2014年11月5日、ランドローバーは、ラグジュアリーSUVのレンジローバーとプレミアムスポーツSUVのレンジローバー・スポーツの一部改良をした2015年モデルを発表した。
主な改良点は革新的な次世代オールテレイン・プログレス・コントロール・システム(ATPC)を新採用し、さらなるオフロード性能を向上させている。また、6気筒のガソリン・エンジン、ディーゼル・エンジンも、パフォーマンスと燃費効率が格段に向上した。さらに、主要データをフロントガラスに投影するヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)や、ボディの新色も追加している。
オールテレイン・プログレス・コントロール・システム(ATPC)は、レンジローバー、レンジローバー・スポーツの4WDシャシーと組み合わせて採用されている。ATPCは、停止状態、または走行時において、ブレーキペダルから足を離してもその後はペダル操作をすることなく、ドライバーが望む速度を維持するシステム。車両の設定を継続的にモニタリング、調整し、あらゆる状況下でトラクションを最適化しながら車両の前進、あるいは後退を続けるというもの。
つまり急勾配の斜面や起伏のある地形、低グリップ路面などでもクルマの挙動を安定させ、オフロード走破能力をさらに強化する。非常に低速で粘り強い走行が求められる、過酷なオフロード環境で、特に効果を発揮するという。ATPCは前進、後退どちらのギヤでも1.8km/h~30km/hで作動可能。
改良された3.0L・V6エンジンは、よい高いパフォーマンスと燃費を実現している。これまでこのエンジンはツインターボを採用していたが、今回からボールベアリング式シングルターボに変更。ロープレッシャーのEGR、と2段可変式オイルポンプ、そして最新の燃料噴射ノズルにより、最高出力258ps、最大トルク600Nmを発生する。同時に、燃費もレンジローバー は8.5%、レンジローバー・スポーツは5.7%と大幅な改善している。
レンジローバー・スポーツ V6ディーゼルは、パラレル・シーケンシャルターボを引続き採用し、チューニングにより最高出力が14ps増加し306psに、最大トルクが100Nm増加し700Nmに向上。EGR、2段可変式オイルポンプ、新型燃料噴射ノズルなどにより7%燃費を向上。
3.0L・V6スーパーチャード・エンジンを搭載するレンジローバー SCV6、レンジローバー・スポーツSCV6は、最高出力340ps、最大トルク450Nmを発揮しながら燃費は1.9%改善された。このアルミ製エンジンは、新開発のサーモスタットにより格段に早く最適温度に到達する。またレーザー加工された高精度インジェクターの採用でより精度の高い噴射ができるようになっている。さらに、改良型カムシャフト・チェーンガイド、2段可変式オイルポンプ、ピストンとピンに施されたDCLコーティング、低粘性のオイルなどを採用しフリクションを低減している。
▲HUDの高速道路モード(左)と都市モード
レンジローバー、レンジローバー・スポーツは、今回からフロントガラスに情報を投影するヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)を初採用している。HUDに映し出されるデータは、速度、ギヤポジション、シフトインジケーター、クルーズコントロール情報、ナビゲーションの指示、道路標識で、ドライバーが任意に選択できる。