韓国のKia(キア)は日本の総合商社「双日」とEVバン「PV5」の日本における販売で協業し「Kia PBVジャパン」を設立し、日本に進出する。KIAは以前に乗用車の販売を試みたが、撤退しているので再挑戦となる。

「Kia PBVジャパン」は双日が輸入代理店として設立した双日の100%子会社という形態であるが、双日は自社のネットワークと損保ジャパンのネットワークを活用しKia「PV5」を2026年頃から販売を開始する計画だ。
「Kia PBVジャパン」は2025年10月29日、「ジャパンモビリティショー 2025」で、Kiaが開発した先進的なEVバン「PV5」を日本で初披露した。「PV5」は乗用MPVタイプと商用カーゴの2タイプをラインアップしている。

「PV5」はEV専用プラットフォームであるヒョンデ・グループのE-GMP.Sをベースとしており、キアのPVシリーズの最新モデルだ。デザインは、2024年1月にキアがPV5を含むコンセプトカーとして先行公開している。そして2025年2月24日にスペインで開催された「キアEVデイ」において、EV2およびEV4とともに初公開した。韓国、ヨーロッパでは2025年前半から、すでに受注が開始されている。

なお、E-GMP.Sプラットフォームはフラットな形状のEV専用プラットフォームであることを活用し、ボディはフレキシブルに多様な形で結合できるのが特長だ。

そのため「PV5」は単なる新型バンではなく、新たなモビリティのカテゴリーと位置づけられ、アッパーボディ・モジュールを組み合わせることができる「フレキシブルボディ・システム」が実現する。
フロント・キャブ部は固定で、それ以外のアッパーボデは最大16種類も展開するという拡張性が特長であり、ファミリー向け、車中泊向け、キャンプやレジャー、物流、モビリティサービス、タクシー、福祉・介護といった多様なニーズに応えられるモデルなのだ。
商用バンの場合はロング、ハイルーフというバリエーションもラインアップされる。
乗用MPYの場合は、3列シートを装備し、そのシート配置は人数や目的に応じて変更できるようになっている。つまり、「2-3(5人乗り)」の基本から、後には「2-2-2(6人乗り)」、「2-3-2(7人乗り)」、室内空間をラゲッジ用とする活用する「2-0-3(5人乗り)」などのシートレイアウトも追加される予定だ。

搭載するバッテリーは、乗用モデルは3元系のリチウムイオン・バッテリーで容量71.2kWh、商用モデルは用途に応じて容量71.2kWhまたは51.5kWhと43.3kWhのLFPバッテリーもラインアップする。

ボディサイズは、乗用モデルの場合で全長4695mm 全幅1895mm、全高1900mm、ホイールベース2995mm。なお商用カーゴのロングは乗用モデルと共通で、ハイルーフでは全高2200mmとなる。車両重量は2600kg。容量71.2kWhのバッテリーで、航続距離は521kmとなっている。パワートレインはフロントに駆動モーターが搭載され、出力は120kW(163ps)、最大トルク250Nmを発生。

もちろん最新の電子プラットフォームが採用されており、ソフトウェアを無線通信により更新するOTA(Over-The-Air)、スマートフォン、NFCカードキーに対応しペダル踏み間違い加速抑制機能、先進運転支援システムも装備されている。その他に外部給電ができるV2L機能、家庭電源に接続できるV2H機能も装備している。
また商用カーゴ、モビリティ用途向けモデルには事業運営を最適化できる「フリートマネージメントシステム(FMS)」も用意されている。

インテリアは、大画面車内ディスプレイ、後部座席のヒートシート、後部座席の独立制御エアコンなども装備している。
PV5の販売台数は2026年には1000台、2027年には2000台という目標が掲げられており、全国8か所にディーラーを展開。アフターサービスについては日本のパートナー企業と協力して、全国約100ヶ所のサービスセンターの構築を目指しいる。また、充電に関しては全国にネットワークを整備する計画も想定されている。
価格
Kia PV5 パッセンジャー:679万円から(税込み)
Kia PV5 カーゴ:589万円から(税込み)













