2014年5月14日、ジャガー本社は1963年に製造されたレース仕様の「E-TYPEライトウェイト」の完全再現モデルを6台生産すると発表した。このライトウエイトモデルは、当時ジャガーのレース部門がE-TYPEライトウェイト・プロジェクトとして計画し、予定台数が生産されなかった経緯がある。
当時の計画では、アルミニウムボディのスペシャルGTカーである「E-TYPEライトウェイト」は合計18台が生産されることになっていたが、実際には1964年に造られた最後の1台を含む12台のみが完成し、残り6台用の車台番号は現在まで使用されずにいた。なお当時生産された12台のうち11台は現存しているという。
当時の「E-TYPEライトウェイト」は、グラハム・ヒル、ジャッキー・スチュワート、ロイ・サルヴァドーリ、ブリッグス・カニンガムらをドライバーに起用し、レースに参戦。多くのレースで上位を占める常連として活躍した。
ジャガー社史上初となる「再生・生産プロジェクト」によ復刻生産されることが決定し、オールアルミニウム製の新たな6台には、1963年当時に割り当てられる予定だった車台番号が付与される。
この「E-TYPEライトウェイト」の製造は、ジャガー社内の最高水準を誇るクラフトマンが当時と全く同様にアルミパネルの叩き出しを行なうなど手作業で作られるという。6台はすべて3.8L・直列6気筒エンジンを含み、1960年代のオリジナルモデルの仕様に忠実に従って製造される稀少モデルとなる。
「E-TYPEライトウェイト」はレースでの使用を前提に、オールアルミニウム製のモノコックボディ、アルミ・エンジンブロックや広角シリンダーヘッド、ドライサンプ、機械式燃料噴射を採用し、内装品および外装のクロムメッキ塗装の省略、手動式の軽量サイドウインドウなどの軽量化を行なっており、当時の「E-TYPE」の標準モデルに比べ、約114kg(250ポンド)軽量化を実現している。
「E-TYPEライトウェイト」再生産モデル第1号は、今夏に正式発表の予定。詳細情報も同時発表されるという。