2014年9月24日、ゼネラルモーターズ(GM)は、さらなる事業拡大の一環として主力ブランドのキャデラックを独立したビジネスユニットとして確立するための戦略的事業再編を発表した。これにより2015年にキャデラックの組織は、新たにグローバル本部をニューヨークのマンハッタン・ソーホー地区に移転する。
この事業再編は、GMのグローバル戦略の中でキャデラックの重要性がきわめて高いことを示している。新しいキャデラックのビジネスユニットを独立させることで、プレミアムカー市場でのさらなる成長を追求することになる。現在のキャデラックは、世界の40ヶ国以上で事業を展開しており、2013年は28%の成長を遂げ、今年はこれまでに約10%増加している。また中国でのキャデラックの販売は、年75%のペースで成長しているのだ。
GMのプレジデント、ダン・アマン氏は、「新世代のキャデラックの商品は市場で成長を遂げ、次の一歩はキャデラックがグローバルで成功するためにブランドの育成と、GMの枠を超えた自由を提供することです。キャデラックの使命は、はっきりとフォーカスした新しい組織による大胆な挑戦により、グローバル・ラグジュアリー・ブランドの中で、キャデラックを卓越したポジションとすることが目的です」と語っている。
なお、キャデラックのプレジデントには、アウディ・ジャパン、アウディUSAを経てインフィニティの責任者となっていた、ヨハン・ダ・ネイシンが新たにブランドの運営、活動を指揮する責任者として就任している。ダ・ネイジンのスタッフは、販売・サービス担当バイス・プレジデントのジム・バネル、CMO(最高マーケティング責任者)のウーヴェ・エリングハウス、CFOのデビッド・コラシンスキー、エグゼクティブ・チーフエンジニアのデビッド・レオーン、デザイン担当エグゼクティブ・ディレクターのアンドリュー・スミスで構成される。
キャデラックのグローバル事業本部をデトロイトからニューヨークに移す目的は、新しいトレンドの確立、グローバル・ラグジュアリー市場における新たなスタンダードとするためだという。ニューヨークのマンハッタンという世界的な都市の中心部を選び、現代的なロフト型のオフィスを設け、多目的ブランドスペースやイベントスペースも備える計画だ。なお、技術・商品開発チームはこれまで通りミシガン州に所在する。
ダ・ネイシン氏は、「私たちは、デトロイトでのルーツと伝統を非常に誇りに思っています。キャデラックの製造に関わる大部分はミシガン州に残ります。新たな本部となるニューヨークほど住民にプレミアムなライフスタイルに浸透している都市は世界にありません。ソーホーに、私たちの新しいグローバル本部を設立することで、私たちのチームはプレミアムブランドの消費者と経験を共有し、私たちのお客様と共通の姿勢や気持ちを創り上げることができるのです」と語っている。