マセラティ本社は2022年3月22日、モデナで新型SUV「グレカーレ」のワールドプレミアを行なった。グレカーレは、エレガンス、パフォーマンス、汎用性、革新性の4つバランスを高次元で実現し、さらに卓越した性能、快適性、安全性、そしてオフロード性能やマセラティならではのドラオビングプレジャーをも妥協なく追求したモデルだ。
グレカーレは、マセラティ・ブランド史上、最も充実したラインアップとなり、従来の内燃エンジン、ハイブリッド、そして1年後には電動化戦略にしたがってマセラティ史上初の100%電動化SUVとなるBEVモデルも加わることになっている。
ステランティス・グループ内で、唯一のラグジュアリーブランドであり、きわめて強いブランド性を持つマセラティは、コロナ禍の2021年もグローバル市場でシェアを高め、特にアメリカで2.9%、中国では2.7%にまで拡大させている。グローバル販売台数は前年比41%増となる計2万4269台となっている。
こうしたな販売実績を背景に、マセラティは100%電動スポーツカーを発売する初のラグジュアリー・ブランドとしての戦略を策定し、2025年までに全てのラインアップで電動化を実現する、初のラグジュアリーブランドとなることを目指し、2030年までにモデルラインアップはすべて、完全電動化に移行することになる。
新型グラントゥーリズモは、100%電動化ソリューションを採用する史上初のマセラティとなり、ミラフィオーリ工場で製造され、2023年に市場にデビューする予定で、新型SUVのグレカーレも2023年にBEVモデルをデビューさせる計画となっている。
そしてマセラティの新型モデルはすべて、イタリアで100%開発、設計、製造され、電動パワートレインを採用し、マセラティのDNAである革新性と卓越した高性能を備えたモデルとなっている。
グレカーレは発表時にはまず3種類のバージョンを展開する。300psの4気筒マイルドハイブリッドエンジンを搭載した「GT」、330psの4気筒マイルドハイブリッドエンジンを搭載した「モデナ」、MC20に搭載されたマセラティ独自のネットゥーノ・エンジンをベースにした530psの高性能3.0LガソリンV6を搭載したパワフルな「トロフェオ」の3モデルだ。
さらに、400Vの100%電気自動車「グレカーレ フォルゴーレ」が2023年に加わり、全ラインアップが完成する。
グレカーレはキャビンの広さと快適性にこだわり、クラス最高の装備を誇っている。室内空間、ドライバビリティ、ハンドリング、加速性能(0-100km/h加速3.8秒:トロフェオモデル値)、最高速度(285km/h:トロフェオモデル値)、そして音質などは圧倒的に高いレベルで実現。さらにウッド素材、カーボンファイバー、レザーなどの高級素材を駆使するなど多くの面でクラス最高レベルを実現している。
ボディサイズは、全長4846mm、ホイールベース2901mm、全高1670mm、全幅2163mm(ウイングミラーを含む)、リヤホイールトレッド1948mm(トロフェオではさらにワイド)だ。
デザインは、MC20以降の全てのニューモデルに共通したマセラティの新しいビジュアルシンボルを取り入れている。フロントは、低く堂々としたグリルが特徴でで、側面は美しい流線的なフォルムを持ち、カーボンファイバーを用いたテクニカルな構成要素も同時に盛り込まれている。リヤは、ジウジアーロ3200GTから着想を得たブーメラン型のテールライトが台形ラインにフィットし、キャビンはクーペ効果によりスポーツカーのような仕上がりとなっている。
インテリアは、マセラティ伝統の時計盤をはじめ、ディテールは際立った高質感で統一されている。デジタル化された時計は、音声コントロールにより、車載コンシェルジュにも変身する革新性を備えている。
すべての操作がタッチ式になり、簡潔な美しさも極限まで追求。マセラティ史上最大の12.3インチの大型センタースクリーン、その他のコントロール用の8.8インチディスプレイ、そしてリヤシート専用の3番目のディスプレイからも、車両設定たインフォテイメントをコントロールすることができる。
そしてマセラティ・インテリジェント・アシスタント(MIA)マルチメディア・システム、最新鋭のインフォテインメント「マセラティ・コネクト」が採用されている。
マセラティらしい咆哮と臨場感あふれるソナス・ファベール3Dサウンドシステムを搭載したオールラウンドなサウンドシステムにより、車内サウンドは楽しさの極限にまで高められる。ソナス・ファベールのオーディオ・システムは、プレミアム・レベルでは標準で14スピーカー、ハイ・プレミアム・レベルでは必要に応じて21スピーカーが搭載される。
なお車内サウンドの設計は、イタリアのアーティスト、ダルダストがエンジニアと議論しながら決定され、ユーザーは独自のカスタマイズされた「チャイム」(警告音)」を体験することができる。
ドライビングに関しては、新システム、ヴィークルダイナミックコントロールモジュール(VDCM)がもたらす卓越したハンドリングと360度をカバーする車体制御により、ドライブはダイナミックな快適性と忘れがたい高揚感を融合させた世界に没入することができる。ドライブモードは、コンフォート、GT、スポーツ、コルサ(トロフェオのみ)、オフロードを選択することが可能。
新型グレカーレは、カッシーノ工場で生産される。日本での価格は税込800万円代後半からを予定しており、6月上旬頃からオーダー受付を開始予定、デリバリーは2023年上旬が予定されている。