マセラティ本社は2024年6月18日、レースシーン復帰20周年を祝う2機種のMC20限定モデル、「MC20 Icona(イコーナ)」と「MC20 Leggenda(レッジェンダ)」を発表した。
この限定モデルは、マセラティが2004年に「MC12」で37年ぶりにレースシーンへと復帰し、数々の勝利を収めた20年の歴史を祝うために制作されたスペシャルモデルだ。
100%イタリア製の「MC20」は、すべて自社製作の革新的なV6ネットゥーノ・エンジンを搭載した最初のモデルとして、 2020年にマセラティの新時代の始まりを告げた。
今回発表する2機種の限定モデルは、「MC12ストラダーレ」と「MC12 GT1 ヴィタフォン」という2台のモデルにインスパイアされた特別なカラーリングとエクスクルーシブな装備とし、それぞれ各20台の限定生産となっている。
「MC12」は、当初公道走行用のモデル「MC12ストラダーレ」がまず発表され、その後にレーシングバージョンの「MC12 GT1」が登場。レーシングバージョンは、FIA GT選手権においてチャンピオンに輝くなどレースシーンに数々の功績を残している。
「MC20 イコーナ」のカラーリングは、マセラティのファンにある象徴的な出来事を思い起こさせる。それは「MC12 ストラダーレ」と同じく、1959年から1961年にかけて生産されたマセラティ史上最もアイコニックなモデルのひとつである「ティーポ61」、通称「バードケージ」をモチーフとしている。またデイトナ24時間レースへ出場した「マセラティ トロフェオ ライト」へのオマージュでもある。
「MC20 イコーナ」の ビアンコ・アウダーチェ・マットとブルー・ストラダーレという2種類のカラーリングには、マセラティのパーソナライゼーション・プログラムであるフォーリセリエの特徴ともいえる。ビアンコ・アウダーチェ・マットのマセラティ・フォーリセリエのロゴはリヤホイール近くのボディサイドの下部に入っており、イタリア国旗のトリコローレがドアの「MC20」の文字の下に配されている。
クロームメッキのホイールの中央には、特別なマセラティのデザインが施され、ホイールキャップはシルバー、トライデントのロゴは対照的なブルーで描かれている。ブレーキキャリパーもブルーに塗装され、サイドミラーは自動調光機能を備え、エンジンカバーはカーボンファイバー製だ。
「MC20 レッジェンダ」の歴史は、その車名に象徴されている。ネロ・エッセンツァとデジタル・ミント・マットのカラーリングは、ヴィタフォンレーシングチームの「MC12 GT1」のボディカラーを踏襲したものだ。このマシンはスパ24時間レースで3回の優勝と2回の準優勝という歴史的な偉業を成し遂げた。
「MC20 レッジェンダ」のフォーリセリエの特長は、ネロ・オパーコとトライデント・デジタル・ミントのホイールキャップを備えたネオ・ルシド製のアルミホイールをはじめ、グリル、ドア、Cピラーに配された黄色のトライデントロゴ、そして黒く塗装されたブレーキキャリパーなどが挙げられる。
パワフルなネットゥーノエンジンを覆うカバーには、それぞれ20台限定生産(20分の1の意)であることを表す「ICONA. UNA DI 20」または「LEGGENDA. UNA DI 20」と記されている。
2機種のスペシャルシリーズのフォーリセリエのパッケージは、レーシングスタイルのインテリアにも取り入れられている。軽量の4ウェイ・モノコック・レーシング・シートが奢られ、「MC20 イコーナ」はシルバー地に黒/ブルーのシートが、そして「MC20 レッジェンダ」はシルバー地に黒のシートを装着。ヘッドレスト中央には、「Icona」「Leggenda」の文字とともにトライデントの刺繍が施されている。
オーディオは、ソナス・ファベール・サウンドシステムが搭載されている。その他に、カーボンファイバー製インテリア・パッケージ、電子制御式リミテッド・スリップ・デファレンシャル(E-LSD)、段差を乗り越える際などに車高を上げることが可能なサスペンション・リフター、安全運転支援システムのブラインド・ストップ・システムとリヤ・クロスパス・システム、そしてフロントとトランクのマットなど、両バージョンに共通する装備が備えられている。
なお日本では、この2機種はすでに完売となっている。