ジャガー・ランドローバー・ジャパンは、ミディアムサイズのクロスオーバー「VELAR(ヴェラール)」を2017年7月に国内導入した。新たなレンジローバーファミリーに加わった新型ヴェラールは、どんな魅力のあるモデルなのかお伝えしていこう。
▼特集!レンジローバー・ヴェラール
・ラグジュアリーはすべてにおいて当然の価値観【レンジローバーヴェラール vol.1】
・デザイン・装備・エンジンなどを詳細に解説【レンジローバーヴェラール vol.2】
・レンジローバー・ヴェラール試乗レポート レンジローバーらしく上品で高級なSUV
・参考:RANGE ROVER VELAR 2017年7月11日より受注開始
■モデルのポジショニング
ヴェラールという名前は、1970年代に初代レンジローバーを製造するときに付けられた開発車両のコードネームであり、ベールに包まれた・・・を意味する造語として1967年にネーミングされている。そして、今回この名前を復活させて付けたという意味は、レンジローバーにとって、次の時代が始まっていくエポックメイキングなモデルということが背景にあるからだろう。つまり、新時代を切り開くモデルとして、次世代の先行車的意味も含んでいるということだ。
ヴェラールの属するブランドはランドローバーのレンジローバーファミリーに属している。ランドローバー・ブランドではモデルのヒエラルキーを単純な三角形で表現せず、キャラクターの性格によってポジショニングを決めている。まず、ランドローバーというブランドの考え方として、ランドローバーであることを表現するのがレンジローバー、ディスカバリー、ディフェンダーという3つのモデルだ。
この3つのモデルを使ってブランドが目指すものは、高性能なモデルを製造することが使命であることを背景に、多くのことが成し遂げられるようにすること、さらなる高みを目指すというのが、ブランドアイデンティティである。少し分かりにくいが、ドイツのプレミアムモデルのように究極の実用車的ヒエラルキーにならない、ということだからだろう。上級になるほど高級でサイズがアップしていくというヒエラルキーではなく、各セグメントで最高のモデルを提供するという位置づけの方法だ。
それは、レンジローバーはラグジュアリーというセグメントに属し、ディスカバリーはレジャーというセグメント。そしてディフェンダーはデュアルパーパスに分類され、今回のヴェラールはレンジローバーファミリーなので、ラグジュアリーセグメントになるわけだ。
ラグジュアリー、そこにはレンジローバーが持つ洗練された、エレガントなデザインがあり、豪華なインテリア、高度なテクノロジーを持つハードがあり、オールロード、すべての道で最高のパフォーマンスを発揮するという性能を持つのがレンジローバーファミリーの根幹だ。
ちなみに、レジャーセグメントのディスカバリーファミリーは多用途性や多彩、多岐にわたる能力などが根幹で、デュアルパーパスのディフェンダー系は頑強性やファンクショナル、オフロードエキスパートなどが基本とされている。
さて、それぞれのランドローバーブランドのセグメント分けは理解できたが、ポジショニングとしては、クロスオーバー、スポーツ、マルチパーパス、トラディショナルというグループ分けをしており、今回の新型車レンジローバーヴェラールはミディアムサイズのクロスオーバーという位置づけになる。ちなみに、レンジローバースポーツとイヴォークはそのスポーツに分類され、頂点のレンジローバーはフルサイズのトラディショナルという位置づけになる。
従って、レンジローバーの名前が付いているということは、ラグジュアリーなことはすべておいて当然の価値観として備わっているというモデルになるわけだ。
■4つのキーワードで理解をする
では、具体的にヴェラールを理解するうえで4つのキーワードから紐解いてみよう。
1:デザイン
リダクショニズムという言葉で説明しているが、引き算の美学と翻訳している。近年のクルマのデザインははっきり、くっきりしたデザインが主流だが、極限にまでシンプルにしたデザインがもたらす、新しい価値観であるという。
2:フレキシブル
ユーザーニーズにフレキシブルに応えるため、インフォテイメントの世界での利便性を上げ、最新のデュアルタッチスクリーン「タッチプロデュオ」を搭載。10.2インチサイズのモニターが上下2段に並び、上部がナビやインフォテイメント、下段が操作系の画面になっている。
3:人に寄り添う
レンジローバーらしくエアサスペンションを装備し、乗降時に自動で車高が下がる機能を装備する。
4:道を選ばない
インテリジェントドライブラインとしてダイナミクスAWシステムやオフロードのトラクション性能を発揮する数々の機能を搭載した。
■インジニウム ガソリンエンジン
というのが、ヴェラールの特徴になっている。そして注目はそのパワートレーンにもある。ジャガー・ランドローバーがオリジナルで開発した「インジニウム」という内燃機関。現在2.0L 4気筒のディーゼルを搭載するモデルが国内投入されているが、いよいよガソリンエンジンも投入されたのだ。
このヴェラールにはインジニウムのガソリン、ディーゼルの他にハイパフォーマンスモデルとしてV6型3.0Lスーパーチャージャーを搭載するモデルがあり、それぞれのパフォーマンスも気になるところだが、その第一弾としてハイパフォーマンスモデルには試乗できたので、この後お伝えしていこう。
▼特集!レンジローバー・ヴェラール
・ラグジュアリーはすべてにおいて当然の価値観【レンジローバーヴェラール vol.1】
・デザイン・装備・エンジンなどを詳細に解説【レンジローバーヴェラール vol.2】
・レンジローバー・ヴェラール試乗レポート レンジローバーらしく上品で高級なSUV
・参考:RANGE ROVER VELAR 2017年7月11日より受注開始