【MINI】ミニクーペ試乗記 クラスを超える新たなラインアップモデル誕生

マニアック評価vol97
MINIブランドとして5番目、6番目のモデルとなる2シーターのクーペとロードスターがデビューし、試乗できる機会があり箱根周辺で乗ってみた。このクーペ&コンバーチブルの登場でMINIのモデルラインアップは、通常のMINIのほか、MINIベースのコンバーチブル、クラブマン、クロスオーバーがあり、ラインアップも充実してきた。

MINICoupe
大磯プリンスホテルを背景に。ニューモデルMINI Coupe

この2シーターのラインアップは、MINIブランドとして初の量産2シーターであり、クーペとロードスターの2モデルがある。そのうちクーペに試乗することができた。クーペモデルのラインアップは、NAエンジンのクーパーとターボ搭載のクーパーS、それにハイパフォーマンスモデルのジョンクーパーワークスの3モデルで、試乗車はクーパーSの6ATである。

 

MINIクーペ
小田原市街を眼下に見下ろす箱根での試乗

基本的にプラットフォームはMINIと共通でホイールベースも同じ。アッパー部のボディデザインが違うのだが、Aピラー周辺が補強されているという。この2シーターの2モデルはオープンボディのロードスターをベースに開発しているため、ルーフかからの剛性を確保するために、Aピラー周辺のボディ補強がされ、フロアまわりの剛性アップも図られているという。

MINIクーペフロントMINIクーペ真横

クーペモデルのルックスは、どっしりとした安定感のある印象の下半身に、小さなキャノピーがあるイメージだ。車高はMINIと比較し50mm低くなりAピラーの角度は13度小さくなっている。全長3745mm(クーパー=3740mm)×全幅1685mm×全高1380mm、ホイールベースは24665mmとなっている。

ルーフスポイラー自動リヤウイング

自動ウイング
ルームミラーに、80km/hになるとリヤウイングが写る

ルーフエンドにはスポイラーが装備され、ルーフからの空気のながれがトランクへとスムーズに流される。トランクにはアクティブ・リヤスポイラーがあり、80km/hになると自動的に上昇し、整流効果を高める装備がされている。また、60km/hを下回ると自動的に収納される。

リヤゲートは意外にも大きく開き、MINIより広い280Lのトランク容量を備える。また、長尺物の収容のためにトランクスルーが標準装備され、2名分の荷物は余裕の搭載能力があるといえる。

リヤゲートリヤスペース

インテリアの質感もMINIと同じレベルの高品質さを保ち、直接手で触れる部分の印象、また、見た目の印象もすこぶる良い。センターメーターのデザインや空調、パワーウインドウ類のスイッチなどオリジナリティ溢れるデザインで、好印象だ。

インパネフロントシート

ちなみにATシフトはフロアのシフトレバーでもマニュアル操作が可能で、一方パドルシフトも付き、どちらでも操作可能。このパドルはステアリングと一緒に回転するタイプで、プルでシフトアップ、プッシュでシフトダウンというポルシェでも採用しているタイプだ。そして左右どちらでも同じ操作ができるが、慣れないと使いにくい。

ペダル配置シフト

搭載されるエンジンはこれまでのMINIに搭載されているエンジンと同様で、1.6LエンジンのNAとターボ搭載モデルになる。サスペンションも同様にフロントがストラットでリヤがマルチリンク式であり、クーペ用にアジャストされたスペックになっている。

試乗したのは高速走行と一般道路、ワインディング路であり、その乗り味はどのステージにおいても、プレミアム・コンパクトというセグメントを確立したパイオニアとしてのポジションは確かだ。

直進安定性では、ボディ剛性、シャシー剛性、そしてジオメトリーの確かさなどから伝わる、しっかりした直進性は大きな安心感が得られる。乗り心地では路面のつなぎ目での入力もソフトであり、硬いアタリはなくコンパクトセグメントとしては、やはりクラスレベルを超えた乗り心地と言えるだろう。また、ボディの振動もなく、静粛性も高いため、しっとりとした乗り味とあわせてプレミアムな印象が得られる。装着していたタイヤはクーパーSの標準は195/55-16だが、オプションの205/45-17を装着していた。ちなみに銘柄はコンチネンタルのスポーツコンタクト3である。

フロント73リヤ73

助手席死角運転席死角

↑サイドミラーがドアにマウントされているので、Aピラーの死角部分がすくなく、視界はいい。

ハンドリングも電動アシストなのだが、妙なゲインを感じたりする場面はなかった。コーナーへの進入は相変わらずヨーモーメントをはっきり感じさせるハンドリングで、スパッと曲がるイメージがあり、クルマのキャラクターに似合った操舵フィールで楽しい。また、オート・スタート/ストップ(アイドルストップ)が付き、省燃費に貢献している。

ここまでMINIブランドのバリエーションが充実すれば、MINIの可愛さとアグレッシブな走り、クラスを超えたインテリアの質感を持ったまま「4ドアがほしい・・・」とか「2シータークーペが欲しい・・・」などのユーザーニーズには応えられているのではないだろうか。もはやないものねだりとはならないラインアップである。MINIの魅力にはまっている人にはうれしいモデル追加となった。

クロスオーバーMINI COOPER S

MINIカントリーJCW カブリオレ

MINIクーペロードスター↑MINIのラインアップは全部で6モデルに増えた

■ミニクーペ主要諸元

●価格Cooper 6MT297万円、6AT 310万円、Cooper S 6MT339万円 6AT352万円、JCW426万円 ●全長3740(SとJCWは3745mm)mm×全幅1685mm×全高1380mm WB2465mm ●Cooperエンジン=1.6L直列4気筒、S=1.6L直列4気筒+ターボ、LCW=1.6L直列4気筒+ターボ ●最大出力Cooper=90kw(122ps)/6000rpm、最大トルク160Nm/4250rpm、S=135kw(184ps)/5500rpm、240Nm/1600rpm-5000rpm、JCW=155kw(211ps)/6000rpm、260Nm/1850rpm-5600rpm ●JC08モードCooper 6MT 9.0km/L、6AT 5.4km/L、S=6MT 17.6km/L、6AT 15.4km/L JCW=未計測

BMW MINI公式サイト

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