【ヒュンダイ・KIA】新開発コンパクトカー投入。欧州市場でプレゼンスを強める

*ヒュンダイ

ヒュンダイは、ジュネーブショーに新開発のCセグメントモデルi30とBセグメントのi20を送り込んだ。この2台はヨーロッパ市場でも急成長を続けているヒュンダイの尖兵となる役割が与えられているのだ。

i30の現行モデルは、3年間で40万台を販売するなどベストセラーの1台となったが、今回登場した新型i30・5ドア・ハッチバックはさらに販売の拡大を目指し、ヒュンダイ・ヨーロッパ開発センターで開発した、Cセグメントのど真ん中を狙ったクルマである。なお生産は、ヒュンダイ・チェコ工場で行われる。

旧型より全長が30mm長い4485mmとなり、ラゲッジスペースを拡大し容量は528L。リヤシートをフォールドダウンすると1642Lとなり、クラス・トップレベルになっている。なお全幅は1780mm、全高は1500mm、ホイールベースは2650mmで、車両重量は1213kg?1348kgとなっている。

デザインでは、フロントマスクがヒュンダイ・ヘキサゴングリルと宝石のような輝度の高いヘッドライトを組み合わせ、全体のフォルムはダイナミックさとソリッド感が巧みに取り入れたデザインで完成度が高い。

インテリアの装備も充実している。スマートキー、10ウェイ電動シート、クルーズコントロール、電動パーキングブレーキ、左右独立エアコンなどを装備。メーターパネルは高精度TFTディスプレイを採用している。オプション設定される7インチナのナビは10カ国語に対応するものだ。

エンジンは、6種類をライアンアップ。ディーゼル・エンジンはU?型シリーズの可変ノズルターボで、1.4L(90ps/220Nm)、1.6Lが2種類あり、110ps/240Nmと128ps/260Nmである。ガソリン・エンジンはガンマGDI型の直噴シリーズで1.4L(100ps/137Nm)、1.6Lが120ps/156Nmと135ps/164Nmの2種類だ。いずれもスタート&ストップ、充電制御を装備している。

トランスミッションは、1.4Lが6速MT、1.6Lは6速MTか6速ATを選択できる。電動パワーステアリングはオプションで3モード可変タイプを選択でき、モードにより操舵力が変更される。サスペンションはフロントがストラット式、リヤがマルチリンク式となっている。

Bセグメントの新型、i20もジュネーブでワールドプレミアを行った。i20は新開発の1.1L・3気筒のU?型ディーゼルを搭載し、CO2排出量で84g/kmを達成している。この3気筒以外に1.4Lディーゼルも設定。一方、ガソリン・エンジンは、1.2L(85ps)、1.4L (100ps)をラインアップしている。なおi20のデザインやU?型シリーズのディーゼル・エンジンの開発も、ヒュンダイ・ヨーロッパ開発センターが担当している。

トランスミッションは新開発の5速MT、6速MT、オプションとして4速ATが選択できる。i20のボディサイズは、全長3995mm、全幅1710mm、全高1490mm、ホイールベース2525mmだ。

ヒュンダイは、ヨーロッパで5年間保証、5年間ロードサービス提供、5年間無料点検という5年間トリプルケア・サービスを提供して好評を得ており、i30、i20の投入により競争力を高めて、さらにシェアを拡大する勢いを見せている。

ヒュンダイは、市販モデル以外に、コンセプトカーとして「i-oniq(イオニック)」を出展した。イオニックは発電用のガソリンエンジンを搭載したレンジエクステンダーEVスポーティクーペである。

デザインはダイナミック感やアスリートの筋肉質なイメージを強調した、いかにもスポーティなエクステリアだ。エンジンは61psを発生する1.0L・3気筒ガソリンを搭載。発電モーターは55kW、駆動モーターは80kWの出力だ。航続距離は電池のみで120km、エンジンを使用することで700kmに伸びる。CO2排出量は45g/100kmと発表している。ボディサイズは、全長4432mm、全幅1916mm、全高1400mm、ホイールベース2650mmとなっている。

*キア

キアは、ジュネーブで、新型のシード、コンセプト・トラックスターなどのワールドプレミアを行った。キアはヒュンダイ・グループだが、ブランドの特徴としてはよりアクティブで若々しいイメージを強調しているため、出展されたモデルにもそのブランド・テイストがダイレクトに表現されている。
2代目となる新型シードは、ヨーロッパでベストセラーとなり、一気にブランドを作り上げた初代を受け継ぐモデルだ。シードのプラットフォームはヒュンダイi3と共通だ。

デザインはヒュンダイよりダイナミックで、スポーティさ、アグレッシブさが直感できる。ボディ全長は現行モデルより延長、全高は低められ、全長4310mm、全幅1780mm、全高1470mm、ホイールベース2650mm。従来モデルよりAピラーの角度が倒されたほか空力性能の向上がはかられ、Cd=0.30を実現している。ボディは57%が高張力鋼板を採用し、剛性を大幅にアップした。
インテリアはドライバー中心のデザインで、装備もマルチメディアにフル対応するなど充実させている。

搭載エンジンは、ヒュンダイi3とまったく同じラインアップだ。トランスミッションは6速MT、6速ATと、ガソリン1.6L/135ps搭載車のみは新開発の6速DCTを選択できるようになっている。なおこのDCTは乾式のデュアルクラッチで、全車がスタート&ストップ、充電制御を装備している。

シャシーは、スポーティにチューニングされ、フロントのキャスター角は4.4度から5.2度に強められ、ハブベアリング剛性も高められた。また電動パワーステアリングはヒュンダイ同様にオプションで3モード可変アシストを選択できる。なお新型シードの販売は今夏に予定させている。

キアが送り出したコンセプトカーがコンセプト・トラックスターだ。BセグメントのMPV「ソウル」をベースにしたアクティブなクーペとされ、キア・カリフォルニア・デザインセンターがデザインしている。トラックスターはデトロイトショーにも出展されたが、今回手直しを受けている。デザインのモチーフはブルドッグだという。エンジンは1.6LのGDI直噴ターボで215psを発生し4輪を駆動する。

もう1台のコンセプトカーはEVの「Ray」である。Rayは2011年末にアナウンスされており、航続距離136kmのピュアEVで、50kWのモーターと16.4kWh/350Vのリチウムイオン電池を搭載している。電池の搭載位置は、フロア部とリヤシートバックだ。

Rayのボディサイズは、全長3593mm、全幅1595mm、全高1700mm、ホイールベース2520mm、車両重量は1185kgと、かなりコンパクトサイズにしており、軽量に仕上げていることが特徴といえる。

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