2013年11月19日、マセラティ・ジャパンは同社初のミドルクラス、ハイエンドEセグメントに位置する「ギブリS」、「ギブリS Q4」の2車種を発表した。デリバリーは12月から開始される。
「ギブリ」は、マセラティ社が2015年までに年間5万台体制を確立するために投入されたニューモデルで、「クワトロポルテ」に次ぐ第2弾で、3番目の車種としてハイエンドのスポーツラグジュアリーSUV「レヴァンテ」が計画されている。先行したクワトロポルテより軽量・コンパクトでありながら「ギブリ」はよりパワフルなパフォーマンスと低価格化を実現している。
とはいえ、圧倒的な性能、卓越した操縦性とドライビングプレジャー、ラグジュアリーさとイタリアンデザインを備え、競合モデルを寄せ付けない独自の存在感を発揮して、マセラティとして新たな顧客層を取り込む狙いを持っている。
エンジンは新開発の3.0L・V6ツインターボエンジンを搭載し、FRの「ギブリS」、4WDの「ギブリS Q4」の2車種を設定している。ダウンサイジングコンセプトの新型60度V6は、フェラーリのマラネロ工場で生産される。吸排気連続可変バルブタイミング、200barの高圧直噴システム、コンパクト燃焼室など、同社の最新V8エンジンと同様の技術が投入されている。このエンジンはクラス最高の410ps/5500rpm、550Nm/1650rpmを発生する。「ギブリS」の0-100km/h加速は5.0秒、最高速は285km/h。「ギブリS Q4」の0-100km/h加速は4.8秒、最高速は284km/h。なお、マセラティ初のアクティブスピードリミッターを備えている。これはステアリング上のスイッチで、任意に最高速を設定できるシステムだ。
またマセラティ・サウンドタンクと呼ばれるエンジンサウンドシステムを備え、マセラティらしい重厚感のあるサウンドを演出している。ノーマルモードでは控えめなサウンドで、スポーツモードではクワトロポルテと同等の最高のエンジンサウンドを楽しむことができる。
トランスミッションはZF社製の8速ATで、シフトモードはマセラティ流に「オート・ノーマル」、「オート・スポーツ」、「マニュアル・ノーマル」、「マニュアル・スポーツ」、「ICE」の5モードを備える。
ボディは高強度スチールの骨格に、ドアやボンネットなどアッパーボディパネルの50%がアルミ製、ダッシュボードインナーフレームはマグネシウム製だ。さらに前後荷重配分は50:50としている。サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リヤは5リンク式マルチリンクで、マセラティならではの俊敏でダイレクト感のある絶妙なハンドリングを楽しむことができる。オプション設定で「アクティブ・スカイフックシステム」のサスペンションを選択することもできる。
また「ギブリ」はLSDを標準装備する。Q4は後輪100%のトルク配分からオンデマンドで前輪にトルクを流すFRベースのオンデマンド・タイプで、「アクティブトルクコントロール式AWD」と名付けられている。
ブレーキは、フロントが360mm×32mmのベンチレーテッド・クロスドリルドの2ピース・ディスク+6ピストンキャリパー、リヤは350mm×28mmのベンチレーテッド+4ピストンキャリパーと強力かつ軽量で、100km/hからのブレーキでは36mで停止する。
ボディデザインはクワトロポルテのアイデンティティを受け継いだやや保守的なクーペスタイルのセダン・フォルムだ。各部のデザインのディテールには1960年代のマセラティのデザインアイコンを採用している。インテリアはダブルコクピット・レイアウトを採用し運転席と助手席を独立させたデザインとし、スポーツ性を強調。もちろん、マセラティの独壇場とも言える、ラグジュアリー、質感の高さは他社の追随を許さない。最上質の本革はステッチが加えられ、クラフトマンシップの極致を感じさせる。ダッシュボードの中央には伝統のマセラティクロックがレイアウトされている。
■価格
ギブリS 940万円
ギブリS Q4 1千100万円