【ポルシェ】2013年を戦うGTマシン、「911 RSR」を発表

2013年3月29日. ポルシェAGは世界耐久選手権(WEC)とル・マン24時間耐久レースを戦うために新開発したGTレーシングカー「911 RSR」を発表した。

ニュー911 RSRの特徴は、徹底した軽量設計と洗練されたエアロダイナミクスを採用し、その類を見ないスタイリングには、特別な記念すべき年を祝うための2つの数字が記入されている。

車両を上から見ると、ポルシェ911の生誕50周年を表す「50」と「911」の数字が目に留まる。911 RSRは、ワークスチームであるポルシェAG、チーム・マンタイ専用マシンで、2013年シーズンの世界耐久選手権(WEC)とル・マン24時間耐久レースのLM-GTE Proクラスに参戦する。

新型911 RSRは、911の第7世代(991型)をベースに開発されており、先代モデルの911 GT3 RSRのサクセスストーリーを受け継ぐ役割を持っている。市販モデルと同じく、旧型よりホイールベースが約100mm延長され、フロントサスペンションは従来のマクファーソンストラット式から、新たにウィッシュボーン式に変更されている。ポルシェ モータースポーツ部門が開発したもうひとつの特徴が極めて軽量なレース専用トランスミッションで、6速ギヤの変速には、ステアリングホイールに備えられたパドルを使用することだ。また、最高出力460psを発生する4.0Lの水平対向6気筒エンジンは、先代モデルのエンジンをベースにしながら細部にわたり改良されている。

ニュー911 RSRの開発において重要視されたのが、前後重量配分をより均等なものにすることだったという。重心位置も、先代モデルと比べて大幅に下げられている。

新型911 RSRではカーボンファイバーが多用されている。前後のフェンダー、フロントフード、リヤのエンジンフード、ドア、アンダーボディ、ホイールアーチ、リヤスポイラー、ダッシュボード、センターコンソールは非常に軽量で頑丈なこのカーボン材で作られている。さらに、全てのウインドウは極めて薄くて軽い、ポリカーボネート製だ。市販車の各GTモデルに採用されたリチウムイオンバッテリーも軽量化に貢献している。

外観で特に目を引くのが、よりワイドになったフェンダーと深くえぐられた冷却用フロントエアインテークだろう。エアダクトが一新されたラジエターは、フロントの中央に置かれ、先代モデルよりも冷却効率を高めている。同時に、コックピットの空調もより効率的に改良されている。また、レース用としてボディパーツのクイックチェンジ・コンセプトも徹底され、耐久レースのために特別に配慮されており、整備性の向上、修理に要する時間の短縮を図っている。フロントエンド、フロントフード、およびリヤパネルはクイックリリースシステムによって装着されているため、数秒以内に交換することが可能だ。

ゼッケン92のポルシェ911 RSRのステアリングを握るのは、ポルシェのワークスドライバーであるマルク・リーブ(ドイツ)/リヒャルト・リーツ(オーストリア)組。彼らは、2012年の世界耐久選手権(WEC)でもコンビを組んでいる。シーズン最初の2戦となるシルバーストーン(4月14日)とスパ(5月4日)、さらにル・マン24時間(6月22日)においては、同じくワークスドライバーのロマン・デュマ(フランス)が加わる予定だ。もう1台のゼッケン91の911 RSRを駆るのは、同じくワークスのイェルク・ベルクマイスター(ドイツ)/パトリック・ピレ(フランス)。シルバーストーン、スパ、およびル・マンでは、ティモ・ベルンハルト(ドイツ)が加わり91号車と同様に3名のワークスドライバーでチームを組むという。

ポルシェAG公式サイト

COTY
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