商用EVトラックの車両販売とサービスを事業とするZO MOTORSは輸送業界に変革をもたらすか

EVトラックを販売するZO MOTORS(ゾウモーターズ)は2025年1月15日、日本市場で2026年12月に向けて車両総重量3.5t~7.5tクラスのEV(電気自動車)トラック6車種を導入すると発表した。

ZO MOTORSは、EV、ハイブリッド商用車の車両企画、販売を行なうファブレス(製造工場なし)メーカーとして2023年に設立されている。日本市場に適合する車両開発や車両販売、アフターサービスを事業として展開し、車両生産は中国の大手商用車メーカー「WEICHAI(ウェイチャイ)」に委託している。

なお、EVトラックは「WEICHAIとZO MOTORSの右ハンドル仕様車を含め共同開発となり、今後はアメリカ、南米、東南アジア、中東地域でも販売する計画だ。

今後普及拡大が見込まれるEVトラックは、排気ガスゼロ、深夜の配送でも騒音を大幅に低減、輸送業者のメンテナンスコストの低減、さらにV2L(外部給電)機能も備えたものだ。

またEV乗用車では航続距離がフォーカスされることが多いが、商用トラックの場合は走行ルートが決まっているため、最長航続距離は問題にはならない。なお急速充電はCHAdeMOに対応しているが、輸送業者にとっては非稼働時の普通充電が基本となる。

日本市場参入にあたりアフターサービスの充実に向け、日本市場で信頼性を確保するために日本自動車車体補修協会や日本ロードサービスとの業務提携も行なっていく。

ZOO MOTORSのサービス体制は、東京本社、大阪営業所、埼玉PDI/パーツセンター、提携広域整備ネットワークを構築している。

日本市場では中距離・近距離の輸送にフォーカスしてEVを投入。花田晋作CEOは「EVはパワートレインやバッテリコストが安価になりつつあり、今後は成長が期待できる状況だ。日本の市場を考えるとEVトラックはまだ3%弱ぐらいの規模だが、これからが期待できる」と語っている。

同社が最初に導入する車両総重量6トン(積載重量2.9t)クラスの小型EVトラック「ZM6」は、容量81.14kWhのCATL製LFPリチウムイオン・バッテリーを搭載し、航続距離は180km(WLTPモード)を実現する。また、デュアルエアバッグ装備、前方衝突予測警報、車線逸脱警報、車両接近通報など安全運転支援システムも充実させている。

コストパフォーマンスの良さも同社の強みで、「ZM6」は1390万円。2025年12月に投入を予定している車両総重量5トン(積載重量2.0t)の小型トラック「ZM5」は約1000万円程度の価格帯とし、ディーゼルエンジン搭載車に対して十分な競争力を備えている。

また今後の車両投入では、2026年6月には車両総重量7.5トン(積載重量4.5t)の中型トラック「ZM8」、2026年12月には普通免許ドライバーに対応する車両総重量3.5トン(積載重量1.2~1.7t)クラスの小型トラックという2車種の投入が計画されている。

現在のトラック市場は、2023年度のトラック新車販売台数10万6300台(車両総重量3.5t~8tクラス)、中型クラスの2万6575台の市場が存在している。

ZO MOTORSとしては2025年に目標台数300台、2026年に目標台数800台、2027年に目標台数2100台を目指している。2025年目標で市場シェアの1.5%、2026年の目標で市場シェア3%程度となる目標としている。

ZO MOTORS 公式サイト

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