英国のジャガーカーズは現地時間の2012年6月28日、同社のサルーンの中核モデルある「XF」と、フラッグシップサルーン「XJ」の2013年モデルの概要を明らかにした。2008年にデビューしたXF、2009年にフルモデルチェンジした4代目XJにとって、それぞれ初めてのビッグマイナーチェンジと言える内容で、最大のテーマはやはり環境性能の向上だった。ジャガーといえどもダウンサイジングの洗礼を免れることはできなかった。
まず第一に、エンジンのバリエーションが拡充されている。新たに2種類の過給器付きガソリンエンジン2.0L直4型のターボチャージドと3.0LV6型のスーパーチャージドが追加された。
従来のラインアップである2.2Lの直4ターボディーゼルと3.0LのV6型ターボディーゼル(いずれも日本には未導入)、それに自然吸気及び過給器付きの5.0LのV8型ガソリンエンジンは継続される。ちなみに現在、XFの日本仕様に搭載されている自然吸気の3.0LV6型ガソリンエンジンは2013年モデルのラインアップからは外されている。
次に従来の6速に代わって、8速のZF製オートマチックトランスミッションがXJとXFのすべてのガソリン&ディーゼルエンジンと組み合わされるようになり、効率とパフォーマンスを向上。そして「ジャガー・インテリジェント・ストップ・スタート・システム」というアイドリングストップ機構が、2.0L直4型のターボチャージドを除くすべてのエンジンに採用されている。
これにより、排出ガスの低減と燃費向上が促進されたことは言うまでもない。5.0LのV8型エンジンは、燃費が最大8?11%向上し、排出ガスは6%?8%以上も削減されている。
XJとXFの2013年モデルには、イギリスの超高級音響メーカーである「メリディアン」が開発したプレミアムサウンドシステムが新たにオプションとして設定される。トータル出力で380Wと825Wの2種類が用意され、ハイエンドの825W仕様では15のオーディオチャンネルを通じて、XFでは17個、XJでは20個のスピーカーから、圧倒的にクリアで高品質なサウンドを実現しているという。
さらに2013年モデルのXJとXFでは、インフォテインメント・システムの刷新により、オーディオ及びナビゲーションのインターフェイスと使い勝手が向上。またXJではリヤサスペンションの改善により、乗員の快適性がいっそう最適化された。
具体的にはXJの全モデルにおいて、スプリングとダンパーのチューニングが見直され、高い評価を受けているダイナミックな俊敏性に影響を及ぼすことなく、あらゆる路面で乗員が路面の凹凸から分離され快適性が向上したとのこと。なお、このサスペンション・チューニングは、フラッグシップとなるXJアルティメット(日本未導入)で導入したものを全車に拡大している。
本国で発表されたXFサルーン(ガソリン/ディーゼル)とXJ(標準ホイールベース仕様)の主要スペックは以下の通り。もちろん、この中には日本には導入予定のないモデルも多数あるものと思われる。