マセラティ ジャパンは2022年1月27日、新型スーパースポーツカーであるMC20の日本でのデリバリーを開始したと発表した。
MC20は、MC12以来16年ぶりとなるスーパースポーツカーで、2020年9月9日にワールドプレミアが行なわれた。マセラティブランドの新時代の幕開けを象徴するモデルとして、「100% メイド イン モデナ」、「100%メイド イン イタリー」をスローガンとして開発され、22年ぶりに自社製の革新的なエンジンを搭載し、さらに将来の電動化にも対応した設計となっている。
車名は「MC」が「マセラティ・コルセ」の略、「20」はマセラティがモータースポーツへの本格復帰による新時代の幕開けとなる2020年を意味している。
このネーミングも、1926年に初めてマセラティバッジが与えられたTipo 26 、ユニークかつ革新的なシャーシ構造を採用したバードケージTipo 61 、そしてチャンピオンシップで勝利したMC12のマセラティの歴史的な3モデルと同じ手法で採用されており、ネーミングからデザインまでマセラティの伝統を継承するモデルということができる。
ミッドシップに搭載するパワーユニットはマセラティの特許のもとで新開発され、量産エンジンとして世界初のプレチャンバー式点火システムを採用している。
「ネットゥーノ(Nettuno:ネプチューンの意味)」と命名されたこのダウンサイジング コンセプトのエンジンは、3.0L、90度V型6気筒のツインターボで極限まで低重心化させるためと、高い横Gに対応してドライサンプを採用している。ボア・ストローク88mm×82mm、圧縮比は11:1。最高出力630ps/7500rpm、最大トルク730Nm/3000rpmで、リッター当り出力は210ps/L。なお、ツインターボはV型のバンク外側にマウントされている。
ツインスパークプラグを特徴とする革新的なプレチャンバー(副燃焼室:パッシブ式)燃焼システムを採用。この技術はF1に由来し、市販エンジンとしては世界初となる。「MTC(マセラティ・ツイン・コンバスチョン)」と呼称されるこの燃焼システムは、状況に応じて通常の点火とプレチャンバーによるジェット噴流点火を使い分けることで、高い燃焼効率とレスポンス、パワーを両立。ポート噴射と直噴を併用しているため、点火プラグとインジェクターは各気筒に2個ずつ(計12個)備えられている。
燃圧は350バール。通常のスパークプラグは、プレチャンバーが作動する必要のない状態での点火を受け持ち、プレチャンバー作動時はこの副燃焼室内で高圧混合気に点火して発生するジェット噴流が通常の燃焼室に進入し、燃焼室内の希薄混合気を急速燃焼させることができる。
この複雑なシステムのエンジン開発にはイノベーション・ラボのバーチャル解析技術を駆使して、開発期間の大幅な短縮を実現しているという。
この最新世代のハイパワーエンジンと8速DCTの組み合わせにより、動力性能は0-100km/h加速は2.9秒以下、最高速度時速325Km以上と、スーパースポーツカー・カテゴリーの中でもトップレベルとなっている。
価格
マセラティ MC20:2664万円(予定価格)