マクラーレン 世界500台限定モデル「マクラーレン 675LT」がやってきた

ジャパン・プレミアで登場した、左から名取雅裕氏(オペレーティング・ジャパン・マネージャー)、マーク・ゲイトン氏(675LTプロジェクト・マネージャー、デイビッド・マッキンタイヤー氏(アジアパシフフィック・リージョナルマネージャー)
発表会に登場した、左から名取雅裕氏(オペレーティング・ジャパン・マネージャー)、マーク・ゲイトン氏(675LTプロジェクト・マネージャー、デイビッド・マッキンタイヤー氏(アジアパシフフィック・リージョナルマネージャー)

2015年5月22日、マクラーレン・オートモーティブ・ジャパンは、全世界で500台限定モデルの「675LT」を国内初披露した。マクラーレン675LTは2015年ジュネーブショーでワールドプレミアされ、この日受注を開始した。

マクラーレン 675LT 発表会

675LTの「LT」とはロングテールの意味で、20年前にル・マン24時間レースに出場したマクラーレンのGTスポーツカー、F1 GTRロングテールのイメージを継承したものだ。このことからも分かるように、675LTは650Sクーペ/スパイダーをベースにしながら、よりサーキット走行に特化させたエンスージャスト向けスーパーパフォーマンスモデルである。

675LTの開発テーマは、650Sに比べ大幅な軽量化を行なうこと、サーキット走行での運動性能の向上、エンジン出力などの性能の向上、サーキット走行に適合する空力性能の洗練、超高性能スポーツカーにふさわしいドライバーとの一体感の向上などであったと、開発責任者のマーク・ゲイトン氏は語る。この結果、675LTは650Sと比べパワートレーンの50%、ボディ全体で33%のコンポーネンツが新設計となっている。

マクラーレン 675LTマクラーレン 675LT
マクラーレン 675LTマクラーレン 675LT

マクラーレン 675LT

軽量化では、650Sに対し100㎏に及ぶ軽量化が行なわれ、乾燥重量は1230㎏となっている。軽量化は、エンジン関係で軽量コンロッド、チタンマフラーの採用などで10%、ボディパネル、薄厚のガラス関係で35%、シャシーではサスペンションやアップライト、ホイールなどで30%、装備では軽量スポーツシートやエアコンレスとするなどし20%、電装系で5%の軽量化を行なったという。

フロント、リヤ周りのボディパネルやバンパーなどはすべてカーボン製で新作され、アンダーフロアカバーもカーボン製。エンジンカバーはポリカーボネイト製だ。なおアウターパネルだけではなくモノコック本体ももちろんカーボン製だ。

マクラーレン 675LTマクラーレン 675LT

シャシーではアジリティを重視しステアリングギヤ比は15%クイック化され、前後トレッド幅も20㎜拡大されている。タイヤはセミレースタイヤともいえるピレリ・トロフェオRを装着し、グリップ力も高めている。ブレーキはカーボン・コンポジット製ディスク。フロントはブレンボ6ポット、リヤは4ポットキャリパーを組み合わせている。

マクラーレン 675LT

ミッドシップされるエンジンのクーリングは、リヤサイド左右のラジエーターを横に16度回転させた位置に配置。大きなサイド・エアインテークから冷却風を導入することに加え、フロント左右部で加速された気流をエアガイド機能のあるサイドスカートを経てラジエーター下部に導入するようになっている。もちろんラジエーターを通過したエアがよりスムーズに後方に排出できるようにリヤエンドに大きなアウトレットが設けられている。

空力対策としては車高調整もされている。ダウンフォースの向上と空気抵抗低減を両立させるためにフロントは20㎜ダウン、リヤは5㎜アップの前傾姿勢としている。フロント周りの形状改良とリヤのより大型になった昇降式エアブレーキを組み合わせることで、240㎞/hでのダウンフォースは650Sより40%も増加しているという。

マクラーレン 675LT

インテリアはダッシュボード、センタートンネルなどはカーボン骨格で、表皮にはアルカンターラを採用。シートは超軽量なスポーツシートが標準装備される。エアコン、4点式シートベルトを使用することを前提にした超軽量なチタン製ロールケージなどがメーカー無償オプションとして設定されている。

マクラーレン 675LT

リカルド社と共同開発したM838T型3.8L・V8型ツインターボエンジンは675ps/700Nmの出力を発生する。650Sより25psアップだ。パワーもさることながら特性的には2500~5500rpmの中速域のトルクを増強している。そしてドライブパワートレーンモードをノーマル、スポーツ、トラック(サーキット)とドライバーが切り換えることで、スロットルマップが切り替わり、それぞれの特性に合った出力、レスポンスが得られる。

またスポーツモードではアクセルオフ時に燃料カットが行なわれ、その結果エンジン回転の低下速度が速くなり、再加速時にはバックファイアリングの演出も行なわれる。トラックモードでは、さらにF1などと同じイナーシャプッシュ機構が作動する。減速時にエンジンとトランスミッションが切り離され、トランスミッションを空転させ、再加速時にはトランスミッションの回転慣性力がエンジントルクにプラスされるのだ。

トランスミッションは7速SST(DCT)で、各ギヤに合わせた最適スロットルマップが組み合わされ、加速感、伸び感がチューニングされている。

マクラーレン 675LTマクラーレン 675LT

またドライバーがよりダイレクト感が得られるように、エンジン振動などはより強めらている。675LTが目指しているのはドライバーとマシンのより強固な一体感(マクラーレンはドライバー・エンゲージメントと称する)であり、圧倒的ともいえるレスポンスのよさ、ボディのバイブレーションやノイズの侵入を通常のクルマとは逆に増大させているのだ。排気音もより高周波になるようにチューニングされている。 動力性能は0-100km/h加速が2.9秒、0-200km/hまでの加速は8秒の壁を破る7.9秒と強烈な加速力を備えている。最高速度は330km/h。

日本での目標販売台数は40台程度と見込まれている。

■価格:4353万4000 円(税込)

マクラーレン675LT 主要諸元

 

マクラーレン650S関連情報
マクラーレン関連情報

マクラーレン日本公式サイト

COTY
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