キャデラック EセグメントEVのラグジュアリーSUV「LYRIQ=リリック」を発売

GMジャパンは2025年3月8日、EセグメントEVのラグジュアリーSUV「リリック」(右ハンドル)を発表し、発売を開始した。デリバリーは5月以降が予定されている。

モデル概要

120年以上の歴史を誇るキャデラックから誕生した、右ハンドル仕様の電動クロスオーバーSUVのリリックは新時代のラグジュアリー性と独自性を追求し、排気ガスゼロを目指し、ブランドの未来を切り拓く重要なモデルに位置づけられている。

アメリカで92件の特許を取得し、最先端のテクノロジー、卓越したキャデラックならではのクラフトマンシップ、そして細部に至るまで緻密に作り込まれたデザインを融合させ、ラグジュアリーカーの新たなスタンダードを確立している。

リリックは、2019年のニューヨークモーターショーでメアリー・バーラCEOがGMの電動化を宣言し、その第1弾となるのがキャデラック リリックとされた。そして2020年春にプロトタイプを公開し、2021年には生産の開始を予定していたが、新型コロナウイルスの拡大により延期を余儀なくされた。

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その後、2021年の上海モーターショーで、ほぼ量産仕様のショーカーが展示され、量産仕様も発表された。そして2023年にアメリカで発売以来、全米で高い評価を受け、ドイツのラグジュアリーカー・オブ・ザ・イヤーではアメリカ車で初の受賞を果たすなど、キャデラックの名にふさわしい唯一無二のデザイン、かつてないドライビングフィールと極上の快適性が高く評価されている。

採用されているプラットフォームはGM BEV3プラットフォームで、これはアメリカで販売されるホンダのアキュラ・ブランドのZDX、プロローグにも採用されている。

キャデラックであることが一目でわかる縦長のLEDヘッドランプなど、モダンかつ伝統を受け継いだエクステリア、33インチ・アドバンスドカラーLEDディスプレイをはじめとする、最新の装備と細部に至る高品質なパーツで仕上げ、すべて専用デザインのパーツで仕上げたインテリアとしている。

ドライブトレインとシャシー

前後のアクスルにモーターを搭載したデュアルモーター仕様のeAWDシステムは、前後モーターを独立して制御することで、4種類のドライブモード(ツアー、スポーツ、スノー/アイス、マイモード)に合わせたトラクションと安定性を確保している。

フロントモーターは170kW(231ps)/309Nm、リヤモーターは241kW(328ps)/415Nmで、システム総合出力は522ps/610Nmという高出力を備えている。通常はエネルギー効率を優先して、電費を抑える一方、必要に応じて前後の駆動トルクの配分を最適化する。

リリックは、テネシー州スプリングヒル工場と、中国の煙台工場で生産され、EVバッテリーはCATLのリチウムイオン・バッテリーを採用している。バッテリー容量は95.7kWhと大容量で、航続距離はヨーロッパWLTPモードで510kmとなっている。

最新のBEV3プラットフォームを採用することで、出力タイプを選択できるドライビングモードを備え、電力の変換や制御、供給を統合したパワーエレクトロニクスとバッテリーを組み合わせた独自のモジュラーシステムで構成となっている。

車両のフロア面に配置されたバッテリーを、前後のタイヤ間に収めることで低重心による安定性の向上と構造上の強度を確保。前後重量配分も理想値といわれる50:50を実現している。

また、回生ブレーキ機能により、アクセルペダルだけで加速から停止まで行なうことができるスムーズなワンペダルドライブを実現。回生ブレーキは3つのレベルから選択可能でる。2モーター仕様のため、一般的な電気自動車のほぼ2倍もの最大0.4Gの回生ブレーキ力が得られ、回生されたエネルギーはバッテリーに送られて、結果として航続距離を伸ばすことができる。

充電は、100V、200Vの普通充電とCHAdeMO規格の急速充電に対応している。

シャシーは、フロント、リヤのサスペンションにはマルチリンク式を採用したほか、ステアリングシステムにはトルクオーバーレイ(STO)を導入。STOは、電動パワーステアリングに、常に最適なトルクを発生させることで、精密な制御や補正を行なう。これにより常にダイレクト感のある正確なハンドリングを実現。タウンユースからダイナミックなドライビングまで、あらゆるシーンに対応している

なおSTOは、アダプティブ・クルーズコントロール、レーンキープアシストなど運転支援システムが作動している場合も、ドライバーに自然なステアリングフィールを生み出す機能も果たしている。

デザイン

エクステリアは、流麗なサイドシルエット、スムーズなルーフラインや流れるようなAピラーとウエストライン、3085mmというロングホイールベースが優美で圧倒的なプロポーションを生み出している。標準装備の21インチ・ホイールとともに、ラグジュアリーEVにふさわしい風格と存在感を生み出している。

キャデラックの伝統を受け継ぐフロントフェイスは、ブラックのクリスタルシールドの中央に位置するクリアタイプのキャデラック・クレストが、新世代の電気自動車であることを印象付けている。また、キャデラックの象徴ともいえる縦長のLEDヘッドランプが、上部のスワイピングLEDウィンカーとともに、存在感ある美しいワイド&ローのフロントスタイリングを際立たせている。

リヤは往年のキャデラックを彷彿とさせる美しいデザインで、1967年型「エルドラド」のオマージュとしてデザインされたテールランプを採用。さらに、クラストップレベルの広さを誇る電動サンシェード付きガラスルーフを搭載し、差し込む光がインテリアを美しく演出。スポーティなスタイリングを強調するアクセントになっている。

インテリアは、ドアを開けた瞬間に直感できる洗練された、シンプルかつダイナミックな造形のコックピットを実現。ドライバーの正面には、湾曲型にデザインされた33インチ・アドバンスドカラーLEDディスプレイ、宙に浮いているかのようなセンターコンソール、リアルなウッドパネルが上質さを表している

そしてドアパネルには、業界初のレーザーエッチングバックライトを配して、きらめくような光の動きを生み出す「KOMOREBI(こもれび)」が、キャビン全体に温かみのある空間を演出している。

また、コンソール部のロータリーコントローラーには高級感あふれるローレット加工が施され、ウッドパネルに映える洗練された輝きを生み出している。シートには、ロングドライブでも快適に過ごせる新開発の高密度フォームを採用し、レザーに代わる動物由来ではないサステナブルな素材「Inteluxe(インタラックス)」を標準装備している。

電動化されたことで生まれたキャビンスペースは、後席のレッグルームをはじめクラス最高レベルの広さがあり、電動開閉式のテールゲートを備えたラゲージスペースは通常793Lで、最大1722Lの大容量を生み出している。

ドアパネルやフットウェルなど好みに応じて照明色が選択できるアンビエントライトは、126色を用意。室内をドラマチックに演出する。

高剛性のボディにより、優れた静粛性も実現。ボディのあらゆる部分に吸音材や制振材を施すことでノイズを減らし、騒音を低減している。フロント・サイドの2重ガラスはもちろん、リヤガラスには5mm厚の強化ガラスを採用。

さらに次世代型のアクティブノイズ・キャンセレーションを採用。車体四隅に配置した3軸加速度センサーでタイヤからの振動を検知し、キャビン内のマイクセンサーで検知したノイズと合わせて不快な侵入音を打ち消し、高レベルの静粛性を実現。マイクとヘッドフォンの世界的なブランド、AKG製の全19個のスピーカーが全方位から立体的でナチュラルな音響空間を生み出している。

また、寒冷地での走行に対応するため、ワイパーヒーターを搭載。内蔵されたヒーターが効果的に雪や氷を融解させ、迅速にワイパーが使用可能となる。

これにより、時間の節約だけでなく、結果的に航続距離も伸ばすことができる。さらに、乗員が車内の空調を設定すると、バッテリーシステムから発する余分な熱を活用して車内に送り込んで温めるヒートポンプシステム式統合温度コントロール採用。厳しい冬でも、効率性を維持できるよう設計されている。フロントシートはヒーター&ベンチレーションを標準装備し、リヤにもシートヒーターを備えている。

運転支援システム

高度なレーダーやカメラ、超音波センサー技術を活用し、周囲の交通を感知して監視する。レベル2+のアダプティブクルーズコントロール「スーパークルーズ」や、レーンキープアシストなどの運転支援システムと連動して、あらゆるシーンで事故リスクを低減する。また、リヤカメラミラーは、ズーム機能や明るさ調整に対応し、視界や視認性を向上。安全な運転環境を生み出すことができる。

20km/h以下で走行中、歩行者や自転車に車両の接近を知らせる車両接近通報装置は、人間味のある豊かで心地よい独自の警告音を開発。さらにキャデラックとして初めて搭載したサイド・バイシクルアラートを合わせて、周囲の安全も高いレベルで確保している。

なお、GMジャパンは、リリックの発売を記念して、3月8日(土)から3月16日(日)までの期間限定で「ローンチキャンペーン」を実施している。

このキャンペーンでは、エクステリアカラー5色、インテリアカラー3色、そして2つのルーフ関連オプションを自由にオーダーが可能で、さらに、キャンペーン期間中に購入した人には特典として2.4%低金利ローンを利用することができる。

価格

キャデラック リリック:1100万円(税込み)

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