【ジャガー・パリショー】ドライビングプレジャーを追求したオールアルミ製2シーター・スポーツカー 「Fタイプ」登場

5.0Lスーパーチャージャー付きエンジンを搭載するジャガー Fタイプ V8 S

パリ・モーターショーで、ジャガーとしてはあのEタイプ以来となるスポーツカー、「Fタイプ」がベールを脱いだ。Fタイプは、すでに何度もコンセプトモデルとしてショーに姿を見せてきたが、このパリショーで市販モデルの全貌が発表された。ジャガーは当初の計画通り、2013年からの発売を予定している。

戦前から1970年代まで、ジャガーはイギリスを代表するスポーツカーメーカーとして君臨していたが、1975年にEタイプの生産を終了して以来スポーツカーは存在せず、高性能ラグジュアリーセダンの専業メーカーとなっていた。今回デビューしたFタイプは、かつての名声を取り戻すための重要なモデルと位置付けられる。

Fタイプは、高出力・高性能、俊敏な運動性能、ドライビング・プレジャーを満足させる2シーター・コンバーチブルで、ジャガーにとっての原点回帰モデルとなる。なおこのコンバーチブルは発売後にはクーペモデル、プラグインハイブリッド、4WDなどの追加が計画されているといわれる。

ボディはアルミ構造で、フロント・サブフレーム、前後のダブルウィッシュボーン・サスペンションもアルミ製としている。また一部の衝撃吸収構造部、トランクリッドは樹脂製。ボディのアルミ材接合はリベットと接着剤を使用しているのが特徴だ。こうしたアルミボディ構造と徹底した軽量化により、ホワイトボディ重量は261kgときわめて軽量になっている。

ボディサイズは、全長4470mm×全幅1923mm×全高1296mm(V8 Sのみ1307mm)、ホイールベース2622mm。プラットフォームはXKコンバーチブル用を短縮して使用している。ライバルはポルシェ・ボクスター、BMW Z4、メルセデスSLKなどだが、性能的なターゲットはポルシェ911だろう。

Fタイプのエクステリア・デザインは、クラシックともいえるロングノーズ/ショートデッキ、ショート・オーバーハングのフォルムで、フロントマスクは大きなグリルが開口している。インテリアのデザイン基調もシンプルさ、簡潔さを重視している。

ラインアップは、「Fタイプ」、「FタイプS」、「FタイプV8 S」の3機種で、いずれもスタート&ストップを装備する。フロントに搭載されるエンジンは、Fタイプが3.0L・V6型スーパーチャージャーで出力は340ps/450Nm、FタイプSは同じエンジンの高出力版で380ps/460Nm、FタイプV8 Sは5.0L・V8型スーパーチャージャーで495ps/625Nmという出力だ。

各エンジンのインジェクションはスプレーガイド式の直噴システムで、燃焼室の中央に最大150barの圧力で燃料が噴射される。

3機種のモデルはすべてZF製8速ATが採用され、スポーツカー専用のチューニングがされているという。動力性能は、Fタイプの0-100km/hが5.3秒、FタイプSが4.9秒、FタイプV8 Sが4.3秒。最高速はリミッター付きで、それぞれ260km/h、275km/h、300km/hに設定されている。

一方燃費では、Fタイプが9.0L/100km、FタイプSが9.1L/100km、FタイプV8 Sが11.1L/100kmとなっている。

インテリアでは、2シーターだが左右のシートを非対称デザインとし、インスツルメントパネルもドライバーオリエンテッドを徹底している。スイッチ類は戦闘機のコックピットからヒントを得ており、8速ATセレクターは操縦桿の形をしている。

ジャガーらしい隠しアイテムとして、リトラクタブル式エアコン吹き出し口がセンターコンソール上部に装備される。特定の条件でエアコンの吹き出し口が出現する。

FタイプS とV8 Sには、ボディの動き、ロールレート、ピッチレートを積極的に制御するアダプティブ・ダイナミクスシステムを採用。さらに、エンジンのレスポンスやステアリングの操作力、ダンパーの減衰力を個別に選択できる「コンフィギュラブル・ダイナミクス」もオプション設定されている。

Jaguar F-TYPE 主要諸元表

ジャガージャパン公式サイト

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