マセラティは2023年3月7日、サーキットでレース復帰を象徴するハイパフォーマンスモデル GT2のプロトタイプの走行を開始した。今回のパルマ・サーキットでのシェイクダウンは、6月末にベルギーで開催される2023年GT2ヨーロッパシリーズの第4ステージ「スパ・フランコルシャン24時間レース」での正式発表に向けたテスト走行である。
マセラティは約100年にわたるモータースポーツでのDNAとパッションを受け継ぎ、名車MC12を彷彿とさせる最新モデルGT2を開発し、エキサイティングなGT選手権シリーズに復帰する準備を整えている。
スピード、エレガンス、そして革新性を具現化したモデルであるGT2は、サーキットへの復帰を前提に設計され、圧倒的なパフォーマンスを発揮するポテンシャルを備えている。2023年のABB FIAフォーミュラE世界選手権への参戦が2022年末に発表され、さらにブランドを強化する戦略の一環としてFIA GT選手権への参戦を決定したことで、新たな一歩を踏み出すことになる。
GT2は、マセラティのエンジニアとデザインセンター「チェントロ・スティーレ・マセラティ」が共同で企画・デザインし、マセラティ・ブランドらしい審美的なレベルに達している。そして、マセラティ・V6・ネットゥーノ・エンジン採用し、より高いレベルへと進化させている。
特筆すべきは、F1エンジンをベースに特許を取得した全く新しいマセラティ・ツイン・コンバスチョン(MTC)エンジン技術、優れたパワーウエイト比を実現する超軽量カーボンファイバー製セントラルモノコックや軽量フルコンポジット・ボディワークにより、空力特性を極限まで引き出すことで、ダウンフォースを向上させながら、同時に空気抵抗を低減し、高いパフォーマンスを実現している。
また、空力負荷の正しいバランスを調整する開発においては、フロント・スプリッターや調整可能のリヤウィング、そして空力特性に優れたフロアパネルが開発されている。フロアパネルは、高いねじれ剛性と曲げ剛性を持ち、さらに簡単に交換ができるようクイックリリースで取り外し可能なボディワークを備えているのが特長だ。
すべてのサスペンションはレーシングコンポーネント化され、フロント、リヤに調整可能なダンパーとアンチロールバーが装備される。6速シーケンシャル・レーシングギアボックスと電動ロータリーギアシフトアクチュエーター付きステアリングホイール&パドルシフトにより、ドライバーは気持ちよい操作を行なうことができる。
アルカンターラで縁取られたカーボンファイバー製のダッシュボードと統合された10インチダッシュボードディスプレイのデータ収集システムにより近未来的なレーシング・キャビンとなっている。また、オプションのマセラティコルセ専用塗装とカラーリング(ブルー・インフィニート)が設定されている。
マセラティ GT2は50台の生産が予定されている。