースのラップタイムは、標準の公道走行可能なタイヤを装着した状態で7分30秒以下にまで短縮している。

また、標準装備されているサウンドシンポーザーは、ターボエンジンの吸気音をスピーカーから室内に響かせることで、ドライビングを一段と高揚させるシステムだ。

エンジンはさらに進化しパワーと燃費を両立させている。加えて新しい4WDシステムのポルシェ・トラクションマネージメントシステム(PTM)も採用。排気量3.8Lの水平対向6気筒直噴ターボエンジンは、911ターボが520ps、ターボSは560psの最高出力を発生する。そしてガソリンエンジンでは唯一となる可変タービンジオメトリーを採用した2個のターボチャージャーを装備。またこのエンジンは新世代の熱冷却マネジメントシステムも採用し、徹底的にフリクションを低減している。

新トランスミッションは7速ドッペルクップルング(PDK)を採用し、911ターボとしては初となるオートスタート/ストップ機能は、作動タイミングが早く、完全に停車する前にエンジンをストップさせるようになっている。

PDKにはコースティング(無動力走行)機能も新たに採用され、これらの燃費向上技術技術により燃費を最大16%も低減し、2モデルとも9.7L/100km(NEDC:新ヨーロッパ走行サイクル)を実現している。

4輪駆動システムは電子制御多板クラッチを備えた新開発の4WDシステム(PTM)を装備。パワーを前後アクスルへより素早く配分できるようになっている。このシステムは、これまでよりも多くのトルクをフロントホイールに伝達できるように、クラッチ部に新開発の水冷機能を備えている。

これら新開発のエンジン、トランスミッション、4WDシステムにより、911ターボの加速性能はいちだんと向上。オプションのスポーツクロノパッケージを装着した911ターボは、0-100km/hが3.2秒で、このデータは先代の911ターボSを0.1秒上回る性能だ。ターボSの0-100km/h加速タイムは3.1秒。最高速度は318km/hをマークする。

新世代の911ターボのボディの特徴は、よりワイドになったリヤフェンダーだろう。911カレラ4よりもさらに28mmワイド化。またCピラーからリヤフェンダーの最側端部までほぼ水平な面が延び、その幅は手のひらを広げたほどにもなる。その他の際立つ特徴として、ツートーンカラーの20インチ鍛造ホイールがあげられる。このホイールはセンターロックシステムとしている。

ターボSは4灯式ウエルカムホームライトとカメラによる画像で制御されるヘッドライトコントロール機能を持つ、新フルLEDヘッドライトが標準装備される。この装備は911ターボにもオプションで装着することが可能だ。

911 GT3に続き、ニュー911ターボ、911ターボSに採用されたリヤアクスルステア(後輪操舵システム)は、サーキットでも日常の走行でも運動性能と安定性を大幅に向上させる。このシステムは、リヤのコントロールアームに備わる左右各1個の電子機械式アクチュエーターで作動させるようになっている。リヤホイールの操舵角は、車速に応じて最大2.8度まで変化し、50km/hまでの低速域ではリヤホイールはフロントホイールと逆方向に操舵される。これは、実質的にホイールベースを250mm短縮したのと同じ効果を生み出し、クイックなコーナリングができる。また、低速での取り回しや駐車が楽に行なえるのもメリットだ。

車速が80km/hを超えると、リヤホイールはフロントホイールと同じ方向へ操舵される。この効果はホイールベースを500mmも延長したことに相当し、特に高速走行時の安定性が驚異的に高まる。また、ドライバーがステアリングを操作してからリヤアクスルにサイドフォースが発生するまでの時間が大幅に短縮され、ドライバーの動作に対してより安定した自然なフィーリングでコーナリングが開始される。

また新型911ターボ/ターボSは新開発のアクティブ・エアロダイナミクスシステムを装備している。システムは空気圧で展開する頑丈な3ステージ式可変フロントスポイラー、3段階のポジションに調整可能な可変リヤスポイラーから成る。このためスピードポジション、あるいは動力性能を最大限に高めるパフォーマンスポジションを選択できるなど、911ターボのエアロダイナミクスをドライバーの希望通りに設定することができる。パフォーマンスポジションでは、フロントスポイラーが完全に突き出され、フロントに大きなダウンフォースを生み出す。同様にリヤスポイラーも最高位置まで上昇して迎え角が最大になり、ダウンフォースが増大する。ダイナミックパフォーマンスの効果の例として、ニュルブルクリンク北コースのラップライムは、このシステムにより最大2秒も短縮されるという。

911ターボ/ターボSのインテリアは、911カレラシリーズをベースにしつつ新たにデザインされている。特にSモデルの装備が充実で、ブラック/カレラレッドの組み合わせによる専用インテリア、18way電動調節機能、メモリー機能を備えたスポーツシート・プラスなどが標準装備となっている。またシートのバックレストシェルは、ダブルステッチとカーボンルックのパーツで飾られたレザー仕上げだ。また先代モデルと同じくBOSEサウンドシステムが標準装備されている。

ポルシェ911ターボ・ターボS諸元表

 

ポルシェ・ジャパン公式サイト

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