MINIクロスオーバー、ペースマンにクリーンディーゼル搭載 試乗記 高橋 明

マニアック評価vol301

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クリーンディーゼルを搭載したミニ・クロスオーバー

ミニクロスオーバーとペースマンがマイナーチェンジを行ない、コンパクトプレミアムクラス初となるクリーンディーゼルを搭載した。箱根で行なわれた試乗会に参加し、早速そのレポートをしよう。

ミニクロスオーバーはミニファミリーの中で、唯一4ドアであり、5人乗りであり、4WDであるというSUVモデルで、2011年にMINIシリーズの追加モデルとして誕生している。今回のマイナーチェンジではエクステリア、インテリアにも変更があるが、詳細はこちらの記事をご覧いただきたい。

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◆ポジショニング
新たに搭載されたディーゼルエンジンは2.0L+ターボのクリーンディーゼルで、ポスト新長期規制に対応するユニット。以前のアドブルーを使用するタイプではなくDPFとNOx還元触媒によって排気ガスはクリーンになっている。そのため、ある程度の走行距離でアドブルーを補充するという手間はなくなったわけだ。

このディーゼルエンジンはすでに3シリーズ、5シリーズにも搭載済みのユニットと同じで、低回転からのトルクフルな走り、レスポンスの良さなどは変わりなく、一言で言えば走りの良いディーゼルだ。

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クリーンディーゼルは二種類あり。こちらは143ps/305Nmの高出力バージョン
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クーパーに設定される112ps/270Nm仕様エンジン

 

このディーゼルには2タイプのエンジンが用意され、出力違いの設定となっている。ひとつは143ps/305Nmという高出力版と112ps/270Nmの2種類。高出力版は「MINI Cooper SD Crossover」のネーミングで、これまでのMINI Cooper S Crossoverに置き換わるポジションとなる。このクーパーSと比較して19%の燃料消費が優れている。

一方112psのほうはMINI Cooperに設定され、こちらは従来のガソリンも併売されるので、好みのエンジンタイプから選択できる。価格はガソリンが6速ATで321万円、ディーゼルは341万円と20万円の差があるが、16%燃料消費率で上回り、燃費は16.3km/Lを達成している。年間の走行距離次第だが、2~3年程度でこの価格差は回収できるのではないだろうか。

エンジンの概要としては、直噴ディーゼルに可変ジオメトリーターボを装備する。エンジン負荷の状況により、ターボ過給が最適となるよう設計されたタービンで、ターボラグが感じられないようになっている。

◆インプレッション
試乗会場は箱根周辺の一般道路と東名高速の走行が可能なエリア。最初に試乗したのはMINI Cooper SD クロスオーバーの高出力エンジンの方から。ミッションは6速ATのみで、パドルシフトは付いている。

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エンジンをスタートさせると、普通にエンジンの音が聞こえる。3シリーズや5シリーズのディーゼルと比較すると、同じディーゼルエンジンとはいえ、音は室内に入ってくる。しかしいやな印象ではない。当然、上級セダンとはボディも異なれば、吸音材などの対応も違うわけで本来であれば、比較は意味を持たない。しかし、おなじエンジンを搭載しているだけに、心理的に比較してしまう。

かたやFRで縦置き、かたやFFで横置きの違いもあり、組み合わされるミッションもZFの8速ATとアイシンAWの6速ATという違いがある。また、3、5シリーズはアイドリングストップがあるが、このクロスオーバーにはない。トランスミッションの制御違いによるものと想像する。

出だしはディーゼルらしく力強く、低速トルクを有効に使いどんどんシフトアップしていく。だからエンジン音もそれなりにしか大きくならず、気になるレベルではない。高回転域までエンジンを引っ張ると、強い加速Gが感じられワインディングでの走りが攻めに転ずる。ガソリンエンジンとはフィールが異なり、軽快感より重厚感のあるフィールで、ガンガン峠を攻めたくなる。クロスオーバーはSUVカテゴリーだが、MINIらしいハンドリングなので、シャープに走りが楽しめる。

市街地でのゴーストップはターボラグが出やすいが、可変ジオメトリーターボの威力は抜群で、回転が上がるまで加速しないとか、ワンテンポ加速が遅れるなどは一切感じない。どの回転域からでも滑らかでスムーズな走りが味わえ、ストレスを感じることはない。

一方、112PS/270Nm仕様はペースマンで試乗してみた。ペースマンには高出力版は搭載されず、ディーゼルはこの仕様だけとなる。しかし、SDと31PSの差が感じられる場面としては、高回転域を維持して走行するような場面に限られるだろう。

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112PS/270Nm仕様はペースマンで試乗してみた

アイドリングからの発進、市街地でのゴーストップはディーゼルのメリットがよく活かされており、力強さがしっかりある。60km/hまで普通に加速していくような使い方では、その出力差の違いは感じられない。また、東名高速を走行してみたが、合流車線、登坂車線ともストレスなくいつでも加速する。パワー不足やトルク不足など全く感じられなかった。

ただ高出力版との違いというか、ボディが違うためだろうが、ペースマンのほうが静かに感じた。これはラウンジコンセプトのペースマンとSUVのクロスオーバーというキャラクターの違いにより、そもそも室内の静粛性に差があるのかもしれない。正確なところは不明だ。

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こうしてMINIシリーズは現在8モデルも存在する。3ドアのハッチバックからスタートしたが、クラブマンも、クーペもオープンも点とあり、選ぶのに迷うことになるが、どのMINIモデルに乗っても共通する、マル型というデザインキーやゴーカートフィールというハンドリングはどのモデルにも共通している。

今回のディーゼルエンジンとなっても、そのアイデンティティを損なうことなく、いや、プラス要素としてコンパクトプレミアムモデルとして新たな選択肢が増えたということだろう。

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■ミニ・クロスオーバー価格表

ミニクロスオーバー価格表

■ミニ・ペースマン価格表

ミニペースマン価格表

ミニ公式サイト

COTY
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