ジープ新型「グランドチェロキーL」3列シートのフルサイズプレミアムSUVデビュー

FCAジャパンは2021年12月13日ジープのフラッグシップSUV「グランドチェロキー」を10年振りにフルモデルチェンジし、EセグメントのプレミアムSUVにふさわしい3列シートを備えた「グランドチェロキーL」を発表した。グレードは「リミテッド」と「サミット リザーブ」の2グレード構成で、2022年2月19日から発売を開始する。

4代目となる新型グランドチェロキーLは、ジープならではの悪路走破性と、長距離のオンロードも快適に移動できるラグジュアリー グランドツアラーの特性が1台に凝縮したモデルだ。

新型グランドチェロキーLはその名称通りロングホイールベースモデルで、初めて本格的な3列シートを備えている。乗車定員はリミテッドが7名、サミット リザーブは6名となっている。パワートレーンには、いずれも3.6LのV型6気筒エンジンに、8速オートマチックトランスミッションを組み合わせている。

アメリカでは、標準のグランドチェロキーとグランドチェロキーLの2本立てで、グランドチェロキーLは2021年に初投入している。標準グランドチェロキーのホイールベースは2964mmに対し、グランドチェロキーLは3090mmで126mm延長されている。プラットフォームはFCAジョルジオ プラットフォームを採用しており、アルファロメオ ステルビオとは親戚関係にあるわけだ。

ボディサイズは、全長5200mm、全幅1980mm、全高1815mm(リミテッド)/1795mm(サミット リザーブ)と、まさにフルサイズEセグメントで、車両重量は2170kg(リミテッド)/2250kg(サミット リザーブ)。

パワーユニットは、5.7LのヘミV8エンジン、3.6LのペンタスターV6、2.0Lの直ターボ/PHEVのライオンアップだが、日本には3.6LのペンタスターV6型エンジンが導入されている。アルミ製のペンタスターV6の排気量は3604ccで、ボア・ストロークは96.0mm×83.0mm。レギュラーガソリンで圧縮比は11.3。出力は286ps/6400prm、344Nm/4000rpmを発生。燃費はWLTCモードで7.7km/L。

このエンジンはシリンダーヘッド一体型エキゾースト マニホールド式とし、吸気バルブは2段階可変リフト、吸排気可変バルブタイミング機構を装備している。

4WDシステムは、クォドラトラックⅡ4×4システムと、5パターンの路面状況をプリセットしたクラス最高レベルのセレクテレイン トラクションマネージメントシステムを装備し、ジープの伝説的ともいえる悪路走破性を備えている。

クォドラトラックⅡ4×4システムは、2速副変速機付きのアクティブ トランスファーを装備し最高レベルの駆動力を生み出すことができる。さらに、最低地上高と渡河能力はいずれも前モデルを上回っている。

セレクテレインは4WDの駆動トルクスプリット、ブレーキとハンドリング、ステアリングやサスペンションシステム、スロットル、ギヤ、副変速機とトラクションコントロール、スタビリティコントロール、ABSにパワーステアリングのセッティングまでを統合的に電子制御するシステムだ。路面状況に合わせて、Auto、Sport、Rock、Snow、Mud/Sandの5つのモードがあらかじめ設定されている。

また新たにフロントアクスルを走行中に自動的にフリーにするフロントアクスル ディスコネクトを搭載。4WDでの走行が不要と判断された場合には自動的に2WD(後輪駆動)に切り替える機能で、ドライブトレーンの引き摺り抵抗を低減し、燃費性能を向上。もちろん4WD走行が必要と車両が判断した際には4WDに復帰するシステムだ。

サスペンションは前後マルチリンク式でフロントは、ハイマウント式で仮想キングピン軸を持つ。そして電子制御アダプティブダンパーを備えたクォドラリフト エアサスペンションを装備し、自在に車高を選択できる。車高の変化幅は106mmで、通常はオート設定となっており、コンソールのスイッチで必要に応じてマニュアルを選択することも可能。ノーマルでの最低地上高は212mmで、悪路での最高は276mmになる。またパークモードでは最低地上高は166mmにまで下げられる。

なおエンジンはサブフレームにリジッド結合されたクレードル構造となっている。そしてサブフレーム、電子制御アクティブ エンジンマウント、ステアリングギア ケース、新設計の電子制御ブレーキブースターとサスペンションタワーは全てアルミ製で、クロスビームはマグネシウム性とするなど軽量化。なおボンネット、リヤゲートの一部もアルミ製だ。一方で主要な骨格は最新の超高張力鋼板を採用し、高剛性と軽量化を両立している。

新型グランドチェロキー Lのエクステリアは、1963年に誕生したラグジュアリーSUVの草分け、「ワゴニア」にインスピレーションを得ており、そのワゴニアは、4WDの高い走破性と乗用車らしいデザイン、快適性を融合。そのコンセプトは高く評価され、自動車史に名を刻む名車徒して記憶されている。

グランドチェロキーLはそのワゴニアのロングノーズ プロポーションや広々とした開放感のあるキャビン、特徴的な逆スラントノーズを受け継ぎ、全体のフォルムはクラシックで、同時に最新のデザインアプローチによりモダンさ、洗練さも盛り込み、オンロード、オフロードのどちらでもフィットするスタイリングを実現している。

フロントのエアインテークにはパワートレインの冷却状況に応じて開口部のフラップを自動制御するアクティブグリルシャッターを新たに採用。また、フルサイズSUVでありながら、アプローチアングルをはじめとする対地障害角を十分に確保し、ラグジュアリーSUVの佇まいと優れたオフロード走破性を両立させている。アプローチアングルは30.1度、ディパーチャーアングルは23.6度、ブレークオーバーアングルは22.6度とクラス最高となっている。

インテリアはグランドチェロキーLならではの世界観を創り上げるため、上質かつプレミアムクラスにふさわしい作り込みが行われている。

インストルメントパネルは水平基調で横方向の広がりが強調され、厳選された上質なマテリアルを重ね合わせたレイヤー状レイアウトにより一段と上質感が生み出されている。「サミット リザーブ」は、本杢パネル、高級レザーなどのトリムを装備しプレミアムクラスにふさわしい仕上げとしている。

また「サミット リザーブ」の2列目シートは快適性の高い独立式のキャプテンシートを装備。ハンドメイドのキルト風パレルモ レザー張りシートとなり、1列目/2列目はベンチレーション+マッサージ、メモリー機能を装備している。

初めて採用された3列目のシートは、フルサイズカーにふさわしく、大人が長時間乗っても快適な本格的なシートとなっているのもアピール点だ。なおラゲッジ容量は、3列目シートを格納すると1330L、2列目シートも倒すとフルフラットのラゲッジスペースとなり、容量は2400Lにも達する。

センターコンソールの上部には10.1インチのデジタルタッチスクリーンが配置され、モダンで使い勝手に優れたインターフェイスを実現。

インフォテインメントシステムは、第5世代のAndroid OSを採用したUコネクト/オーディオシステムを採用。アイシン製ナビゲーションシステムを搭載し、Apple CarPlay、Android Autoに対応するほか、予め登録した最多5名分のユーザープロファイルが登録可能となっている。

またのATのシフトセレクターはジープ初となるロータリーシフトを採用。回転式の金属製シフトコントローラーにより操作性が向上しており、ギアが切り替わったことが指先に伝わるフィードバック機能により、直感的な操作が可能。またロータリーシフトの両脇には、セレクテレインと車高調整機能スイッチが集約されている。

また「サミット リザーブ」は、フロント16ウェイパワーシート、フロントマッサージ機能、マッキントッシュ プレミアムサウンドシステム、スマートフォンの充電ができるワイヤレスチャージングパッド、ハンズフリーパワーリフトゲートなどが備わっている。

運転支援機能は、車両周辺の障害物をモニター上で確認できるサラウンドビューカメラ、ヘッドアップディスプレイ、後席の乗員や荷物の有無に関わらず後方視界を確保できるデジタルリアビュールームミラー(サミット リザーブ)、車線中央を維持した走行をサポートするアクティブドライビングアシスト(サミット リザーブ)、インターセクションコリジョンアシスト(交差点衝突回避支援機能/リミテッド)といった、初採用の機能を数多くの含む先進装備をしている。さらに「サミット リザーブ」はナイトビジョンも装備している。

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