2013年3月26日、GMはニューヨークモーターショーの前夜祭でキャデラック・ブランドのミッドサイズのラグジュアリーセダン、新型「CTS」を発表した。3代目となる新型「キャデラックCTS」は、「ATS」と共通のプラットフォームを採用し、World’s Best、つまり世界最高のミッドサイズ・ラグジュアリーセダンを目指している。
新型CTSは、最新の高性能リヤ駆動システムを備えたスポーツセダン、ATSのプラットフォームをベースに開発され、ミドルクラスで最も軽量で、傑出して俊敏なダイナミクスを備えている。そして新開発のV6つインターボ・エンジン、8速ATモデルも設定されている。なお生産は今秋にミシガン州ランシング工場で開始される計画になっている。
グローバル・キャデラックのボブ・ファーガソン副社長は、「全く新しい新型キャデラックCTSのセダンは、巧妙に作り込まれたデザイン、スリルに満ちたパフォーマンス、そして、精巧なテクノロジーを備えています。またCTSはキャデラックの中でも最も重要なポジションに位置付けられ、文字通りワールド・ベストとなるべく挑戦するクルマです」と語る。
より長く、より低いプロポーションを備え、研ぎ澄まされたアスリートの肉体のようなボディは、キャデラックを象徴するスポーツセダンであることを示し、キャデラックブランドの伝統である美しさと技術力に裏付けられた「アート&サイエンス」哲学を進化・熟成させたといえる。新型CTSのボディは全長が127mm、ホイールベースは30.5mm延長され、カウルトップ、ルーフラインは25mm低くなっている。
新型CTSは全長やホイールベースを延長したにもかかわらず、キャデラック初のアルミドアを採用するなどにより重量は従来型より90kgも軽量化され、BMW528iを下回る。また前後の荷重配分もほぼ50:50を実現した。またキャデラック初となるマグネティックライドコントロール・システムも採用し、確かなハンドリングと乗り心地を両立させているのも注目ポイントだ。
新型CTSでは、キャデラックならではの印象的なフロントグリル、縦型ヘッドライトも進化してる。ヘッドライトはクリスタルのように輝くLEDを採用しボンネットにせり上がるようなデザインでまとめられている。またフロントグリルは上級グレードにはアクティブシャッターが装備され、空力性能を高め、燃費を向上させている。
インテリアは、ドライバー中心のデザインが貫かれ、その一方でハンドクラフトの質感が融合されている。内装色は8種類が用意され、いずれも本木目、カーボン地、アルミなどの素材を生かした質感の高いインテリアとしている。レザーシートは、上級グレードにはセミアニリン皮革を採用し手加工、縫製された最高のクオリティが提供される。
パワーユニット、パワートレインも新たなテクノロジーが投入された。Vスポーツ・グレードにはキャデラック初となる3.6L・V6ツインターボ、8速ATが採用された。V6ツインターボは420ps/583Nmを発生する。最大トルクは2500rpm?5500rpmとワイドな設定になっている。0-100km/h加速は4.6秒で、パワー、トルク、動力性能のいずれもセグメントでトップだ。エンジンバリエーションはこの他にNA3.6 L・V6、4気筒2.0Lターボもラインアップされる。
なお、V6の4WDモデル、2.0Lモデルは6速ATとの組み合わせとなっている。新開発の8速ATは6速ATに比べ燃費が1.5%向上していることと、パドルシフトが標準装備となっているのが特徴だ。
タイヤはピレリ製の18インチ・サマーラジアル(オプションで17インチ、19インチオールウェザー・タイヤ)を標準装備。ブレンボ製のブレーキと高ミュー・ブレーキパッドを採用。ZF製の電動パワーステアリングのギヤ比はクイックに設定され、さらにサーキットモードのスイッチを押すとギヤ比はさらにクイックに、磁性流体ダンパーはハードに変化して、ハンドリング性能を向上させる。ATS開発チームが担当したシャシーは、よりダイレクトなインフォメーション、優れたコントロール性、俊敏なレスポンスを併せ持ち、また軽いばね下重量により圧倒的なハンドリング性能と快適な乗り心地を両立させている。サスペンションはフロントがダブルピヴォット式ストラット、リヤは5リンク・マルチリンク式。
装備でも数々の先進技術を採用しており、8インチ高解像度ディスプレイ(オプションで12.3インチも選択できる)、電動カップホルダー、ベンチレーションシート、ボーズ11スピーカシステム(オプションで13スピーカーも選択可能)、キャデラック初のオート・パーキングアシストなども装備。またドライバー支援システムとしては超音波センサー、レーダー、カメラを駆使した衝突回避、後進衝突回避自動ブレーキなどを備えている。