ステランティスと鴻海(Faxconn)合弁サプライヤーがコネクト技術を開発

プジョー、シトロエン、DSなど5ブランドを擁するグループPSAと、13ブランドを展開するFCAの統合会社「ステランティス」、そしてiPhone、アップルPCの製造、日本のシャープなどを擁する台湾の世界最大の電子機器製造メーカー「鴻海(ホンハイ):Foxconn(フォックスコン)」は2021年5月18日、指導者用のデジタルコクピットなどを製造する新合弁会社「モバイルドライブ(Mobile Drive)」を設立する覚書に調印したと発表しました。

「モバイルドライブ」は、先進的なヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)、革新的なデジタル化されたコックピットや車内システムを開発するための50:50の合弁会社です。

「モバイルドライブ」は、ステランティスのグローバルな車両設計やエンジニアリングの専門知識と、フォックスコンの日々進化するスマートフォンや家電製品のソフトウェアやハードウェアの領域におけるグローバルな開発力を融合し、車内外でシームレスに通信接続された車内情報システム、エンターテイメント機能など、開発において世界の最先端を追求する企業とされています。

ステランティスのカルロス・タバレスCEOは、「今日、美しいデザインや革新的な技術と同様に重要なことがあります。それは、車載機能がいかにお客さまの生活を向上させるかということです。ソフトウェアは、わたしたちの業界にとっての戦略的な動きであり、電動化技術がそうであったように、ステランティスは革新を促すコネクティビティとサービスの迅速な開発を可能にする会社であるモバイルドライブで自動車業界をリードするつもりです」と語っています。

ステランティスは、すでに電動化技術の投入によりグループPSA、FCAのCO2排出量を大幅に低減し、ヨーロッパにおけるCO2排出量規制をクリア。そしてこの「モバイルドライブ」が開発するデジタル製品、コネクティビティ製品により自動車業界の先頭に立つことを目指しているわけです。

フォックスコンの劉揚偉CEOは、「未来のクルマはますますソフトウェアドリブンであり、ソフトウェアで定義されるようになるでしょう。現在、そして将来のお客さまは、ドライバーや乗客とクルマの内外をつなぐ、ソフトウェアによる創造的なソリューションを求め、期待しているのです。デザイナー、ソフトウェアおよびハードウェアエンジニアのチームとともに、これらの期待に応え、それを上回るものを提供いたします。これは、世界の人々のクオリティ・オブ・ライフを向上させるためのスマートテクノロジーの開発と応用におけるフォックスコンにとって当然ともいえるグローバルなリーダーシップの延長にあるのです」と語っています。

ステランティスと同様に「モバイルドライブ」社はオランダを拠点とし、自動車メーカーのサプライヤーとして、ステランティスをはじめとする他の自動車メーカーにソフトウェア・ソリューションと関連ハードウェアを供給する、競争力を持つサプライヤーとなります。

「モバイルドライブ」は、インフォテインメント、テレマティクス、クラウドサービスのプラットフォーム開発に注力し、人工知能ベースのアプリケーション、5G通信、OTA(Over The Air)によるサービス、eコマース、スマートコックピットの統合環境などのソフトウェア・イノベーションに取り組むことになります。

4月に開催された上海モーターショーで、「ファーウェイ」がクルマに関するメガサプライヤーとして名乗りを上げ、さらにスマートフォン&家電大手メーカーの小米(シャオミ)がEV開発を発表するなど、IoT&電子製品・技術会社の新たな動向が世界の自動車産業に大きなインパクトを与えています。

今回の世界最大の電子機器製造会社の「鴻海(Foxconn)」がついに動き、ステランティスと手を携えて、クルマのデジタル化、ソフトウェア技術のメガサプライヤーとして動き出したことは、画期的なことです。

【参考記事】ファーウェイの衝撃

鴻海 公式サイト

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