MINIブランドの今後を示唆するモデル「Concept Aceman」発表

BMW本社は2022年7月27日、MINIブランドの今後を示唆する最初のモデル「MINI Concept Aceman(コンセプト・エースマン)」を発表した。このコンセプトカーは、MINIブランドならではのドライビングプレジャーを表現したデザインと技術革新を具現化している。

このコンセプトカーは電気自動車であり、過剰さを排除した明快なデザイン言語「カリスマティック・シンプリシティ」、新しいデジタル・インテリア、本革やクロームなどの素材をまったく使用しない艤装とすることで、プレミアム・スモール/コンパクト・セグメント初のクロスオーバー・タイプのコンセプトを実現している。

ハッチバック・タイプのMINIは、60年以上の歴史のなかで、その象徴的な3ドアのボディ・シェイプにたえず新しい解釈を加えてきたが、次世代モデルでは多用途性と堅牢な魅力を特徴とする初のクロスオーバー・タイプのクルマに仕上げている。

MINIブランドの責任者であるシュテファニー・ヴルスト氏は、「MINI Concept Acemanは、未来のモデル・ファミリーにおいてハッチバック・タイプのMINIとMINIクロスオーバーの間の溝を埋めるまったく新しいモデルとしています。このコンセプトカーは、MINIが電動化の将来に向けてどのように自己改革しているのかを物語っており、このブランドを象徴する電気駆動によるゴーカート・フィーリング、没入できるデジタル体験、そして最小限の環境フットプリントへの強いこだわりが示されています」と述べている。

MINI Concept Acemanで初めて採用されたデザイン言語は、新しいMINIデザインの時代の幕開けを告げるもだ。「カリスマティック・シンプリシティ」の背後には、本質のみを凝縮し、典型的なMINIのデザインの特徴をいっそう重視するという考え方だ。ブランドの伝統的な価値観を受け継ぎながら、技術革新への情熱が盛り込まれた新しいMINIデザインにより、力強いエモーションと先進的な魅力、そして見違えることのないスタイルが凝縮された個性あふれるクルマとなっている。

電気自動車ならではのショート・オーバーハングで5ドア、5人乗りの機能的な2ボックス・デザインの骨格であり、これまででは不可能だったスペースを最大限に活用するという原則を踏まえながら、伝統的なMINIのコアバリューへとデザインを絞り込んでいる。これにより、道路上で大きなスペースを必要としないコンパクトなモデルでありながら、車内はこれまで以上に快適で、多用途で、エモーショナルになっているという。

ボディサイズは、全長4.05m、全幅1.99m、全高1.59mという、ブランドに期待されるプロポーションを備えながら、同時に非常に現代的なフォルムとしている。ボディ、ウィンドウ・グラフィックス、ルーフという伝統的な3要素にも、新しい解釈が加えられている。

ボディとガラス面は面一になっているので、空力特性が最大限に確保されている。MINI Concept Acemanは、これまでの世代のモデルで一般的だったエッジまわりのクローム・トリムを完全に排し、抑制された明快なデザインとなっている。ボディ下端のワイドな張り、力強いシルエットのホイールアーチ、大径ホイール、印象的なルーフラック、ボディ下部のプロテクションとしてデザインされたフロントとリヤのバランスパネルなどを装備することで、市街地走行に適したクロスオーバー・タイプとして堅牢でオールラウンドな特徴が強調されている。

デザイン的な特徴点は、直立したフロントにが印象的だ。クロスオーバー・タイプの特徴と電気駆動システムを表現しているのだ。フロント中央のラジエターグリル・エレメントは周囲が明るい表面で囲まれ、従来の六角形の輪郭はさらに洗練の度を増して八角形となっている。そして新たにグリル周囲が光ることがアクセントになっている。ライト・グリーンの色調のLEDライトは、デイランニング・ライトでもナイト・デザインでも、ユニークで印象的な光を生み出している。

またボディ全体では幾何学的に造形されたフラットな表面と精密なエッジの組み合わせににより、ボディの引き締まったプロポーションが実現している。

インテリアもMINI独自の革新的ともいえるミニマリズムの思想を採用。明快で抑制的なエクステリアやインテリアのデザインは、光、動き、対話、サウンドによる総合的なユーザー体験を加味することで、この新しいスタイルが確立されている。

斬新なカラー・コントラストを用いたリサイクルのニット織物でできた表面と、新しい有機ELディスプレイを備えたセントラル・インターフェースのデジタルのスイッチ類がシームレスに組み合わされ、これにより、MINIらしさを失わない独特なインテリアが実現している。また、この次世代の電気自動車モデルには、初めて本格的なたサウンド作りが採用され、感動を呼ぶドライブ・サウンドと、新しいエクスペリエンス・モードのための本格的なバックグラウンド・サウンドが利用できる。

新たなユーザー・エクスペリエンスは、デジタル技術によって可能になっており、走り出す前からエクステリアとインテリアを流れるように移行する光と音の総合的な演出が行わなわれ、ドライバーの感情を高揚させる。

クルマに人が近づくと、車両前方の光によってトレースされ、近づくにつれて光が明るくなる。同時に、車外のスピーカーからは、音量がクルマとユーザーとの距離に連動したインタラクティブなサウンドが流れる。クルマをロック解除すると、グリル表面のマトリクスLEDユニットによってユニオン・ジャックの図柄が表示され、同時にグリル・エレメントの周囲が光り、右ヘッドランプのLEDマトリクスが親しみをこめてウィンクするという演出が行なわれるのだ。

ドアを開けたときに路面に投影される光の演出

ドアを開けると、その下の路面にカラフルなグラフィック画像が投影される。同時に、セントラル・インターフェースの丸型ディスプレイには、これに対応する最大画素での放射状の光が表示され、さらにルーフ・ライニングからダッシュボードとドアパネルに向けても同様の多色投影が行なわれる。このウェルカム・シナリオを完全なものにするために、ディスプレイには「Hey Friend」という文字が表示され、スフェリカル・サウンドが流れる。このサウンドは、おしゃべりの声と音楽シーケンスが重なりあって、なごやかな出会いの雰囲気が演出されているのだ。

このように「「MINI Concept Aceman」は、単に新しいMINIブランドの電気自動車というだけではなく、デジタル時代におけるMINIらしい表現、思想を満載したモデルであり、この多くは市販モデルにも反映されることは間違いないだろう。

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COTY
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