GM本社は2023年4月7日、 GMの商用EV事業であるブライトドロップ(BrightDrop)が、3カ月前に稼働したばかりのカナダ・オンタリオ州の大規模EV生産施設CAMI工場で、第1四半期に製造された最初の500台以上のブライトドロップ「Zevo 600」の出荷を開始したと発表した。そしてこの2023年モデル「Zevo 600」はこの時点で完売となった。そのため、2024年モデルの車両の予約受注をスタートし、今年半ばには納車を開始する予定だ。
そして、最新の顧客である物流大手ライダーシステム社が、2025年までに4000台のブライトドロップEVをレンタルおよびリース車両に追加することが決定している。
これまでの2年間で、ブライトドロップは小売、レンタル、宅配便、公共サービス事業などの業界で30以上の顧客を獲得している。この中には、すでに発表済みのFedEx、ウォルマート、ハーツ、DHL Express、Purolatorに加え、American Tire Distributors、WasteNot Compost、Rexel USAといった新規顧客も含まれており、ブライトドロップの商用EVバンはカーボンユートラルを目指す多くの企業から関心を集める状態になっている。
このためブライトドロップは、記録的な早さの商用EVバンを商品化するとともに、GM史上最速の従来工場からEV生産工場への転換を行ない、EVバンの生産を加速させ、2025年までに年間5万台の生産能力を達成するための準備を整えている。
ブライトドロップがこのように自動車業界において圧倒的なスピード感で新規事業に挑戦できたのは、GM内の完全子会社のスタートアップ企業というユニークな構造であることが大きな原動力となっている。GMとブライトドロップ両社の強固な関係により、最先端のイノベーションと迅速な事業展開に集中することができた。ブライトドロップはGMのプラットフォーム資産、規模、生産力を利用し、急速な事業展開を実現したのである。