ジャガー・ランドローバー本社は2023年5月11日、故エリザベス2世女王陛下の即位70周年を祝うプラチナジュビリーを記念して1台のみ製作された特別仕様の「ディフェンダー 130」を英国赤十字社に寄贈し、今後北ウェールズに配備されことになったことを発表した。この車両は、北ウェールズ地域のスノードニア山脈、リーン半島、アングルシー島などで緊急事態発生時に、すぐに到達することが困難な地域の人々を支援するために使用されることになる。
故エリザベス2世女王陛下が在位された70年間にわたってパトロンを務めてきた英国赤十字社と協力して製作した「ディフェンダー 130」は、ジャガー・ランドローバー(JLR)が追求するモダンラグジュアリーの原則にベースにしながら改造され、最先端かつ高度な通信機能を搭載している。ウェールズは、4Gデータ通信の普及率が英国で2番目に悪い地域とされており、この地域の海岸線、山岳地帯、遠隔地ではこのディフェンダーの通信機能が不可欠なのだ。
この車両には、場所を問わず強力な信号を発信するために強化された4G接続アンテナ、電話、通信用VHFラジオ、GPS追跡機能付きの最新のテレマティクスシステムが搭載している。ルーフに設置した太陽光発電システムは、エンジンが作動していないときに補助バッテリーを充電して電力を供給するため、より長い時間データ通信を行なうことができる。
さらに、3列目シートを取り外し、さまざまな支援物資を収納するためのスペースを設けられており、このスペースには引き出しを追加し、毛布や食料、救急用品などを収納できるようになっている。これらの装備により、嵐、洪水、火災、凍結といった、さまざまな緊急事態に対応することが可能になっている。
抗菌処理を施したシートカバーや充電端子を備えた充電式トーチも装備され、さらにボイラーを内蔵しているため、緊急時に温かい飲み物を提供できるようになっている。