【ポルシェ・パリショー】プラグイン・パラレル・ハイブリッドを採用したコンセプトカー、パナメーラ・スポーツツーリスモ

パリショーで公開されたプリグイン・ハイブリッドシステムを採用したパナメーラ・スポーツツーリスモ・コンセプトとM・ミュラー社長

2012年9月27日、ポルシェはパリ・モーターショーで、パラレル・ハイブリッド・システムを採用したコンセプトカー「パナメーラ・スポーツツーリスモ」を初公開した。このスポーツツーリスモは、これからのデザインスタディであると同時に、次世代ハイブリッド・ドライブと進化したスポーティ・コンセプトを融合させたポルシェらしいパフォーマンスと、日常での実用性を兼ね備えたクルマという点が画期的だ。

パナメーラ・スポーツツーリスモは、ポルシェとしての未来の可能性を示し、プレゼンテーションしている。短いオーバーハングと大型のリヤゲートを備え、スポーティさと機能性を両立。ボディサイズは全長4950mm×全幅1990mm×全高1401mmで、エグゼクティブカー・クラスのボディサイズと上質な快適性を備えている。

パッケージングの狙いは、多用途に使用できるワゴン、いわゆるシューティングブレークだ。フロントエンドの大型エアインテークや4灯式LEDヘッドライトなどはまったく新しいデザインを採用。

ドアミラーは存在せず、その代わりに、サイドエアアウトレットに搭載されている2台のカメラが、コックピットのディスプレイに画像を表示するようになっている。リヤビューでは、ポルシェの特徴を残しながらも完全に新しいデザインになっている。LEDリヤライトとテールライトパネルには立体的な「Porsche」エンブレムが配され、ルーフエンドを形成するカーボン製アダプティブ・リヤスポイラーには、ダウンフォースを改善する機能が与えられている。

リキッドメタルブルーの新しいボディカラーは液体金属のような輝きを放ち、流麗なボディラインを強調。デュアルスポーク・デザインのホイールはツートンカラーで、ブレーキキャリパーはアシッドグリーンに塗装されている。サイドの「e-hybrid」エンブレムはこのクルマのドライブコンセプトを示し、エレクトロ・クロマティックガラス製トランクフロアの下には圧延アルミのバッテリーハウジングが搭載されている。スイッチを押せばエネルギーソースの周囲がアシッドグリーンに点灯する仕掛けになっている。

パナメーラ・スポーツツーリスモのドライブテクノロジーは、外部電源による充電ができるプラグインハイブリッドの次の開発ステップを採用している。このコンセプトカーの総出力は416ps(306kW)で、電気モーターのみで最高速約130km/h、航続距離30km以上の性能を持つ。さらにこのスポーツツーリスモは、燃費(新欧州走行サイクル基準)は100kmあたりの燃料3.5Lを下回り、CO2排出量も82g/km未満という。

ドライブシステムは、ポルシェがすでにパナメーラSハイブリッドとカイエンSハイブリッドに採用しているパラレル方式ハイブリッドシステムをさらに進化させたものだ。

新型の電気モーターは、現在のポルシェ・ハイブリッドドライブの約2倍に当る約70kW(95PS)を発生し、さらにスーパーチャージャー付3.0LのV型6気筒エンジンは、245kW(333PS)で、0-100km/h加速は 6秒以内というスペックだ。

スポーツツーリスモe-hybridの電気パワーパックには、パナメーラとカイエンのハイブリッド車に搭載されているニッケル水素バッテリーと同サイズでありながら、数倍のパフォーマンスを持つリチウムイオン・バッテリーが搭載される。9.4kWhの容量を持ち、このバッテリーのみで鋭い加速や、長い航続距離と130km/hという高速走行を可能としている。

e-hybridによるデフォルト作動モードは、モーターのみによる走行を優先するが、ドライバーがステアリングホイールの専用ボタンを押して、それを解除することもできる。さらに、ハイブリッドモードで作動している時にステアリングホイールのボタンでe-chargeモードを選択し、バッテリーを充電することもできる。

これは特に高速道路を走行した後に、市街地を走行する場合、モーターモードになるのでCO2を排出させないで済む。また、e-chargeモードにすると、エンジンによりバッテリーを充電し、同時に合理的なエネルギーマネージメントが行われる。

液冷リチウムイオン・バッテリーは、走行中に充電されるだけでなく、プラグインハイブリッドとして外部電源から2.5時間以内(電源により変動)に充電することができる。このコンセプトカーのプラグインシステムは、標準的な家庭用電源(AC)をはじめ各種電源に対応している。

スポーツツーリスモのインテリアは、純粋なスポーツカーの未来をテーマにデザインされ、可能な限りコンパクトにまとめられている。従来のメーターの代わりに大型のTFTセンターカラーディスプレイが運転席前方に取り付けられ、タコメーターをはじめ、走行データやナビゲーションまで、車両情報を必要に応じて呼び出したり表示させたりすることができる。

このディスプレイの左右にはモニターがあり、ドアミラー用カメラからの画像を表示。2個の補助ディスプレイには、モーターのみの走行やその他機能など、ハイブリッド専用の走行状況についての情報が表示される。メータパネルのパワーメーターはアシッドグリーンに点灯し、2つの駆動ユニットの総合システムパワーを表示する。

また、カラーディスプレイのスイッチにタッチすると、e-hybridがスタート。始動用スイッチがステアリングの左側にあるのはポルシェの特徴のひとつだが、せり上がるセンターコンソールに取り付けられたブラックパネルの新型タッチディスプレイにはスイッチ類が内蔵され、e-hybridやその他機能のコントロールセンターとしての役割を果たす。

ドライバーは、このディスプレイからスマートキーを介してハイブリッドドライブを操作し、最大限のドライビングプレジャー、パフォーマンス、そして効率性を選択することができる。さらに、エアコン、シート調節、照明、リバースカメラ、ポルシェ・コミュニケーション・マネージメントシステム(PCM)の機能など、あらゆるドライビングインジケーターやコントロール機能についても、マルチタッチ機能で直覚的に操作することができるという。

パナメーラ・スポーツツーリスモには、新しいオプションが用意されている。ドライバーは、携帯電話のオンラインサービスを利用してスマートフォンのアプリで主要な車両情報へのアクセスや操作ができる。携帯電話による充電コントロールで充電量や充電に必要な予想時間、さらに充電タイマーでユーザーが充電時間やエアコン設定などを決めることもできる。

ポルシェ・パナメーラ・スポーツツーリスモ主要諸元

ポルシェ・ジャパン公式サイト

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