GM シボレー カマロ試乗記(FR V型8気筒6.2L 10速AT)

シボレー カマロの国内で販売されるラインアップは2.0L 4気筒ターボのクーペとコンバーチブル、そしてV8型を搭載するSSの3モデルだ。そのトップモデルのSSはV8ならではの魅力と、現在のアメリカン マッスルを満喫できる楽しさを満喫してきた。

6.2L10速ATを搭載

カマロには一定の固定客とも言えるファンは存在しているが、逆にアメ車を敬遠する人もいると思う。そうした人に向けて、この魅力あふれるスポーツカーのことをお伝えしたい。

全長4785mm、全幅1900mm、全高1345mm、ホイールベース2810mmというボディサイズで、幅は広いものの最近の輸入車の肥大化傾向からすれば、特別大きなボディということはない。

現代のアメリカン マッスル「シボレー カマロSS」6.2LのV8型エンジンが最大の魅力

試乗したカマロSSは6.2LのOHVエンジンに10速ATを搭載し、333kW(453ps)/5700rpm、最大トルク617Nm/4600rpmの大出力を持っている。乗車人数は4名だが、実質2名でリヤシートは子供以外では乗れないほど狭い。ちなみに、2.0Lターボモデルは8速ATとなっている。

そしてシルエットはロングノーズのクーペスタイルで、正統派スポーツカーのルックスは魅力溢れるシルエット。しかも20インチサイズのタイヤ&ホイールも目立つ。SSは前後異形サイズでフロントが245/40-20、リヤが275/35-20という存在感あるサイズだ。

こうしたシルエットでV8エンジンを搭載するモデルでアメ車を除くと、アストンマーティンやマセラティなどが思い浮ぶが、2000万円を超えるモデルになる。このカマロSSはなんと!710万円だ。

V8サウンドを堪能

この6代目カマロはGMアルファプラットフォームを採用し、2018年にマイナーチェンジ。第5世代から90kgもの軽量化をした高剛性ボディになっている。そして2020年1月にフェイスリフトが行なわれ、12月にクラウドストリーミングナビを搭載する変更も行なわれている。

333kW(453ps)/5700rpm、最大トルク617Nm/4600rpmの大パワー

このカマロSSの最大の魅力は、なんと言ってもV8エンジンだ。40km/h、60km/hという日常の走行では1100rpm付近で事が足りてしまう。それほど低速トルクがあり、もはやアイドリングで走行しているようなものだ。そこからアクセルを踏み込むと、4000rpm付近でエンジンサウンドは変化し、高音のランブル音へと変わる。が、一瞬で国内の制限速度は超えてしまう。

ドライブモードはツーリング、スポーツ、トラック、そしてスノーモードがあり、ステアリングの操舵フィールと電子制御のマグネティックライドのサスペンションの減衰が変化する。

ドライブモードのツーリングからスポーツ、トラックへと変える毎にサスペンションは引き締まり、ステアリングの手応えもしっかりしてくる。が、ツーリングとスポーツではそれほど大きな変化はなく、常用域を超え、高回転域に入り車速が上がると変化を感じるレベルだ。

トラックモードは文字通りサーキットで使用するモードだが、ESCなど最終の安全装置は完全には解除されず、作動限界が引き上げられている設定だ。だが、あくまでも公道ではなくトラックでの使用に限定されている。

そしてスポーツモード、トラックモードで高回転まで回し、ブレーキングしながらシフトダウンをするとパンパンとアフターファイヤーの音がする演出もあり、気分はかなり高揚する。

しかしながら10速ATの変速はDCTのようなダイレクト感はなく、トルコンATの変速であることは否めない。だからダウンシフトでパドルを使っても小気味よくシフトダウンされず、やや消化不良だ。なのでベストな使い方は、ギヤセレクターは「D」のままにして、ドライブモードはスポーツで、ワインディングを走行するのがいいだろう。マニュアル操作よりもなぜか、DCT風に小気味よくダウンシフトしてくれるのだ。

そしてクローズドエリアでの使用を謳う、ラインロックがユニーク装備だ。アメ車といえばラインロックというイメージの人も多いだろう。フロントにブレーキを掛け、アクセルを踏み込んでいけばリヤタイヤはバーンナウトし、白煙モクモクという演出。こうした遊び心も搭載しているのもカマロの魅力だ。

もはや虜

これだけのロングノーズのシルエットでのハンドリング、ダイナミック性能でも、紛れもないスポーツカーのハンドリングなのだ。ドライバーのシートポジションがリヤ寄りに見えるかも知れない。そのためヨーモーメントも大きいだろうと想像すると思うが、実際は軽快に回頭するので、ワインディングが楽しい。アメ車=直線番長の図式はあまりに古いことが解る。

ヨーの出るタイミングもステア応答にリニアに反応し、きっちりとステアリングに手応えを与える。そこからアクセルを踏み旋回Gを感じながら徐々にステアを戻すときのエンジントルク感は、何ものにも代え難い「味」を感じる。

そしてマグネティックライドの効果もあり、ロール、ピッチは抑えられ、急制動をしてもリヤが沈み込むように減速するから、そこからのノーズの入りはスポーツカーのそれだ。

こうして2日間400kmほどの試乗を終えたが、全行程でACCを試してみる気にならいほど、運転が楽しかった。高速道路も走行したし、少しの渋滞もあった。それでもACCを使わないのは、エンジン音が楽しいからだ。アクセルペダルに反応するエンジン音はアイドリング以外全部、自分の右足に連動して吠える。

ときに身震いしながらフル加速するカマロSS、アメリカ車にしかない魅力をたっぷりと堪能でき、返却がとても名残惜しい試乗だった。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

スペック


The Mortor Weekly

ページのトップに戻る