2014年8月16日、マクラーレン・オートモーティブは、アメリカ･カリフォルニア州で開催されたペブルビーチ・コンクール・デレガンスのプライベート・イベントで、既報の、「P1 GTR」のデザイン・コンセプトモデルを初披露した。
1995年にGT選手権レースでデビューしたマクラーレン F1 GTRの後継モデルとも言えるP1 GTRだが、F1 GTRとは異なりレース用マシンではなく、選ばれたオーナーのためのサーキット専用モデルとされている。
今回ベールを脱いだP1 GTRはデザイン･コンセプトモデルとされているが、すでに発表されている計画によれば製造開始まで1年を切っており、スタイリングはほぼ確定し、今後は細部の煮詰めが行なわれるものと予想される。
P1 GTRはサーキット専用車両であるため、公道での走行に法規に縛られる必要がないのでマクラーレン・スペシャル・オペレーションズ（MSO）チームはこれまで世に送り出してきたどのモデルよりも、サーキットでの走りの性能に特化し、最もパワフルに仕上げている。このモデルは世界のサーキットを走ることのできる、最高のドライバーズ・カーとされ、価格も詳細は未発表ながら3億円以上だ。世界で最も高価なスーパーカーとなるはずだ。
もちろんサーキットで威力を発揮することができるように、エアロダイナミクス性能が追求されスリックタイヤの採用、低いライドハイト（最低地上高）、大型の固定式リヤウィングにF1で採用されているテクノロジーのDRS（ドラッグ・リダクション・システム）、IPAS（インスタント・パワー・アシスト・システム）、ERS（エネルギー回生）を利用したプッシュ・トゥ・パス・システム、さらには車載エアジャッキなどを備えている。
P1 GTRは、選ばれたオーナードライバーが、サーキットでこのマシンを乗りこなすことができるように、ドライバーを対象とした完全カスタム仕様のトレーニング・プログラムを開始することもぺブルビーチで発表された。
このマシンをドライブするオーナーのためのスペシャルプログラムは、専門家によるドライバー・トレーニング、能力育成（ヒューマン・パフォーマンス）、マクラーレンのレーシング・シミュレーターの使用などが予定されており、受講する全てのドライバーが、精神と肉体の両面からP1 GTR の能力を最大限に発揮できるようにすることが目的とされる。もちろんこのプログラムは各受講者よりカスタマイズされ、参加者は自分のための専用のトレーニングを受けることができる。
このP1 GTR ドライバー専用プログラムは、間違いなく世界で最も贅沢なオーナー・クラブであり、他では望み得ない経験が提供される。そのためにMSOが車両管理、メンテナンスに加えて、ドライバー専用プログラムを含む全体の管理を担当することになっている。
